インターセクター プロセッサは、ジオフェンスとイベント レコードのジオメトリとの間の交差を表すジオメトリを生成するときに使用します。 イベント レコードのジオメトリは、ベースと見なされます。ジオフェンスは、交差が存在するかどうかを判定するための評価対象のジオメトリになります。
例
インターセクター プロセッサの使用例を次に示します。
- インターセクター プロセッサを使用して、航空機のフライト パスが飛行禁止区域とアクティブに交差しているかどうかを判定できます。 フライト パスがポリライン、飛行禁止区域がポリゴン ジオフェンスであると想定して、プロセッサは飛行禁止区域フライト パスと現在交差しているフライト パスのセグメントを返すことができます。 交差するフライト パス セグメントを表すポリラインを Web マップに視覚化したり、通知の送信に使用したりすることができます。
- このプロセッサを使用して、地上の施設とのハリケーンの交差を決定できます。 ハリケーンがポリゴン、施設がポリゴン ジオフェンスであると想定して、プロセッサはハリケーンによりアクティブに交差されている (影響を受けている) 施設を返すことができます。 この情報を使用して、リアルタイムの状況認識を行うことができます。
使用上の注意
インターセクター プロセッサを使用する際には、以下の点に注意してください。
- インターセクター プロセッサは、イベント レコードのジオメトリと、ジオフェンスとして登録されている 1 つ以上のジオメトリを使用します。 たとえば、正規表現を使用して複数の異なるジオフェンスを指定して、空間交差を決定できます。
- 2 つのジオメトリ間の交差の次元は、通常、各ジオメトリの次元以下になります。 たとえば、イベント レコードに関連付けられたジオメトリがポイントである場合、指定されたジオフェンスのジオメトリがポリラインまたはポリゴンであっても、交差は (存在すると仮定して) ポイントになるはずです。 イベント レコードに関連付けられたジオメトリがポリラインであり、指定されたジオフェンスのジオメトリがポリゴンである場合、交差はおそらくラインになりますが、ポイントになる可能性もあります。
- このプロセッサは、イベント レコードのジオメトリを検出された交差と置き換えるか、交差しているジオメトリを新しいフィールドに書き込むように構成できます。 新しいフィールドをイベント レコードに追加すると、イベント レコードのスキーマが変更されるため、GeoEvent Server は新しいジオイベント定義を作成する必要があります。 新しいジオイベント定義は GeoEvent Server で管理され、プロセッサまたはプロセッサが使用されているジオイベント サービスに対して変更が行われた場合に削除されます。
- 新しいジオメトリ フィールドを [GEOMETRY] としてタグ付けすることを選択すると、後続の処理または出力でイベント レコードの実現済みジオメトリとして扱うジオメトリ フィールドが GeoEvent Server に明示的に通知されます。
パラメーター
インターセクター プロセッサのパラメーターを次に示します。
| パラメーター | 説明 |
|---|---|
|
Name |
GeoEvent Manager で参照用として使用されるプロセッサの記述名。 |
|
プロセッサ |
選択されたプロセッサを示します。 |
| ジオメトリ フィールド | プロセッサが指定したジオフェンスとの交差が存在するかどうかの判定に使用する、受信イベント レコードのジオメトリ フィールドまたは [GEOMETRY] タグが付いたフィールドの名前。 |
| ジオメトリの置換 | 現在のイベント レコード ジオメトリを、取得されたジオフェンスとの交差のジオメトリに置き換えるかどうかを指定します。 デフォルトは [はい] です。
|
| 新しいジオメトリ フィールド名 (条件) | 交差ジオメトリが格納される新しいジオメトリ フィールドの名前。 このパラメーターは、[ジオメトリの置換] が [いいえ] に設定されている場合に表示され、[はい] に設定されている場合は非表示になります。 |
| 新しいジオメトリ フィールドをジオメトリとしてタグ付け (条件) | プロセッサによって作成された新しいジオメトリ フィールドに [GEOMETRY] タグを付けるかどうかを指定します。 [GEOMETRY] タグは、複数のジオメトリ フィールドが存在する場合に、GeoEvent Server がイベント レコードの実現済みジオメトリを識別するために使用します。 デフォルトは [いいえ] です。 このパラメーターは、[ジオメトリの置換] が [いいえ] に設定されている場合に表示され、[はい] に設定されている場合は非表示になります。 |
| 新しいジオイベント定義 (条件) | 新しいジオイベント定義に与えられる名前。 新しいジオイベント定義は、受信イベント レコードのスキーマと新たなジオメトリ フィールドの組み合わせです。 このパラメーターは、[ジオメトリの置換] が [いいえ] に設定されている場合に表示され、[はい] に設定されている場合は非表示になります。 |
| ジオフェンス | GeoEvent Server に登録されているジオフェンスのカテゴリと名前。 プロセッサはジオフェンス ジオメトリ (複数可) を使用して、イベント レコードのジオメトリとの交差を計算します。 プロセッサは正規表現をサポートしているため、カテゴリの複数のジオフェンスまたは複数のカテゴリを指定できます。 category/name の形式で、正規表現パターンのペアとして指定する必要があります。次に例を示します。
注意:複数のジオフェンス category/name の式は、カンマ区切りリストとして指定できません。 たとえば、Countries/France,Countries/Germany の指定は、ジオフェンス France または Germany を指定するのに使用できません。 注意:カテゴリと名前の両方に正規表現を使用します。 式 .*/.* は、すべてのカテゴリのすべてのジオフェンスを含みます。 正規表現パターンでは大文字/小文字が区別されることを忘れないでください。 |
| 出力ジオメトリ タイプ | ジオフェンスとイベント レコード ジオメトリの間の交差の出力ジオメトリ タイプ。 異なる出力ジオメトリ タイプを指定すると、異なるタイプの交差が作成されます。 さまざまな交差の例については、「インターセクトの仕組み」をご参照ください。 デフォルトは [交差するペアの最大ジオメトリ タイプ ディメンション] です。 使用可能な出力ジオメトリ タイプは次のとおりです。
注意:ジオメトリ タイプ ディメンションとは、シェープの次元です (ポイント = 0 次元、ポリライン = 1 次元、ポリゴン = 2 次元)。 |
検討事項および制限事項
インターセクター プロセッサを使用する際には、以下の点に注意してください。
- プロセッサを構成するときは、受信イベント レコードのジオメトリを検討してください。 たとえば、ポリゴンであるジオフェンスとのポイント イベント レコードの交差は、ポリゴンを交差出力ジオメトリ タイプとして返すことができません。 この場合は、関係するジオメトリの次元により、ポイントだけが出力ジオメトリ タイプとして返されます。
- イベント データをフィーチャ サービスに送信する前に、既存のイベント レコード ジオメトリを交差ジオメトリに置き換えることを検討してください。 フィーチャ サービスでは 1 つのジオメトリ タイプ フィールドのみをサポートしているため、[GEOMETRY] タグが付けられていないフィールドは変換され、文字列として保持されます。