ArcGIS GeoEvent Server は、1 秒あたり多数のイベントを取り込む場合、複雑なリアルタイム解析を実行する場合、またはこれらの両方を実行する場合、リソースを大量に消費する可能性があります。 GeoEvent Server は多種多様な機能を持ち、ほぼすべての業種にわたるリアルタイムのユース ケースを解決するため、特定のユース ケースに合ったコンピューター上に GeoEvent Server を配置する必要があります。 異なるユース ケースは異なるコンピューター リソースを必要とします。
コンピューター ハードウェアは、絶えず改良されており、利用可能な最新技術に遅れずについていくのを難しくしています。 ただし、標準的な GeoEvent Server の配置に適したコンピューター ハードウェアの選択について考える場合の一般的なガイドラインを以下に示します。
CPU
GeoEvent Server では、コンピューターの CPU が、イベント データのスループットに加えて、リアルタイムのイベント処理および解析に利用されます。 コンピューターの CPU の速度は、1 秒あたりに GeoEvent Server が処理できるイベントの数に直接関係しています。 通常、1 秒当たりに受信するイベントの数が多いほど、多くの CPU が必要になります。 Intel の AVX2 技術などの特定の CPU 最適化が、浮動小数の処理に役立つことがあります。
RAM
GeoEvent Server は、リアルタイム解析を実行する場合、およびジオフェンスを操作する場合に、コンピューターのメモリ (RAM) を使用してイベント キャッシュを管理します。 ジオフェンスを GeoEvent Server に格納するための容量は、コンピューター専用の RAM の量に直接関連します。 GeoEvent Server コンピューターで利用できる RAM は、読み込むことができるジオメトリ タイプの頂点の数を最終的に決定します。 また、ジオフェンスにアクセスできる速度は、RAM の種類および速度に直接関係しています。 一般に、GeoEvent Server を使用して複雑なジオフェンス操作を実行する場合、大容量の RAM またはパフォーマンスが最適された RAM を選択します。
ネットワーク
通常、運用環境では、GeoEvent Server は、データを受信するために外部接続に依存します。 取り込まれるデータ量が大きいことが予想される場合、ネットワークの帯域幅を増やすこと、および遅延を減らすことを検討してください。 この場合、大きいということは、多くのフィールド、各イベント内の多くのデータ、または頻繁なデータを含むイベント データを意味します。
高性能なローカル ドライブ
GeoEvent Server を配置する場合、構成およびメッセージ キューを格納するための最適な位置を選択します。 パフォーマンスが最適化されたローカル ストレージ デバイスを使用することをお勧めします。 この目的でファイル ストレージ デバイス (NAS/SAN) を選択する場合、考慮するべき最も重要な特性は、パフォーマンスです。 ファイル ストレージ デバイスを選択する前に、イベント キューおよび構成ストアについて理解しておいてください。
小さいランダムの入出力 (I/O) が大量に発生しても、パフォーマンスを達成できるストレージ デバイスを選択します。 読み取りと書き込みのパフォーマンスは、I/O の特性によって大幅に変動する可能性があることを考慮してください。 GeoEvent Server でのイベント キューの操作がこのパターンに従うため、この区別は重要です。 多くの場合、これは、大容量の読み取りと書き込み (画像やビデオの使用時に発生することが多い) 用に最適化されたデバイスは GeoEvent Server との併用に適していないことを意味します。 実装されたファイル ストレージ メカニズムが小さいランダムな I/O を適切に処理しない場合、イベント処理時間の著しい増加またはイベント キューの過負荷が発生することがあります。