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インシデント ディテクター プロセッサ

インシデント ディテクター プロセッサを使用して、受信したジオイベントが何らかの条件を満たし、インシデントを開始する必要があることを示すことができます。たとえば、データ ストリームが車両の位置と現在の速度をレポートしていると仮定します。インシデント ディテクターは、いずれかの車両が一定の速度を超えたとき、または車両が特定の対象地域またはジオフェンスに入ったときに、インシデントを生成できます。追跡対象の車両から新しい更新情報が送られてくると、GeoEvent Server の継続中のインシデントは更新されます。このインシデントは、車両が安全な速度に戻った時点、またはジオフェンス エリアを出た時点で終了します。

インシデント ディテクターは、プロセッサから送信されるジオイベントが、プロセッサが受信したジオイベントのコピー (または派生物) ではないという点が、他のプロセッサとは異なっています。プロセッサから送信されるジオイベントは、GeoEvent Server をインストールしたときに作成されるインシデント ジオイベント定義に関連付けられます。

インシデント ディテクターは、指定された属性と空間条件を使用して、新しいインシデントを検出して生成したり、継続中のインシデントを更新したりします。開始されたインシデントは、終了されるまで継続中状態のままになります。終了条件を満たすジオイベントを受信した場合、またはインシデントに関連付けられたジオイベントを指定された時間内に受信しなかった場合に、インシデントは終了します。

インシデント ディテクターを構成する際に、開始条件を指定する必要があり、必要に応じて終了条件を指定します。終了条件を指定しない場合、プロセッサは、暗黙の終了条件として開始条件の論理否定を使用します。

備考:

空間リレーションシップ演算子の詳細、および開始条件と終了条件に使用される属性式と空間式の作成方法については、「フィルター」をご参照ください。

備考:

インシデント ディテクターに送信されるジオイベントには、TRACK_ID を含むジオイベント定義が関連付けられている必要があります。プロセッサは、このタグ付けされたフィールドを使用して、作成したインシデントを受信したジオイベントに関連付けます (これによって、ジオイベントは、個別のオブジェクト、車両、センサー、または他の監視対象アイテムに関連付けられます)。

インシデント ディテクターでは、プロセッサによって開始されたインシデントの識別に使用できる名前を指定する必要があります。たとえば、速度違反車両のインシデントを検出するために作成されたインシデント ディテクター プロセッサは、文字列「速度違反」を、作成したインシデントに関連付けることができます。

インシデント ディテクターに指定する開始条件と終了条件は、属性に基づいて指定するか、ジオフェンスとの空間リレーションシップに基づいて指定できます。フィルターと同じように、受信したジオイベントに関連付けられたデータが指定された式を満たす場合、インシデント ディテクターはその条件を検出し、新しいインシデントの開始、継続中のインシデントの更新、またはインシデントの終了のうちのいずれかを行います。

このプロセッサは、インシデントに関連付けられる重要度レベルを設定するように構成できます。使用できる重要度レベルは、[通知 (Notification)][警告 (Warning)]、および [緊急 (Urgent)] です。インシデントの重要度レベルは、1 つに制限されます。そのため、重要度レベルを変更するには、プロセッサを編集してジオイベント サービスを再公開する必要があります。

インシデント ディテクターでは、プロセッサが作成するインシデントのタイプを指定する必要があります。

  • 「時点」インシデントには終了条件がありません。このインシデントは瞬間的な状態と見なされ、生成された直後に閉じられるため、インシデント期間が存在しません。
  • 「累積」インシデントには開始条件と終了条件があります。インシデントの生成から失効 (つまり終了) までの時間がインシデント期間になります。「累積」インシデントは監視対象であり、追加のイベント データを受信すると、GeoEvent Server によって更新されます。

インシデント ディテクターが生成する各インシデントには、ジオメトリが関連付けられています。このジオメトリ タイプは、プロセッサを構成するときに指定します。インシデント ディテクターは、通常、作成したインシデントにポイント ジオメトリを関連付けるように構成されます。これによってインシデントは、特定の時間に特定の場所で発生したインシデントとしてモデル化されます。ただし、プロセッサが作成するインシデントのジオメトリ タイプとして、マルチポイントとポリラインもサポートされています。

プロセッサは、継続中のインシデントの TRACK_ID に関する更新情報を指定された時間内に受信しなかった場合、そのインシデントを自動的に終了します。インシデント ディテクターを構成して動作を定義するときに、適切な有効期限 (秒) を指定します。インシデントは、タイマが有効期限切れを検出するまで更新情報が受信されなかった場合、プロセッサの終了条件を満たすジオイベントが受信されていない場合でも、有効期限が切れて終了状態に移行します。プロセッサが作成したインシデントの有効期限が自動的に切れるのを無効にする場合は、有効期限にゼロの値を指定します。

インシデント ディテクター プロセッサの詳細については、GeoEvent Server チュートリアルから GeoEvent Server の概要のチュートリアルをご参照ください。