ArcGIS Data Store とは
ArcGIS Data Store は、Portal for ArcGIS への公開のワークフローを最適化するように設計された ArcGIS のオプション コンポーネントです。Portal for ArcGIS に ArcGIS Data Store を構成すると、数千ものフィーチャ レイヤーをポータルに公開したり、キャッシュされたホスト シーン レイヤーを公開したりすることができます。
ArcGIS Data Store は簡単に設定と構成ができます。データベースの専門知識がなくても、ArcGIS Data Store では、ウィザード ベースで設定と構成を簡単に実行できます。設定と構成が終了すると、異なる 2 つのデータ ストアが作成され、一方はホスト フィーチャ レイヤー データの保存用、もう一方はシーン レイヤーのキャッシュの保存用になります。
「ポータルのホスティング サーバーの構成」の記載に従って、ポータルにフィーチャを公開できるように、固有の管理対象データベースを含むホスティング サーバーを定義する必要があります。たとえば、Esri Maps for Office を使用して Microsoft Excel スプレッドシートでマップを作成するか、Portal for ArcGIS Web サイトのマップ ビューアーにシェープファイルを追加するか、フィーチャ レイヤーを ArcMap からポータルに公開する場合は、フィーチャを公開し、管理対象データベースを使用して、すべてのフィーチャ データを保存します。実際、ArcGIS Data Store はポータル用に最適化された管理対象データベースです。
ArcGIS Data Store を使用すると、次の操作を行うことができます。
- 多数のホスト フィーチャ レイヤーを公開する。
ポータルへの多数の (数千に及ぶ) フィーチャ レイヤーの公開に対応できるようにする予定の場合は、ArcGIS Data Store を使用することを強くお勧めします。ArcGIS Data Store に組み込まれているデータ ストアに依存するホスト フィーチャ レイヤーでは、使用するメモリ フットプリントが少量で済むため、ごくわずかなハードウェア リソースで多数のサービスを公開できます。
- ホスト フィーチャ レイヤー データのバックアップが自動的に作成されるようにします。
バックアップを作成しておくと、データ破損やハードウェア故障などの問題が発生した場合にフィーチャ データを復元できます。データ ストアのバックアップを作成する場所と作成するタイミングを決めることができます。
- フィーチャ レイヤー データのフェイルオーバー用データ ストアを構成する。
ArcGIS Data Store では、データ ストア コンピューターを 2 台設定できます。1 台のコンピューター (プライマリ) からもう 1 台のコンピューター (スタンバイ) にデータが複製されるため、プライマリ コンピューターがクラッシュしても、必要最小限のダウンタイムでスタンバイ コンピューターが処理を引き継ぎます。
- ホスト シーン レイヤーをポータルに公開する (ArcGIS 10.3.1 Data Store の新機能)。
ポータルのホスティング サーバーが ArcGIS Data Store に登録されている場合、ArcGIS Pro 1.1 以降のリリースでは、マルチパッチ データをホスト シーン レイヤーとして公開できます。ホスト シーン レイヤー用に作成されたキャッシュは、ArcGIS Data Store の個別のデータベースに保存されます。ホスト シーン レイヤーの公開に関する詳細については、Portal for ArcGIS ユーザー ヘルプの「シーンの公開」をご参照ください。