ArcGIS GeoEvent Server は、ArcGIS Enterprise の ArcGIS Server コンポーネントのサーバー ライセンス ロールです。GeoEvent Server は、他の ArcGIS Enterprise のコンポーネント、サーバー ライセンス ロール、およびフィーチャ機能とともにデプロイできます。 GeoEvent Server ライセンスを取得するには、ArcGIS Enterprise ライセンスが必要です。 ArcGIS GeoEvent Server は、ArcGIS Enterprise のコンポーネント機能を活用しながら、同時に ArcGIS Enterprise のリアルタイム機能を有効にします。GeoEvent Server は ArcGIS Server コンポーネント フレームワークに依存しています。 GeoEvent Server をインストールする前に、ArcGIS Server をコンピューターにインストールしておく必要があります。
ArcGIS Server がインストールされている各コンピューターに、たとえば GIS Server として、単一のサーバー ロールのライセンスが付与されることが期待されます。 また、たとえば GeoEvent Server として、高度なサーバー ロールのライセンスを ArcGIS Server コンピューターに付与することもできます。 または、たとえば GIS Server と GeoEvent Server の両方として、複数のサーバー ロールのライセンスを ArcGIS Server コンピューターに付与できます。 このタイプのライセンスは、リアルタイム機能とストリーム サービスの公開を有効にするために必要になる場合があります。 デュアル ロールのライセンスは、「ArcGIS システムの設計: ベスト プラクティス」ホワイト ペーパーに記載されたワークフローの分離の原則に反する可能性があるので注意してください。
時空間ビッグ データ ストア
ビッグ データ ストアは、ArcGIS Data Store で使用できるデータ ストア タイプです。 ArcGIS Data Store をインストールまたは構成する際に、ビッグ データ ストアを有効にすることができます。 ビッグ データ ストアは別々のコンピューターで有効にします。 たとえば、標準的なデプロイメントでは、ArcGIS Enterprise のコンポーネント (Portal for ArcGIS、ArcGIS Server、ArcGIS Data Store) は 1 台のコンピューターにインストールします。 ArcGIS Server は通常は GIS Server としてライセンスされ、ArcGIS Server の管理されたジオデータベースとして使用するリレーショナル データベースを提供するように Data Store を構成することで、ArcGIS Enterprise ポータルのホスティング サーバーとしての役割を果たします。
2 台目のコンピューターでは、通常、ArcGIS Data Store をインストールし、ビッグ データ ストアを構成します。 ビッグ データ ストアの構成には、ArcGIS Enterprise ポータルのホスティング サーバーにビッグ データ ストアを登録することが含まれます。
3 台目のコンピューターに、ArcGIS Server をインストールして、ArcGIS GeoEvent Server ライセンスを使用してデプロイメントにライセンスを付与してから、GeoEvent Server をインストールします (この 2 回目のインストールでも、同じ GeoEvent Server ライセンスを使用してライセンスを付与します)。 これにより、GeoEvent Server をサポートするように ArcGIS Server ロールを制限しますが、サーバーを ArcGIS Enterprise ポータルとフェデレーションすることは可能です。
ArcGIS リリース
エンタープライズ GIS 内のすべてのコンピューターで同じ ArcGIS ソフトウェア リリースを使用することをお勧めします。 ただし、GeoEvent Server を新しいリリースにアップグレードして、エンタープライズ GIS の残りのコンピューターは以前のリリースのままにしておくことが有益な場合もあります。 GeoEvent Server とエンタープライズ GIS の残りの部分との間で、リリース バージョンを異なるものにすることを検討する場合、考慮すべき点がいくつかあります。
ArcGIS Enterprise
ArcGIS Enterprise のほとんどの機能には、後方互換性と前方互換性があります。 そのため、GeoEvent Server を新しいバージョンにアップグレードしただけでは、ほとんどの構成には影響が生じません。 次の 2 つの例外では、GeoEvent Server とエンタープライズ GIS の残りのコンピューターでバージョンを同じにする必要があります。
- ビッグ データ ストアへの接続。 GeoEvent Server でビッグ データ ストア出力または関連する機能を使用している場合、ArcGIS GeoEvent Server と ArcGIS Data Store のリリースは同じでなければなりません。
- GeoEvent Server が最新のリリースでない場合、ArcGIS Pro で利用できる高度な機能 (レンダリング コントロールやストリーム レイヤー コントロールなど) が使用できない場合があります。
その他に検討すべき事項には次のものがあります。
- ArcGIS Server と ArcGIS GeoEvent Server は、同じリリースにする必要があります。
- GeoEvent Server は旧リリースの ArcGIS Enterprise のコンポーネントを扱えますが、コンポーネント間の統合は RESTful インターフェイス (マップ サービスやフィーチャ サービスなど) に制限され、最新リリースの GeoEvent Server を旧リリースの ArcGIS Enterprise ポータルとフェデレートできません。
GeoEvent Server のカスタム コンポーネント
GeoEvent Server SDK を使用して作成されたカスタム コンポーネントは、GeoEvent Server のリリースに一致するように更新する必要はありません。 通常、カスタム コンポーネントはコンパイルされてデプロイされた後、GeoEvent Server のアップグレード時に修正または再コンパイルする必要はありません。 これにより、カスタム コンポーネントの構成と管理が簡素化されます。 これは、GeoEvent Server SDK バージョン 10.4 以降で作成されコンパイルされたすべてのコンポーネントに当てはまります。
GeoEvent Server SDK バージョン 10.3.1 以前に対してコンパイルされたカスタム コンポーネントは、再コンパイルして GeoEvent Server 10.4 以降との互換性を維持する必要があります。 カスタム コンポーネントをコンパイルするバージョンを選択するときは、GeoEvent Server SDK バージョン 10.4 を使用してください。 カスタム コンポーネントがコンパイルされる SDK のバージョンを上げるのは、問題が観測されたときだけです。