ArcGIS Notebook Server は、ノートブックをホストする目的でライセンス付与および構成された ArcGIS Server ロールです。 このサーバー ロールはコンテナーを使用して ArcGIS Notebooks をホストおよび実行し、ホスト オペレーティング システムの処理を妨げずに、隔離およびセキュリティ保護された環境をノートブックに提供します。
ArcGIS Notebook Server サイトの設定が完了している場合は、ソフトウェア ユーザー ガイドか管理者ガイドをご参照ください。
10.7.1 以降では、複数のコンピューターを ArcGIS Notebook Server サイトに追加して、コンピューター リソースを拡張してノートブックのホスティングと実行を行うことができます。 複数コンピューター サイトを配置する場合は、「ArcGIS Notebook Server サイトへのコンピューターの追加」に記載されている追加の手順をいくつか実行する必要があります。
このガイドを使用して、ソフトウェアをインストールおよび構成します。 ArcGIS Notebook Server のインストール プロセスは他の ArcGIS Server ロールとは異なります。 インストール ガイドを注意深く読み、記載されている順番通りにインストール手順を実行します。
Windows システムの前提条件と制約
Windows コンピューターに ArcGIS Notebook Server を配置する場合、考慮すべき前提条件と制約がいくつかあります。 Linux コンピューターに ArcGIS Notebook Server を配置する場合はこれらの前提条件と制約は適用されません。
- ArcGIS Notebook Server ではサードパーティ コンポーネントである Docker を使ってコンテナーを管理します。 Windows コンピューターに ArcGIS Notebook Server を配置する場合は、Docker の Docker Engine Community エディションを使う必要があります。 このエディションでは Docker からサポートとメンテナンスが提供されませんが、フィーチャコンプリートと見なされています。
- ArcGIS Notebook Server の本番環境で Windows Server 2019 コンピューターを使用することをお勧めします。Windows 10 コンピューターは開発環境でのみサポートされています。
- Windows Server 2019 に ArcGIS Notebook Server を配置する場合、Docker Engine Community の現在の安定版リリースを使用できます。 最新バージョンの Docker のドキュメントでは、システム要件に Windows Server 2019 について記載されていません。
- ArcGIS Notebook Server を Windows Server 2016 に配置する場合、Docker Engine Community のバージョン 2.0.0.3 以前を使用しないと将来 Docker をアップグレードできなくなります。 これより新しいバージョンの Docker Engine Community は Windows Server 2016 と互換性がありません。
- ArcGIS Notebook Server では Docker コンポーネントに Linux コンテナーを使用します。 Windows コンピューターでは、ArcGIS Notebook Server サイトのコンテナーは、Hyper-V 環境に含まれる MobyLinuxVM と呼ばれる Linux エミュレーター 内で管理されます。
- ArcGIS Notebook Server を実行するには、Windows Server および Windows 10 上に Hyper-V ロールがすでにインストールされている必要があります。
- 特定の仮想化環境では、Windows で Hyper-V を有効にして処理できません。 その結果、その環境では ArcGIS Notebook Server をインストールして処理することはできません。
- ArcGIS Notebook Server 10.7.1 から複数コンピューターのサイトがサポートされるようになりました。 Docker では、Windows システムでのコンテナーへの共有ドライブのマウントをサポートしていないため、ワークスペース ディレクトリは各コンピューター上でローカルのままにしておく必要があります。 ユーザーは複数コンピューターのサイトの各コンピューターでコンテナーを起動してノートブックを開くことができるため、ワークスペース ディレクトリの内容を複数のコンピューター間で同期させる必要があります。 レプリケーション方法を 1 つ構成する手順については、「ArcGIS Notebook Server における DFS レプリケーションの構成」をご参照ください。
ソフトウェアのインストール
ArcGIS Notebook Server をインストールする手順の概要は以下のとおりです。 順番通りに各手順を実行して、作業を進めながらインストール ガイドのすべてのセクションを確認してください。
- このガイドの以下の入門資料を読んでソフトウェアについてよく理解します。
- ArcGIS Enterprise の基本配置を完了します。 以前のバージョンからアップグレードする場合でも、新しい配置をインストールする場合でも、すべてのソフトウェア コンポーネント (ArcGIS Enterprise ポータル、ホスティング サーバーとして指定された ArcGIS Server サイト、および ArcGIS Data Store のインスタンス) をインストールし、10.7.1 ソフトウェアを実行する必要があります。
- システム要件を確認し、使用するコンピューターで必要な調整を行います。 システム要件のトピックをすべて読みます。
- コンピューターで Docker を設定します。 Docker Hub ストアから適切なソフトウェアをダウンロードしてコンピューターにインストールし、ArcGIS Notebook Server の使用に必要なさまざまな設定を構成します。
- ソフトウェア インストーラー、ライセンス レベルに対応するコンテナー イメージ、およびポストインストール ソフトウェア ユーティリティを My Esri Web サイトから取得します。
- ArcGIS Notebook Server ソフトウェアをコンピューターにインストールします。 用意されたインストーラーを使ってインストールすることも、サイレント インストールを実行することもできます。 これら 2 つのオプションについてはヘルプ トピックが別に用意されています。
- ArcGIS Notebook Server サイトを構成します。 主な 3 つの手順は以下のとおりです。
- ArcGIS Notebook Server コンピューターにサイトを作成します。
- OS アカウントを Docker グループに追加します。
- ポストインストール ユーティリティを実行して ArcGIS Notebook Server に Docker を構成します。
- 新しいサイトにコンピューターを追加します。 このヘルプ トピックでは複数コンピューター サイトの設定に関する他の要件についても説明しています。
- 複数コンピューター サイトを設定する場合、ワークスペース ディレクトリにレプリケーション方法を構成する必要があります。 このプロセスの説明と特定のレプリケーション方法の手順は「ArcGIS Notebook Server における DFS レプリケーションの構成」で取り上げています。
- ArcGIS Notebook Server サイトで ArcGIS Web Adaptor のインスタンスをインストールして構成します。 サイトでリバース プロキシ サーバーを使う場合は、そのための指示も用意されています。
- ArcGIS Enterprise ポータルでサイトを構成します。 サーバー サイトをポータルとフェデレートし、そのサイトをポータルのノートブック サーバーとして指定します。 これにより、ArcGIS Notebook Server サイトで実行する ArcGIS Notebooks を作成できるようになります。 最後に、カスタム ポータル メンバー ロールを 1 つ以上作成してノートブック作成者に必要な権限を付与します。