集水域ツールは、ラスター内にある一連のセルの流出寄与域を特定します。
ワークフロー図
例
ルイジアナ州ミシシッピ川の入力ポイントは、ニューヨーク州からモンタナ州、そしてカナダまでエリアを拡張する集水域フィーチャを作成します。
使用上の注意
集水域は、ある共通の流出点へ排水が集中することによる流れ (一般的に水) をもたらす上り方向のエリアです。 これは、より大きい流域の一部を構成することも、副流域と呼ばれるより小さい集水域を複数含んでいることもあります。
各集水域の値は、入力ラスターまたはフィーチャの流出点レイヤーのソースの値から取得されます。 流出点がラスター データセットの場合、デフォルトではセル値が使用されます。 流出点がポイント フィーチャ データセットの場合、値は指定されたフィールドから取得されます。
集水域ツールは、D8 入力流向ラスター レイヤーにのみ対応しています。
入力流出点の位置をフィーチャ データとして指定する場合、デフォルトのフィールドは 1 つ目の有効なフィールドになります。 有効なフィールドがない場合は、ObjectID フィールド (たとえば、OID や FID) がデフォルトになります。
次の表に、このツールのパラメーターを示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
流向レイヤーの選択 | 各セルからの流れの方向を示す入力ラスター。 流向ラスターは、流向ラスター関数を使用して作成でき、デフォルトの流向タイプは [D8] です。 |
入力流出点の位置を指定 | 入力流出点の位置。 ラスターまたはポイント フィーチャを使用できます。 ラスターの場合、これは流出寄与域または集水域を判別するセルを表します。 NoData でないすべてのセルがソース セルとして使用されます。 ポイント入力の場合、これは流出寄与域または集水域を判別する位置を表します。 |
流出点フィールドの選択 | 流出点の位置に値を割り当てるために使用するフィールド。 入力流出点レイヤーがラスターである場合、Value が使用されます。 フィーチャである場合は、数値フィールドが使用されます。 フィールドが浮動小数点値を含む場合は、切り捨てられて整数値に変換されます。 |
結果レイヤー名 | [マイ コンテンツ] に作成され、マップに追加されるレイヤーの名前。 デフォルトの名前は、ツール名と入力レイヤー名に基づいて設定されます。 レイヤーがすでに存在する場合は、別の名前を指定するよう求められます。 [出力の保存場所] ドロップダウン ボックスを使用して、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定できます。 |
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 このツールの解析環境設定にアクセスするには、ツール パネルの上部にある歯車 アイコンをクリックします。
このツールでは次の [解析環境] が適用されます。
- 出力座標系 - 出力レイヤーの座標系を指定します。
- 範囲 - 解析に使用するエリアを指定します。
- スナップ対象ラスター - 指定したスナップ対象ラスター レイヤーのセルの配置に一致するように、出力の範囲を調整します。
- セル サイズ - 出力レイヤーで使用するセル サイズ。
- マスク - マスク レイヤーを指定します。このレイヤーでは、マスク エリアの範囲内にあるセルのみが解析に使用されます。
- 並列処理ファクター - ラスター処理 CPU または GPU インスタンスを制御します。
類似のツールとラスター関数
集水域ツールを使って、ラスター内にある一連のセルの流出寄与域を特定します。 その他のツールは、類似した問題を解決するのに効果的です。
Map Viewer Classic 解析ツールとラスター関数
集水域ラスター関数を使って、ラスター内にある一連のセルの流出寄与域を特定します。
ArcGIS Pro 解析ツールとラスター関数
[集水域ラスターの作成 (Watershed)] ジオプロセシング ツールは Spatial Analyst ツールボックスで利用できます。
[集水域ラスターの作成 (Watershed)] ツールは Raster Analytics ツールボックスとしても利用できます。
集水域はラスター関数としても利用できます。
ArcGIS Enterprise 開発者向けのリソース
ArcGIS REST API で作業を行っている場合は、Watershed タスクを使用します。
ArcGIS API for Python で作業を行っている場合は、arcgis.raster.functions.gbl モジュールの watershed を使用します。