フィールド エンリッチャー (ファイル) プロセッサは、公開されたフィーチャ サービスからではなく、システム ファイルに格納された属性データの情報をイベント レコードに付加 (結合) するときに使用します。 システム ファイルからジオイベントに情報を付加するには、そのファイルを含むフォルダーをデータ ストアとして GeoEvent Server に登録しておく必要があります。 登録済みのシステム フォルダーが指定されると、プロセッサは指定されたファイルから付加情報データを取得できます。
例
フィールド エンリッチャー (ファイル) プロセッサの使用例を次に示します。
- このプロセッサを使用して、住所のルック アップ テーブルから特定の位置をリアルタイムの 311 到達圏電話通話記録に付加 (結合) することができます。 311 通報に関連付けられた電話番号とテーブルの住所の一致を使用して、属性結合が行われます。 情報付加済みイベント レコードは、サービス応答者がナビゲートできる 311 通報の特定の位置を提供します。
- フィールド エンリッチャー (ファイル) プロセッサを使用して、空港のルック アップ テーブルから対応する到着空港の情報をリアルタイムのフライト データに付加 (結合) することができます。 フライトの到着地に関連付けられた共有 IATA 空港名コードと空港データの IATA コード フィールドを使用して、属性結合が行われます。 情報付加済みフライト イベント レコードは、ターミナル情報、手荷物受取所、および地上交通機関への参照リンクなど、到着空港に関する追加情報を提供します。
使用上の注意
フィールド エンリッチャー (ファイル) プロセッサを使用する際には、以下の点に注意してください。
- テキスト ファイルを情報付加元として使用する場合は、下記の形式に従う必要があります。 具体的には、ファイルの 1 行目にフィールド名をカンマ区切り値として指定し、 2 行目に各フィールドのデータ型を指定する必要があります。 ファイルのデータ値の入力は、3 行目から始めます。
PilotName,PilotPhone,PilotYearsOfService,PilotActive String,String,Integer,Boolean John Doe,111-111-1111,4,TRUE Jane Doe,222-222-2222,7,TRUE Richard Doe,333-333-3333,12,TRUE
- ジオイベント データへの情報付加は、データベース管理者がテーブル結合として何を参照するかに依存します。 フィーチャ サービスのテーブルのフィールド名と、結合が実行されるジオイベントのフィールド名を指定できます。 フィーチャ サービスのテーブルの実際のフィールド名を指定する必要があります。結合が実行されるジオイベントのフィールドは、処理中のイベントに関連付けられたジオイベント定義内のジオイベントのフィールド名またはフィールドに適用されたタグを使用して指定できます。
- 付加情報に含めるフィールドのカンマ区切りのリストを、フィールドを選択するか手動で入力することによって作成できます。 必要に応じて、GeoEvent Server が作成する各フィールドに適用するタグを、2 つ目のカンマ区切りのリストとして指定できます。
- ジオイベントに情報を付加するときにフィールドを作成すると、イベント レコードのスキーマが変更されるため、GeoEvent Server は新しいジオイベント定義を作成する必要があります。 新しいジオイベント定義は GeoEvent Server で管理され、プロセッサまたはプロセッサが使用されているジオイベント サービスに対して変更が行われた場合に削除されます。
- [ジオイベント結合フィールド] パラメーターで使用する既存のフィールドを特定するとき、最初にジオイベント定義を指定する必要はありません。 [定義] メニューでジオイベント定義を選択すると、[フィールド] メニューで選択可能なフィールドのリストが絞り込まれます。
パラメーター
フィールド エンリッチャー (ファイル) プロセッサのパラメーターを次に示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
Name |
GeoEvent Manager で参照用として使用されるプロセッサの記述名。 |
プロセッサ |
選択されたプロセッサを示します。 |
登録済みのフォルダー | GeoEvent Server にデータ ストアとして登録されたシステム フォルダー。 ファイルは、GeoEvent Server がそのファイルを読み取れるように、登録したシステム フォルダー パスに置く必要があります。 注意:[ArcGIS Server の登録] をクリックすることで、新しいシステム フォルダーをデータ ストアとして登録できます。 または、[サイト] → [データ ストア] の順に移動して、新しいデータ ストア接続を GeoEvent Manager に登録できます。 |
ファイル名 | イベント レコードに情報付加するために使用するファイルの名前。 名前とファイル タイプを指定する必要があります (PilotData.csv など)。 ファイルは、登録済みフォルダーの場所に存在する必要があります。 |
ファイル結合フィールド | 処理済みイベント レコードとの属性結合を実行するために使用されるファイル内のフィールドの名前。 結合は、このフィールドと [ジオイベント結合フィールド] パラメーターで指定されたフィールドの対応する値で実行されます。 注意:結合が成功するには、[ファイル結合フィールド] パラメーターで指定されたファイルの名前とデータ型が [ジオイベント結合フィールド] パラメーターで指定された名前とデータ型に一致する必要があります。 |
ターゲット フィールド | 情報付加済みデータが書き込まれるターゲット フィールド。 デフォルトは [新しいフィールド] です。
|
情報付加フィールド | 処理済みイベント レコードに情報を付加 (結合) するために使用するファイルのフィールド。 カンマ区切りリスト (スペースなし) を使用して、イベントレコードに情報を付加するためのフィールドを 2 つ以上選択します (たとえば、PilotName,PilotPhone,PilotActive)。 |
フィールド タグ (条件) | 処理済みイベント レコードに追加される新しいフィールドに適用するタグまたはカンマ区切りのタグのリスト。 タグの順番は指定された情報付加フィールドの順番と一致する必要があります (たとえば、GEOMETRY,TRACK_ID,TIME_START)。 注意:タグは GeoEvent Manager にすでに存在している必要があります。このプロセッサは新しいタグを作成しません。 このパラメーターは、[ターゲット フィールド] が [新しいフィールド] に設定されている場合に表示され、[既存のフィールド] に設定されている場合は非表示になります。 |
新しいジオイベント定義名 (条件) | 新しいジオイベント定義に与えられる名前。 新しいジオイベント定義は、受信イベント レコードのスキーマと、ファイルの情報付加値の格納に使用される新しいフィールドの組み合わせです。 このパラメーターは、[ターゲット フィールド] が [新しいフィールド] に設定されている場合に表示され、[既存のフィールド] に設定されている場合は非表示になります。 |
ジオイベント結合フィールド | ファイルのデータとの属性結合を実行するために使用されるイベント レコードのフィールドの名前。 結合は、このフィールドと [ファイル結合フィールド] パラメーターで選択されたフィールドの対応するデータ値で実行されます。 注意:受信イベント レコードのジオイベント定義を識別するには、[定義] メニューを使用します。 ジオイベント定義を選択すると、選択するフィールドの範囲が制限されます。 [フィールド] メニューを使用して、結合に使用される既存のファイルの名前を特定します。 |
検討事項および制限事項
フィールド エンリッチャー (ファイル) プロセッサを使用する際には、以下の点に注意してください。
- 情報付加に使用されるファイルはカンマ区切りデータを含み、最初の列がフィールド名、2 番目の列がフィールド タイプ、3 番目以降の列がデータ値を識別する構成に準拠する必要があります。 プロセッサは他の構成をサポートしていません。
- プロセッサで情報付加を実行しようとする場合は、ファイルとイベント レコードの両方のフィールド タイプを検討してください。 ファイルのフィールド タイプとイベント レコード フィールド タイプを一致させることをお勧めします。
- 登録済みのフォルダーを指定する場合、UNC パスがサポートされています。 ただし、ネットワーク遅延問題を避けるために、GeoEvent Server を実行しているローカル コンピューターに情報付加ファイルを格納することをお勧めします。