[フォルダーを監視 (新規 CSV ファイル)] 入力コネクタは、区切りテキストとして書式設定したイベント データを、システム ファイルから読み込み、適合するために使用されます。テキスト区切り記号は、一般的にはカンマであるため、このタイプの入力ファイルはカンマ区切り値データ ファイルと呼ばれることもあります。ただし、ArcGIS GeoEvent Server では、一般的な ASCII 文字を区切り記号として使用し、データ属性値を区切ることができます。
ほとんどの場合、データ値はシンプルです。カンマは個々の属性値を分離する (区切る) ために使用され、文字列リテラル値は以下に示すように二重引用符で囲まれます。
データ ファイルに JSON 文字列表現が含まれており、それを使用してジオメトリ値を指定するような場合は、二重引用符やカンマが属性値に埋め込まれているときにあいまいさを回避するために、カンマではなく区切り記号を使用する方がわかりやすいこともあります。次に、セミコロンを区切り記号として使用する例を示します。
使用上の注意
- この入力コネクタを使用し、区切りテキストとして書式設定されたデータをシステム ファイルから読み込み、それを適合してイベント データ レコードを作成して処理します。
- この入力コネクタは、テキスト インバウンド アダプターとファイル インバウンド トランスポートを組み合わせます。
- 入力コネクタは、特定のシステム フォルダーを監視して、ファイルがフォルダーに出現すると同時にファイル全体を読み取ります。
- ファイルに対して変更が加えられ、保存されると、ファイル全体のコンテンツが再読み込みされます。
- 次のような場合には、監視対象のフォルダーに含まれるすべてのファイルが、ファイルの最初から再読み込みされます。
- 入力コネクタのプロパティが更新され、保存された。
- 入力コネクタが停止し、再起動された (または ArcGIS GeoEvent Server サービスが再起動された)。
- 区切りテキストには、ジオメトリを表すデータを含める必要はありません。
- アダプターは、X、Y、Z 属性値からポイント ジオメトリを構築することができます。
- 登録されたサーバー フォルダーの [入力フォルダのデータ ストア] は、絶対パスか UNC パスを使用して指定できます。UNC パスが使用される場合、GeoEvent Server を実行する Windows サービス アカウントにはフォルダーへの読み取り/書き込み許可が必要です。
- [入力 フォルダーのデータ ストア] プロパティには、C:\GeoEvent\input のような絶対パスを使用することをお勧めします。
- [入力ディレクトリ] では、登録されたサーバー フォルダーの相対的なサブフォルダーを指定できます。
- [サブフォルダーを含める] では、[入力フォルダーのデータ ストア] を再帰的に検索するかどうかを指定できます。多くの場合、異なるスキーマを持つデータを異なるフォルダーに分けて整理し、[サブフォルダーを含める] をデフォルト設定から変更して再帰的検索を無効にすることで、この入力コネクタの構成をより直接的、かつシンプルにすることができます。
- データ ファイルに、データ値ではないヘッダーが 1 つ以上含まれる場合 (フィールド名、属性データ タイプなど)、[ファイルの先頭からスキップする行の数] を指定します。データ ファイルが特に大きい場合は、[バッチあたりの最大行数] を削減し、ファイルのコンテンツとともに取得される行数を制限することでデータの取得を管理します。また、[バッチのフラッシュ間隔] を設定して、ファイルから次の行のバッチを取得するまでの間隔 (ミリ秒単位) を指定します。
- 区切りテキストを解析するには、[メッセージの区切り記号] と [属性の区切り記号] が必要です。[メッセージの区切り記号] は、データ レコードの末尾を表す文字であり、デフォルトは [\n] (改行) です。[属性の区切り記号] は、1 行のテキストで属性値を区切るための記号を指定します。上の図では、属性の区切り記号として異なる文字を使用するデータを示します。ただし、これらの図では、改行を自然のメッセージ区切り記号として想定しています。
1 つのデータ ファイルには、Light Truck と Tractor Trailer など、異なるデータ タイプが含まれることがあります。テキストの各行が、異なるタイプのセンサーやアセットのイベント データを表す場合、各テキスト行の最初の属性値がイベント レコードのタイプを識別する必要があります。[受信データにジオイベント定義が含まれる] プロパティは、コネクタが最初の属性値をジオイベント定義の名前として使用して、後続の属性値のデータ タイプや数を指定するかどうかを決定します。これは混乱のもとになることが少なくありません。このプロパティを [はい] (デフォルト) に設定し、依存プロパティ [不明なイベント定義の作成] を [いいえ] (デフォルト) に設定すると、上記のようなイベント データになります。つまり、処理されるイベント レコードは作成されません。その理由とは、図に示すイベント データの最初の属性はジオイベント定義の名前ではなく、アセットの一意の名前/識別子だからです。そのため、監視対象となるすべてのアセットの一意の識別子と一致する名前を持つジオイベント定義が存在する可能性はほとんどありません。
入力の [受信データにジオイベント定義が含まれる] がデフォルトの [はい] のままで、[不明なイベント定義の作成] プロパティを [はい] に変更した場合の動作はどうなるでしょうか。指定されたすべてのアセットやセンサーに対し、新しいジオイベント定義が作成されます。データに含まれる一意のアセット名が数百件、数千件に及ぶ場合には、このような結果は望ましくありません。これを回避するために、データを確認します。各行の冒頭がジオイベント定義の名前ではない場合は、[受信データにジオイベント定義が含まれる] プロパティ値を [いいえ] に変更します。
- ネットワーク遅延が発生すると、大量のイベント データを取得する GeoEvent Server の機能に悪影響が及びます。
パラメーター
パラメーター | 説明 |
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Name | GeoEvent Manager で参照用として使用される入力コネクタの記述名。 |
入力フォルダー データ ストア | 登録されたシステム フォルダーで、その直下にファイルが置かれます。 |
入力ディレクトリ | 登録されたシステム フォルダーの直下のサブフォルダー。 登録されたシステム フォルダーの直下にサブフォルダーが存在しない場合は、[入力ディレクトリ] を空のままにしておく必要があります。 |
入力ファイル フィルター | この入力に適したファイルを識別するための正規表現のパターン。入力は、このファイルを取り込んで適合し、処理を行うイベント データ レコードを作成します。 デフォルトは [.*\.csv] です。これは、リテラル接尾辞 ([.csv]) で終わるファイル名 ([.*]) と一致します。 このプロパティは必須ではないので空にしておくことができますが、この入力で使用するよう構成されたジオイベント定義と一致するスキーマを持つファイル名と一致するパターンを指定し、入力で取り込まないファイルを (名前を指定して) 除外することをお勧めします。 |
ファイル テキスト | ファイルがテキスト ベースかバイナリ形式かを指定します。 デフォルトは [はい] です。
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バッチあたりの最大行数 (条件) | 各バッチまたは間隔ごとに、ファイルから読み取る最大行数。 デフォルトは [1000] 行です。 各イベント レコードに多くの属性が含まれている場合、テキスト アダプターにバッチとして送信されるデータの量を制限するには、この値を減らします。 このプロパティは、[ファイル テキスト] が [はい] に設定されている場合に表示され、[いいえ] に設定されている場合は非表示になります。 |
バッチ フラッシュ間隔 (ミリ秒) (条件) | ファイルから別のバッチの行を読み取るまでの待機時間 (ミリ秒) を指定します。 デフォルトは [500] です。 ファイル サイズが非常に大きくなることが予期される場合や、ファイルから取得されるバッチの行を処理するために長時間を要する場合には、この値を減らします。 このプロパティは、[ファイル テキスト] が [はい] に設定されている場合に表示され、[いいえ] に設定されている場合は非表示になります。 |
ファイルの先頭からスキップする行の数 (条件) | ファイルの先頭からスキップする行の数。 デフォルトは [0] です。 属性フィールド名やデータ タイプを指定するヘッダー行に、処理に使用される実際のデータが含まれない場合などに、一定の行数をスキップする場合には、この値を増やします。 このプロパティは、[ファイル テキスト] が [はい] に設定されている場合に表示され、[いいえ] に設定されている場合は非表示になります。 |
デフォルト空間参照 | 座標値が、想定されている WGS84 地理座標系システムの緯度と経度の値ではない属性フィールド値をもとにジオメトリを作成するか、受信したジオメトリ文字列に空間参照が含まれない場合に使用される空間参照の Well-Known ID (WKID)。 WKID または Well-Known Text (WKT) を含む属性フィールドの WKT 値または名前が指定されることもあります。 |
メッセージの区切り記号 | イベント データ レコードの末尾を表す文字リテラル。 区切り文字を指定するには、Unicode 値が使用されることがあります。 文字は引用符で囲んではなりません。 一般的なレコード末尾区切り文字は、改行 ([\n]) です。 |
属性の区切り記号 | メッセージ内で属性値を区切るために使われるリテラル記号。 区切り文字を指定するには、Unicode 値が使用されることがあります。 文字は引用符で囲んではなりません。 一般的な属性区切り記号は、カンマ ([,]) です。 |
受信データにジオイベント定義が含まれる | 区切られたテキスト行の最初の属性値を、ジオイベント定義の名前として使用するかどうかを指定します。 詳細については、上の「使用上の注意」をご参照ください。
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認識されていないイベント定義の作成 (条件) | 指定した名前のジオイベント定義が存在しない場合に、新しいジオイベント定義を作成する必要があるかどうかを指定します。 区切りテキスト ファイルに異なるタイプのセンサーからのイベント レコードが含まれる場合、最初の属性値を使用してイベントのタイプを指定します。この属性値がジオイベント定義名として使用されます。
このプロパティは、[受信データにジオイベント定義が含まれる] が [はい] に設定されている場合に表示され、[いいえ] に設定されている場合は非表示になります。 |
ジオイベント定義の作成 (条件) | インバウンド イベント データに新しいジオイベント定義を使用するか、既存のジオイベント定義を使用するかを指定します。 GeoEvent Server がインバウンド データ属性フィールドおよびデータ タイプを理解するには、ジオイベント定義が必要です。
このプロパティは、[受信データにジオイベント定義が含まれる] が [いいえ] に設定されている場合に表示され、[はい] に設定されている場合は非表示になります。 |
ジオイベント定義名 (新規) (条件) | 新しいジオイベント定義に与えられる名前。 指定した名前を持つジオイベント定義がすでに存在する場合、既存のジオイベント定義が使用されます。 最初に受信したデータ レコードを使用し、後続のデータ レコードで予期されるスキーマを決定します。新しいジオイベント定義は、最初のデータ レコードのスキーマに基づいて作成されます。 このプロパティは、[ジオイベント定義の作成] が [はい] に設定されている場合に表示され、[いいえ] に設定されている場合は非表示になります。 |
ジオイベント定義名 (既存) (条件) | 受信したデータを適合して、GeoEvent Service によって処理されるイベント データを作成する際に使用する、既存のジオイベント定義の名前。 このプロパティは、[ジオイベント定義の作成] が [いいえ] に設定されている場合に表示され、[はい] に設定されている場合は非表示になります。 |
フィールドからジオメトリを作成 | 入力コネクタが、属性として受信した座標値を使用してポイント ジオメトリを作成するかどうかを指定します。 デフォルトは [いいえ] です。
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X ジオメトリ フィールド (条件) | ポイント位置の X 座標部 (水平、経度など) を含むインバウンド イベント データの属性フィールド。 このプロパティは、[フィールドからジオメトリを作成] が [はい] に設定されている場合に表示され、[いいえ] に設定されている場合は非表示になります。 |
Y ジオメトリ フィールド (条件) | ポイント位置の Y 座標部 (垂直、緯度など) を含むインバウンド イベント データの属性フィールド。 このプロパティは、[フィールドからジオメトリを作成] が [はい] に設定されている場合に表示され、[いいえ] に設定されている場合は非表示になります。 |
Z ジオメトリ フィールド (条件) | ポイント位置の Z 座標部 (深さ、高さなど) を含むインバウンド イベント データのフィールド名。 空白のままにすると Z 値は省略され、2D ポイント ジオメトリが作成されます。 このプロパティは、[フィールドからジオメトリを作成] が [はい] に設定されている場合に表示され、[いいえ] に設定されている場合は非表示になります。 |
推定される日付形式 | 日付時間値として予期される文字列表現を一致させ、それを Java Date 値に変換するために使用されるパターン。 パターンの形式は、Java SimpleDateFormat クラス変換に従います。 このプロパティにはデフォルト値はありません。 GeoEvent Server では、日付/時間値を ISO 8601 標準で表すことを推奨していますが、日付値として一般的に認識されている日付/時間値の文字列表現のいくつかは、[推定される日付形式] パターンを指定しなくても Java Date 値に変換することができます。 これらの要件を次に示します。
受信した日付/時間の値が、上記の 5 つ以外の形式で表される場合は、GeoEvent Server が日付/時間値を適合する方法を把握できるよう、[推定される日付形式] を指定する必要があります。 |
数値形式の言語 | データ値から数値を書式設定する際、ロケール依存型の動作に使用されるロケール識別子 (ID)。 デフォルトは、GeoEvent Server がインストールされているコンピューターのロケールです。 詳細については、「Java Supported Locales」をご参照ください。 |
サブフォルダーを含める | [入力フォルダーのデータ ストア] と [入力ディレクトリ] (任意) のサブフォルダーも、ファイル検索の対象にするかどうかを指定します。 デフォルトは [はい] です。ただし、スキーマの異なるデータを異なるフォルダーに分け、そのプロパティを [いいえ] に変更して再帰的検索を無効にすることで、シンプルな構成が可能になります。
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処理後にファイルを削除 | 登録済みシステム フォルダーのファイルのコンテンツを処理後、これらのファイルを削除するかどうかを指定します。 ファイルのコンテンツを適合できない場合でもイベント レコードは作成されず、リアルタイムのイベント処理は行われず、コンテンツが正常に読み込まれたファイルであってもインバウンド トランスポートによって削除されます。 デフォルトは [いいえ] です。
入力コネクタのプロパティが変更され、保存された場合、あるいは入力が停止して再起動した場合 (ArcGIS GeoEvent Server サービスを再起動した場合など) は、削除されなかったファイルは、ファイルの最初から再読み込みされます。 |