ArcGIS GeoEvent Server で利用できるグローバル設定を使用して、さまざまな配置に適切に合うように GeoEvent Server を構成できます。たとえば、インターネット アクセスのプロキシ設定を構成したり、自動バックアップの頻度を設定したり、サポートされる最大メッセージ サイズを増やすことができます。
以下では、GeoEvent Server で使用できるグローバル設定の概要について説明します。一部の設定では、適切に構成するために、IT 部門またはサードパーティ ベンダーから提供される追加情報が必要になります。不適切に設定すると、機能性が低下したり、データを失うおそれがあります。
自動バックアップ
[自動バックアップ設定] を使用して、GeoEvent Server 構成全体のスケジュールされたバックアップを有効化または無効化できます。自動バックアップはデフォルトで有効化され、バックアップは毎日午前 12 時に発生し、最大 10 日分の構成が保存されます。[サイト] → [ジオイベント] → [データ ストア] の下で、[Automatic Backups] フォルダーを構成します。毎日、毎週、または毎月実行するように、バックアップをスケジュールできます。[Max Backup] 設定を使用して、N 個の構成を保存できます。最大数の構成が存在する場合、GeoEvent Server は最も古いファイルの削除を自動的に開始します。
ジオフェンス マネージャー
[ジオフェンス マネージャー設定] を使用して、ジオフェンスに関して、空間オペレーター、幾何学的精度、およびデータ格納の考慮事項のオプションを構成できます。
- [最初のジオイベントで Enter を始動] - 空間フィルター プロセッサ (たとえば、フィルター、ジオタガー、インシデント ディテクターなど) とともに使用され、定義済みトラックの 1 番目のジオイベントがジオフェンス内に表示されるかどうか、および Enter 条件を始動するかどうかを決定します。デフォルト値は true です。
- [最初のジオイベントで Exit を始動] - 空間フィルター プロセッサ (たとえば、フィルター、ジオタガー、インシデント ディテクターなど) とともに使用され、定義済みトラックの 1 番目のジオイベントがジオフェンス外に表示されるかどうか、および Exit 条件を始動するかどうかを決定します。デフォルトは false です。
- [ジオフェンスのアクセラレーション度] - 空間的評価に与えられるリソースの優先度。値は、0 ~ 3 の範囲の非負の整数です。値が大きいほど、初期読み込み時間とメモリ消費量を犠牲にして、使用速度が増えることを表します。デフォルトは 3 です。
- 0 - アクセラレートしない
- 1 - 軽度のアクセラレート (最小のメモリ量を消費する)
- 2 - 中程度のアクセラレート (ジオフェンスを追加する際にアクセラレートするために、より多くのメモリを消費し、より長い時間がかかるが、高速に動作できる)
- 3 - 高度なアクセラレート (ジオフェンスを追加する際にアクセラレートするために、最も多くのメモリを消費し、最も長い時間がかかるが、他よりも高速に動作できる)
- [ジオフェンスの消去が有効] - 期限切れのジオフェンス (END_TIME タグ付きフィールドに基づく) を自動的に削除するかどうかを決定します。デフォルトは false です。
- [ジオフェンスの消去間隔 (秒)] - 期限切れのジオフェンスをチェックする間隔を定義するために、[ジオフェンスの消去が有効] 設定とともに使用されます。デフォルト値は 300 秒です。
- [空間インデックスの詳細レベルの最大値] - 格納されるジオフェンス ジオメトリの精度。値を大きくすると、小さい地理的エリア (小さいジオフェンス) での効果が高いインデックスが得られますが、値を大きくするほど、多くのメモリが消費されます。値は、4 ~ 32 の範囲である必要があります (デフォルト値は 16)。
ジオメトリ プロセッサ
管理者は、[ジオメトリ プロセッサ設定] を使用して、GeoEvent Server で利用できるプロセッサで使用するための選択可能な距離単位を有効化または無効化できます。
HTTP プロキシ
管理者は、[HTTP プロキシ設定] を使用して、HTTP プロキシを介してオンライン情報資源にアクセスするように GeoEvent Server を構成できます。これは通常、ユーザーがインターネットに接続する前に最初に認証する必要のある内部サイトです。
- [HTTP プロキシから除外するホスト] - HTTP プロキシを経由しないでアクセスする必要のあるホスト。通常これは、内部ホストを定義します。このプロパティの値は、「|」文字で区切られたホストのリストです。これに加えて、ワイルドカード文字「*」をパターン マッチングに使用できます。たとえば、「http.nonProxyHosts="*.foo.com|localhost"」は、プロキシ サーバーが指定されている場合でも、foo.com ドメイン内のすべてのホストおよび localhost に直接アクセスする必要があることを示しています。
- [HTTP プロキシ ホスト] - HTTP プロキシ サーバーのホスト名またはアドレス。
- [HTTP プロキシ パスワード] - プロキシが認証を必要とする場合にサーバーに提示するパスワード。
- [HTTP プロキシ ポート] - HTTP プロキシ サーバーのポート番号。
- [HTTP プロキシ ユーザー] - HTTP プロキシが認証を必要とする場合にサーバーに渡すユーザー名。
HTTPS プロキシ
HTTPS プロキシ設定 では、HTTPS プロキシを介してオンライン リソースにアクセスするように管理者が GeoEvent Server を構成することができます。これは通常、ユーザーがインターネットに接続する前に最初に認証する必要のある内部サイトです。これらの設定は、HTTPS プロキシ設定と機能的に同じですが、SSL 通信を使用してセキュリティで保護されています。
- [HTTPS プロキシから除外するホスト] - HTTPS プロキシを経由しないでアクセスする必要のあるホスト。通常これは、内部ホストを定義します。このプロパティの値は、「|」文字で区切られたホストのリストです。これに加えて、ワイルドカード文字「*」をパターン マッチングに使用できます。たとえば、「https.nonProxyHosts="*.foo.com|localhost"」は、プロキシ サーバーが指定されている場合でも、foo.com ドメイン内のすべてのホストおよび localhost に直接アクセスする必要があることを示しています。
- [HTTPS プロキシ ホスト] - HTTPS プロキシ サーバーのホスト名またはアドレス。
- [HTTPS プロキシ パスワード] - プロキシが認証を必要とする場合にサーバーに提示するパスワード。
- [HTTPS プロキシ ポート] - HTTPS プロキシ サーバーのポート番号。
- [HTTPS プロキシ ユーザー] - HTTPS プロキシが認証を必要とする場合にサーバーに渡すユーザー名。
インシデント マネージャー
[インシデント マネージャー設定] は、インシデント ディテクター プロセッサ内で使用するために、終了したインシデントおよび開始したインシデントの最大数を定義します。デフォルトでは、インシデント ディテクター プロセッサは、1000 個の開始したインシデントおよび 1000 個の終了したインシデントの現在の状態を保持できます。これらの値を増やすと、さらに多くの TRACK_ID タグ付きイベントを監視できますが、メモリ使用量が増えます。
入出力
[入出力設定] を使用して、[入力バッファー容量 (MB)] を構成できます。この値は、入力用のメモリ内で維持できる最大メッセージ サイズ (MB) を決定します。イベントの大きいバッチ、または非常に複雑なジオメトリを持つイベントは、20 のデフォルト設定を超える場合があります。値は、1 ~ 2047 の範囲で設定する必要があります。この設定に対する変更は、既存の入力に反映されません。ArcGIS GeoEvent Server サービスを再起動することをお勧めします。
SMS
[SMS 設定] は、ほとんどの携帯電話会社のショート メッセージ サービス (SMS) エンドポイントを提供します。テキスト メッセージを送信する際に、これらの設定を使用して、number@carrier.com を含むように自動的に出力が設定されます (たとえば Verizon の場合、5551234567@vtext.com となります)。エンドポイントを更新し、新しい携帯電話会社を追加できます。
SMTP
管理者は、[SMTP 設定] を使用して、組織に固有の SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) 接続の詳細を構成できます。この設定は、[電子メールの送信] 出力コネクタとともに使用され、組織のシステム管理者ごと、または IT 部門ごとに構成する必要があります。
- [デフォルト SMTP 認証] - SMTP サーバーへの接続に使用される認証方法 (匿名、SSL、または TLS)。
- [デフォルト SMTP パスワード] - 認証方法が認証情報を必要とする場合にサーバーに提示するパスワード。
- [デフォルト SMTP ポート] - SMTP サーバーのポート番号。
- [デフォルト SMTP サーバーのホスト] - SMTP サーバーのホスト名またはアドレス。
- [デフォルト SMTP ユーザー名] - 認証方法が認証情報を必要とする場合にサーバーに提示するユーザー名。
ビッグ データ ストア
[ビッグ データ ストアの設定] は、新しいビッグ データ ストア データ ソースを作成する際の、デフォルト設定を定義します。これらの値は、GeoEvent Manager 内の公開ダイアログで変更できます。
- [デフォルトのシャード数] - ビッグ データ ストアのデータが分割される、デフォルトのシャード数。この値を、ビッグ データ ストア クラスター内のノード数に設定することをお勧めします。ただし、この値がノード数を超えないようにしてください。許容できる値は、1 ~ N です (デフォルト値は 3)。
- [デフォルトのレプリケーション ファクター] - ビッグ データ ストアに公開する場合に使用されるデフォルトのレプリケーション ファクター。許容できる値は、0 ~ N です。ここで、N はビッグ データ ストア コンピューターの最大数です。
ストリーム サービス
[ストリーム サービス設定] を使用して、ストリーム サービス接続の詳細の複数の側面およびメッセージ サイズを調整できます。
- [WebSocket のテキスト メッセージの最大サイズ (バイト)] - WebSocket を介して送信されるテキスト メッセージの最大サイズ (バイト) を定義します。この値よりも大きいテキスト メッセージは配信できません。値は 1 ~ 2,147,483,647 (2GB) の範囲内でなければなりません。
- [関連フィーチャの更新間隔 (秒)] - サーバーが、空間フィルター内にあるフィーチャを確認するために、フィーチャ サービスを定期的に検索する頻度 (秒) を定義します。ストリーム サービスを公開するときに関連するフィーチャ サービスが選択され、空間フィルターがクライアント側から追加されている場合に、適用できます。
- [サポート スレッド数] - すべてのクライアント接続の管理に使用されるスレッドの数。これは、遅いクライアントが他のクライアントに影響を与えないように、適切な分離を提供します。使用されるスレッドが多いほど、通常は消費されるサーバー リソースが増えます。値は 1 ~ 100 の範囲内でなければなりません。
- [WebSocket のバッファー サイズ (バイト)] - WebSocket が送信中のデータ (送信されたが、受信側に読み取られていないデータ) を保持するために割り当てるサイズ (バイト)。値は 1 ~ 2,147,483,647 (2GB) の範囲内でなければなりません。
- [WebSocket で許容される最大アイドル時間 (秒)]- アイドル状態のクライアント接続を、サーバーが切断するまで維持する最大時間 (秒)。値は 1 ~ 2,073,600 (24 日) の範囲内でなければなりません。