多くの種類のプロトコル (HTTP、WebSocket、TCP など) を介してさまざまなデータ形式 (テキスト、JSON、GeoJSON など) でリアルタイムのデータを受信します。 Web マップで表示するなどのために、イベント レコードをフィーチャ レイヤーに書き込む前に、GeoEvent Manager でイベント レコードを直接検証、調査することは特に有効です。 ジオイベント サンプラーは、GeoEvent Manager のサービス デザイナーで使用可能なユーティリティーです。ジオイベントが公開済みジオイベント サービスのエレメント (入力、出力、フィルター、およびプロセッサー) 経由でルーティングされるときに、固定されたイベント レコード数をサンプリングします。 サンプリングされたイベント レコードは、整形済み JSON または区切りテキストとしてサンプラー ウィンドウに表示できます。 イベント レコードのサンプリングにより、リアルタイムのイベント データについてのより深い洞察が早い段階で得られ、ジオイベント サービスのさまざまなルートの設計、検証、およびトラブルシューティングに役立ちます。
GeoEvent Server と共にインストールされる Windows アプリケーションである GeoEvent Logger および GeoEvent Simulator とは異なり、ジオイベント サンプラーは、GeoEvent Manager のサービス デザイナーで使用可能なユーティリティです。 新規または既存のジオイベント サービスからジオイベント サンプラーにアクセスするには、サービス デザイナーの下部でこのユーティリティをオンにします。 以下の図と表に、ジオイベント サンプラーの主要な機能とその説明を示します。

パラメーター | 説明 |
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1 - 有効/無効 | [有効] および [無効] オプションは、公開済みジオイベント サービスの 2 つのエレメント間にある選択したルート上でジオイベント サンプラーを開始および停止します。 ジオイベント サンプラーはデフォルトでは無効になっています。選択したルート上でイベント レコードをサンプリングするには、有効にする必要があります。
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2 - ルートの選択 | ジオイベント サービスの選択したルートの名前。 選択したルートのイベント データだけがサンプラー ウィンドウに表示されます。 公開済みジオイベント サービスの入力、出力、フィルター、またはプロセッサ エレメントの間のルートを選択できます。 選択したルートの名前は、接続済みエレメント名の連結として表示されます。 ルート名の例には次のものがあります。
注意:選択したルートの名前は、ジオイベント サンプラーが有効になり、ジオイベント サービスの 2 つのエレメント間のルートが選択されたときに表示されます。 |
3 - ジオイベント サンプラー ユーティリティ | 矢印をクリックすると、サービス デザイナーでジオイベント サンプラーの表示または非表示を切り替えることができます。 デフォルトでは、ジオイベント サンプラー ユーティリティが表示されます。 |
4 - 更新 | [更新] を使用すると、現在サンプリングされているイベント レコードを消去して、選択したルートから別のセットをサンプリングできます。 更新の後、別のセットのイベント レコードが [サンプル サイズ] 設定で指定された値までサンプリングされます。 たとえば、[サンプル サイズ] が 10 に設定され、更新が実行されると、アクティブなイベント レコードが消去され、別の 10 件のサンプルがサンプラー ウィンドウに表示されます。 2 つのルートを比較している場合、[更新] をクリックすると、各ルートのイベント レコードが消去され、各ルートは再度サンプリングされます。 |
5 - 消去 | [消去] を使用すると、サンプリングされたイベント レコードをサンプラー ウィンドウから削除できます。 サンプルが削除された後、選択したルートのイベント レコードが [サンプル サイズ] 設定で指定された値まで引き続きサンプリングされます。 たとえば、[サンプル サイズ] が 10 に設定され、3 つのイベント レコードがサンプリングされた後に [消去] が実行された場合、サンプラーはその 3 つのイベント レコードを削除して、残り 7 つのイベント レコードのサンプリングを引き続き実行します。 2 つのルートを比較している場合、各ルートで [消去] を使用できます。 注意:1 つまたは複数のサンプラー ウィンドウを消去するオプションは、少なくとも 1 つのイベント レコードがサンプリングされた後にのみ使用可能になります。 |
6 - イベント ビューアーで表示 | [イベント ビューアーで表示] を使用すると、サンプリングされたイベント レコードのジオメトリーを Web マップ ビューアーで視覚化できます。 [イベント ビューアー] ウィンドウには、サンプラー ウィンドウに現在表示されているサンプリング済みのイベント レコードのジオメトリーだけが表示されます。 [イベント ビューアー] ウィンドウが開かれているとき、新しくサンプリングされたイベント レコードは表示されません。 適切な数のイベント レコードがサンプリングされ、サンプラー ウィンドウで使用可能になってから、[イベント ビューアー] ウィンドウを開きます。 注意:サンプリングされたイベント レコードを [イベント ビューアー] ウィンドウで表示できるのは、ジオイベント定義でフィールドに GEOMETRY タグが付けられているジオメトリーがイベント レコードにある場合のみです。 また、サンプリングされたイベント レコードは JSON データ タイプ形式である必要があります。 テキストとしての表示はサポートされていません。 注意:[イベント ビューアー] ベースマップは、ベースマップ選択ウィジェットを使用して変更できます。 追加のカスタムまたはオフライン ベースマップは、GeoEvent Manager で使用可能なグローバル設定で指定できます。 カスタムまたはオフライン ベースマップは、ベースマップ選択ウィジェットに表示されます。 |
7 - クリップボードにコピー | [クリップボードにコピー] を使用すると、現在サンプラー ウィンドウに表示されているイベント レコードをシステムのクリップボードにコピーできます。 その後、コピーしたイベント レコードを格納するか、さらにレビューするために、個別のテキスト ファイルまたはテキスト エディターに貼り付けることができます。 2 つのルートを比較している場合、各ルートで [クリップボードにコピー] を使用できます。 注意:イベント レコードは、[データ タイプ] 設定で定義されたデータ タイプ形式 ([テキスト] または [JSON]) でコピーされます。 データ タイプ形式は、[設定] で変更できます。 |
8 - 設定 | [データ タイプ] や [サンプル サイズ] など、イベント レコードのサンプリングの設定にアクセスできます。
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9 - サンプラー ウィンドウ | 選択したルートからサンプリングされたイベント レコードはサンプラー ウィンドウに表示されます。 サンプリングされたイベント レコードは、[データ タイプ] 設定で指定されたデータ タイプ形式に応じて、JSON またはテキストとして表示されます。 |
10 - イベント カウンター | イベント カウンターは選択したルートでサンプリングされたイベント レコードの数を表示します。 サンプリングされるイベント レコードの数が [サンプル サイズ] 設定で指定された値を超えることはありません。 たとえば、「3/10」という数は、最大 10 件のうち 3 件のイベント レコードがサンプリングされていることを意味します。 注意:新しいルートが選択されるか、サンプリングが更新されると、イベント カウンターはゼロにリセットされます。 |
ジオイベント サンプラーの有効化
イベント レコードは、公開済みジオイベント サービスの入力、出力、フィルター、またはプロセッサー エレメントの間のルートからリアルタイムでサンプリングして表示できます。 ジオイベント サンプラーの使用を開始するには、GeoEvent Manager を開き、ジオイベント サービスを作成するか、既存のジオイベント サービスを開きます。
サービス デザイナーでジオイベント サンプラーにアクセスして有効化するには、次の手順を実行します。
- 公開済みジオイベント サービスを開き、イベント レコードを受信していることを確認します。
- ジオイベント サンプラーを開くには、サービス デザイナーの下部にある
をクリックします。
- 設定
をクリックしてジオイベント サンプラーの [設定] ウィンドウを開き、[データ タイプ] と [サンプル サイズ] の値を指定します。
デフォルトのデータ タイプは [JSON] で、デフォルトのサンプル サイズは [10] です。
- [有効化]
をクリックして、ジオイベント サンプラーを開始します。
注意:
ジオイベント サンプラーは、公開済みジオイベント サービスの 2 つのエレメント間にあるルートを右クリックして [ルートのサンプリング] を選択することでも開始できます。 ジオイベント サンプラーが開き、イベント レコードのサンプリングが選択したルートで開始されます。
イベント レコードのサンプリング
イベント レコードをサンプリングするには、ジオイベント サンプラーが開かれ、有効化されているときに入力、出力、フィルター、またプロセッサー エレメントの間のルートを選択します。
ジオイベント サービスのルートからイベント レコードをサンプリングするには、ジオイベント サービスを作成するか、既存の公開済みジオイベント サービスを開き、イベント レコードをアクティブに受信していることを確認して、次の手順を実行します。
- ジオイベント サンプラーがサービス デザイナーで開かれ、有効化されていることを確認します。
- 公開済みジオイベント サービスのルートをクリックして、そのルート上でイベント レコードのサンプリングを開始します。
- [クリップボードにコピー]
をクリックして、イベント レコードのアクティブなサンプルをサンプラー ウィンドウからコピーします。
- [消去]
をクリックして、イベント レコードのアクティブなサンプルをサンプラー ウィンドウから削除します。
- [更新]
をクリックして、選択したルートを再びサンプリングします。
注意:
ジオイベント サンプラーは、ルートを右クリックして、メニューから [ルートのサンプリング] を選択することでも開始できます。 ジオイベント サンプラーが開き、有効化され、選択したルートからのイベント レコードのサンプリングが開始されます。
サンプリングされたイベント レコードの視覚化
ジオイベント サンプラーの主要な目的は、公開済みジオイベント サービスで処理するときに、イベント レコードのサンプルをテキストまたは JSON としてリアルタイムで提供することです。 ジオイベント サンプラーにはイベント ビューアーが含まれています。これは、処理されるイベント レコードのジオメトリーを視覚化して確認するために使用されます。
サンプリングされたイベント レコードを [イベント ビューアー] ウィンドウで視覚化するには、ジオイベント サービスを作成するか、既存の公開済みジオイベント サービスを開き、イベント レコードをアクティブに受信していることを確認して、次の手順を実行します。
- ジオイベント サンプラーがサービス デザイナーで開かれ、有効化されていることを確認します。
- 設定
をクリックして、[データ タイプ] が [JSON] に設定されていることを確認します。
- 公開済みジオイベント サービスのルートをクリックして、選択したルート上でイベント レコードのサンプリングを開始します。
- イベント レコードのサンプルが JSON としてサンプラー ウィンドウに表示された後、[イベント ビューアーで表示]
をクリックして、イベント レコードを [イベント ビューアー] ウィンドウに表示します。
- [イベント ビューアー] ウィンドウでサンプリングされたイベント レコードを調べます。
- [イベント ビューアー] ウィンドウで、イベント レコードをクリックします。
属性情報を示すポップアップが表示されます。
注意:
ルートを右クリックし、[ルートのサンプリング] をクリックしてイベント レコードのサンプリングを開始します。
注意:
イベント ビューアーは、対応するジオイベント定義で GEOMETRY タグが付けられたジオメトリー フィールドを含む JSON 形式のイベント レコードのみをサポートしています。 サンプリングされたイベント レコードがテキスト形式であり、GEOMETRY フィールドがない場合、[イベント ビューアーで表示] ボタンは使用できません。
2 つのルートのイベント レコードの比較
イベント レコードのサンプリングは、2 つのルート上で同時に実行できます。 2 つのルートのサンプリングは、関連するリアルタイム データ上の変更を比較および検証するのに便利です。 たとえば、バッファー クリエーター プロセッサーにより発信されたイベント レコードには、原点ソース ジオメトリー (ポイント) とは異なるジオメトリー (ポリゴン) があると予想されます。 プロセッサー間のルートからイベント レコードをサンプリングすることによって、イベント レコードがバッファー クリエーター プロセッサーにより受信されているだけでなく、イベント レコードがプロセッサーによりバッファーされていることも確認できます。
2 つのルートからサンプリングされたイベント レコードを比較するには、ジオイベント サービスを作成するか、既存の公開済みジオイベント サービスを開き、イベント レコードをアクティブに受信していることを確認して、次の手順を実行します。
- ジオイベント サンプラーがサービス デザイナーで開かれ、有効化されていることを確認します。
- ジオイベント サービスのルートをクリックして、選択した 1 つ目のルート上でイベント レコードのサンプリングを開始します。
注意:
ルートを右クリックし、[ルートのサンプリング] をクリックして 1 つ目のルートのサンプリングを開始します。
- 1 つ目のルートを選択したら、2 つ目のルートを右クリックして [ルートの比較] を選択します。
注意:
[ルートの比較] は 1 つ目のルートを選択した後でのみ使用可能になります。 同じソース エレメント (入力、出力、フィルター、またはプロセッサに関係なく) を共有しているルートは比較できません。選択した 2 つ目のルートは異なる色 (オレンジ色) です。イベント レコードのサンプリングが、選択した 2 つのルートで実行されることを示しています。
2 つのルートが選択されると、ジオイベント サンプラーに 2 つのサンプラー ウィンドウが表示され、2 つのルートを比較できます。 サンプラー ウィンドウ (青色) は選択した 1 つ目のルートからサンプリングされたイベント レコードを返し、サンプラー ウィンドウ (オレンジ色) は選択した 2 つ目のルートからサンプリングされたイベント レコードを返します。
イベント レコードのサンプリングは 1 つまたは 2 つのルート上で実行できます。 2 つのルートを比較するとき、設定の変更、更新、[イベント ビューアー] ウィンドウを開くことは、両方のサンプラー ウィンドウに適用されます。 データの消去およびクリップボードへのコピーは別々に実行され、ツールを使用しているサンプラー ウィンドウに適用されます。
- [イベント ビューアー] ウィンドウで各ルートのイベント レコードをクリックして表示します。
イベント ビューアーでは、選択したルートごとにビューアーが開きます。 これは、イベントを処理するときにジオメトリの変更を検証する場合に便利です。 たとえば、イベント レコードの元のポイント ジオメトリーを 1 つ目のビューアーで視覚化して、バッファー クリエーター プロセッサーなどから発信された同じイベント レコードを 2 つ目のビューアーで視覚化できます。 元のポイント ジオメトリーが正常にバッファーされ、ポリゴンになったことを確認できます。 ロック ウィジェットを使用すると、各ビューアーを同期して、ジオメトリの変更に対して同じ地理範囲を表示させることができます。
検討事項および制限事項
ジオイベント サンプラーを使用する際には、以下の点に注意してください。
- イベント レコードがサンプリングされるのは、ジオイベント サービスが公開され、開始されて、リアルタイムのイベント データをアクティブに受信しているときだけです。 ジオイベント サービスが公開されていない、停止している、またはイベント データが受信されていない場合、サンプラー ウィンドウには何も表示されません。
- ジオイベント サンプラーは、入力、出力、プロセッサ、およびフィルターに接続しているルート上でサンプリングを実行するためにのみ使用できます。 入力、出力、プロセッサ、およびフィルター エレメントの直接サンプリングはサポートされていません。
- イベント レコードをサンプリングするときは、リアルタイム データとサービス デザインを検討してください。
- 10 分間にわたって操作が行われなければ、ジオイベント サンプラーは自動的に切断され、使用できなくなります。
- ジオイベント サンプラーは、ジオイベント サービスのエレメント間で 2 つのルートの比較のみをサポートします。
- サンプリングされるイベント レコードの順序は保証されません。 イベント レコードが GeoEvent Server に収集される順序は、サンプラー ウィンドウに表示される順序と異なる場合があります。
- サンプリングされたイベント レコードは保持またはキャッシュされません。 サンプラー ウィンドウまたはブラウザー セッションを更新すると、現在サンプリングされているイベント レコードが削除されます。
- ジオイベント サンプラー設定を変更した場合、更新する必要があります。 イベント レコードをアクティブにサンプリングしている間に設定が変更された場合、ジオイベント サンプラーを更新するまで新しい設定は反映されません。
- 2 つのルートを比較する場合、2 つ目のサンプラー ウィンドウにイベント レコードが表示される前に、1 つ目のサンプラー ウィンドウがサンプル サイズに達することがあります。 その場合、ルートがフィルター条件または処理条件を満たしていない可能性があり、受信されていません。
- 1 つ目のイベント レコードの受信を待っているとき、サンプラー ウィンドウにプログレス バーが表示されます。
- [イベント ビューアー] ウィンドウでのイベント レコードの表示はオフライン環境でサポートされています。 グローバル設定にアクセスし、オフラインでアクセス可能なベースマップでイベント ビューアーを構成します。