サマリー
ジオタガー プロセッサを使用して、対象地域 (ジオフェンスとも呼ばれる) の名前の情報をイベント レコードに付加できます。この対象地域とイベント レコードのジオメトリとの間には、空間リレーションシップがあります。 このプロセッサは、イベントへの情報付加と空間フィルターを実行するという点で他のプロセッサとは異なります。 たとえば、イベント レコードのジオメトリを内部に含むことが検出されたすべてのジオフェンスの名前を付加するようにプロセッサを構成できます。 ジオタガー プロセッサが処理したイベント レコードにはフィールドが追加され、そのフィールドには、イベント レコードのジオメトリを含むことが検出されたすべてのジオフェンスの名前が格納されます。
例
- ジオタガー プロセッサを使用して、駐車取締官がリアルタイムで巡回している街区の進行中のレコードを保持できます。 取締官が移動の過程でさまざまな街区を巡回するとき、訪れた街区と取締官のレコードが保持されます。
- このプロセッサを使用して、影響する発生中の森林火災の名前を使用して区画にジオタグを付けることができます。 森林火災の表面積が拡大したとき、現在影響している森林火災の名前を使用して、影響を受けた区画にジオタグを付けることができます。
- このプロセッサを使用して、影響を受けた郡への影響についてハリケーンを監視できます。 ハリケーンが郡を横切るとき、影響を受けたジオタグ付きの郡のリストをハリケーンのイベント レコードに付加できます。
使用上の注意
- ジオタガー プロセッサを構成する前に、ジオフェンスをフィーチャ サービスから GeoEvent Server にインポートしておく必要があります。 GeoEvent Server でのジオフェンスの操作方法の詳細については、「ジオフェンスの管理」をご参照ください。
- ジオタガー プロセッサを構成する場合、このプロセッサがイベント レコードにタグ付けするために満たす必要のあるリレーションシップを指定する空間演算子を選択する必要があります。 たとえば、イベント レコードのポリゴンが交差するすべてのジオフェンスの名前でタグ付けすることによって、イベント レコードに情報を付加することができます。
- プロセッサは受信したイベント レコードごとにイベント レコードを発行します。 プロセッサが評価している空間リレーションシップをイベント レコードのジオメトリが満たしている場合、関連するジオフェンスの名前が、指定されているターゲット フィールドに書き込まれます。 検出されたいずれのジオフェンスでも、プロセッサが評価している空間リレーションシップをイベント レコードのジオメトリが満たしていない場合、GeoTag フィールドの値に NULL 値が付加されます。
- ジオタガー プロセッサがサポートする空間演算子には、Contains Any、Crosses Any、Disjoint Any、Enter Any、Equals Any、Exit Any、Inside Any、Intersects Any、Outside Any、Overlaps Any、Touches Any、および Within Any があります。 空間演算子は、ジオタガー プロセッサが対象となる (演算子の定義済み空間リレーションシップを満たす) ジオフェンスを使用して、処理中のジオイベントへの情報付加を開始できるということを想定します。 たとえば、[Intersects Any] 空間演算子を使用して、重複していない対象地域をモデリングする数十個のジオフェンスを対象にした場合、ジオイベントのジオメトリと交差するエリアが含まれるすべてのジオフェンスの名前が、その処理済みジオイベントに追加されます。
- イベント レコードのジオメトリが格納されたフィールドの名前を指定する場合、ジオタガー プロセッサは、ジオイベント定義内のイベント フィールドの名前またはフィールドに適用されたタグ (通常は GEOMETRY タグ) のいずれかを受け取ることができます。
- プロセッサによってイベント レコードのスキーマが変更されるため、GeoEvent Server は新しいジオイベント定義を作成する必要があります。 新しいジオイベント定義は GeoEvent Server で管理され、プロセッサまたはプロセッサが使用されているジオイベント サービスに対して変更が行われた場合に削除されます。
- プロセッサには、付加情報の値を書式設定するための 3 つのオプションがあります。 [区切り値] は、シンプルなカンマ区切りのリストとして書き込まれるジオフェンス名を指定します。 他の 2 つのオプション ([グループ] と [リスト]) は、付加情報の値を、JSON グループとして、または JSON リスト内のエレメントとして書式設定します。
- [ジオメトリ フィールド] パラメーターには、ジオメトリのタイプを含むすべてのジオイベント定義に含まれる、すべてのフィールドの名前が表示されます。 ジオメトリ フィールドを名前で選択する場合、イベント データのジオイベント定義に対応するジオメトリ フィールドの名前を選択します。
パラメーター
パラメーター | 説明 |
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名前 | GeoEvent Manager で参照用として使用されるプロセッサの記述名。 |
プロセッサ | GeoEvent Manager で参照用として使用されるプロセッサの記述名。 |
ジオフェンス | GeoEvent Server で使用可能なジオフェンスのカテゴリおよび名前。 ジオフェンスは、受信イベント データとの空間リレーションシップで評価されます。 「カテゴリ/名前」の形式で、正規表現パターンのペアとして指定する必要があります。 例:
注意:カテゴリと名前の両方に正規表現を使用します。 たとえば、「Weather/.*」を使用すると、ジオタグについて Weather カテゴリにあるすべてのジオフェンスが含まれます。 正規表現「.*/.*」を使用すると、カテゴリや名前に関係なく、GeoEvent Server に登録されているすべてのジオフェンスが評価されます。 正規表現パターンでは大文字/小文字が区別されることを忘れないでください。 |
空間オペレーター | ジオタグに使用する空間演算子。 空間演算子は、イベント データとの関係においてジオフェンスを空間的に評価する方法を定義します。 デフォルトは [Contains Any] です。 使用可能な空間演算子は次のとおりです。
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ジオメトリ フィールド | 受信イベント データ内のジオメトリ フィールドまたは GEOMETRY タグが付いたフィールドの名前。 プロセッサはイベント データのジオメトリを使用して、ジオタグについてジオフェンスとの空間リレーションシップを評価します。 |
ターゲット フィールド | ジオタグ付きの値を書き込むターゲット フィールド。 デフォルトは [既存のフィールド] です。
注意:新しいフィールドに書き込むようにプロセッサが構成されている場合、指定したフィールドに書き込まれるデータを区切り値または JSON グループ/JSON リストとして書式設定できます。 既存のフィールドに書き込むように構成されている場合、プロセッサが評価している空間リレーションシップを満たしているジオフェンスの名前が、既存のフィールドの値に区切りテキストとして付加されます。 既存のフィールドに書き込む場合、処理されたイベント レコードに、JSON グループまたは JSON リストとして書式設定されたジオフェンス名を付加するオプションはサポートされていません。 |
ジオタグ フィールド名 (条件) | ジオタグ付きの値が格納される新しいフィールドの名前。 このプロパティは、[ターゲット フィールド] が [新しいフィールド] に設定されている場合に表示され、[既存のフィールド] に設定されている場合は非表示になります。 |
ジオタグ形式 (条件) | GeoTag フィールド内のジオタグ付きの値の形式。 ジオタグ付きの値は、カンマ区切りのリスト、JSON グループ、または JSON リストの形式をとります。 デフォルトは [区切り値] です。
このプロパティは、[ターゲット フィールド] が [新しいフィールド] に設定されている場合に表示され、[既存のフィールド] に設定されている場合は非表示になります。 |
新しいジオイベント定義名 (条件) | 新しいジオイベント定義に与えられる名前。 新しいジオイベント定義は、受信イベント レコードのスキーマとジオタグ付きの値を含む GeoTag フィールドの組み合わせです。 このプロパティは、[ターゲット フィールド] が [新しいフィールド] に設定されている場合に表示され、[既存のフィールド] に設定されている場合は非表示になります。 |
既存のフィールド名 (条件) | ジオタグ付きの値の格納に使用されるイベント レコードの既存のフィールドの名前。 既存のフィールドはジオタグ付きの値を受け取る文字列である必要があります。 注意:受信イベント データのジオイベント定義を識別するには、[定義] メニューを使用します。 ジオイベント定義を選択すると、選択する使用可能なフィールドが制限されます。 [フィールド] メニューを使用して、ジオタグ付きの値を格納する既存のフィールドの特定の名前を識別します。 このプロパティは、[ターゲット フィールド] が [既存のフィールド] に設定されている場合に表示され、[新しいフィールド] に設定されている場合は非表示になります。 |
ジオタグにジオフェンス カテゴリを含める | ジオフェンス カテゴリをジオタグ付きの値に含めるかどうかを指定します。 デフォルトは [はい] です。
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検討事項および制限事項
- ある地域のモデリングとしてジオフェンスを使用することがよくあり、ジオフェンスは一般的にはポリゴン ジオメトリであると考えられます。 サポートされている空間演算子のリストが示すように、ジオフェンスをポイント ジオメトリやポリライン ジオメトリにすることもできます。 イベント レコードに関連付けられているポリゴン ジオメトリをテストして、そのポリゴン ジオメトリが、ポイント ジオメトリまたはポリライン ジオメトリを持つジオフェンスと交差またはクロスしているか、あるいはそのジオフェンスを含んでいるかを確認できます。
- [空間オペレーター] パラメーターを設定するとき、ジオフェンスのジオメトリおよびイベント レコードのジオメトリを検討する必要があります。 関連する指定のジオメトリのタイプでは、特定の空間演算子が不正になることもあります。 たとえば、イベント レコードがポイントでジオフェンスがポリゴンの場合、[Contains Any] 空間演算子は使用できません。 ポイントはポリゴンを含むことができません。 空間リレーションシップの詳細については、「空間フィルター」をご参照ください。