ArcGIS Notebook Server で必要な Docker コンテナー割り当てソフトウェアをダウンロード、インストール、構成する手順を次に示します。 Docker の概要と ArcGIS Notebook Server での使用方法については、「Docker と ArcGIS Notebook Server」をご参照ください。
Docker のエディション
Docker には 2 つのエディションがあります。 Docker Desktop および Mirantis Container Runtime (旧称: Docker Engine-Enterprise)。
オペレーティング システム | Docker のエディション | ノートブック ランタイム (コンテナー) イメージ タイプ | その他の要件 |
---|---|---|---|
Windows Server 2019 Standard および Datacenter Windows Server 2022 Standard および Datacenter | Docker Desktop on Windows バージョン 4.4.4 以降 | Linux | Hyper-V は必須 |
Windows Server 2022 Standard および Datacenter | Mirantis Container Runtime バージョン 20.10 以降 | Windows ベータ リリース | Hyper-V はオプションです。 Windows Server 2022 Standard 上で Hyper-V 分離モードで実行可能なコンテナーの最大数には制限があります。 詳細については、Windows の FAQ をご参照ください。 |
ArcGIS Notebook Server 11.0 では、Windows で使用するエディションとしては Docker Desktop が適しています。 このソフトウェアによって ArcGIS Notebook Server を実行可能になります。
注意:
ArcGIS Notebook Server リリース 11.0 では、ArcGIS Notebook Server で Mirantis Container Runtime for Windows Server がベータ リリースとしてサポートされています。 このリリースでは、 Mirantis Container Runtime での ArcGIS Notebook Server の使用はテスト目的のみとすることをお勧めします。
Mirantis Container Runtime を ArcGIS Notebook Server 11.0 とともに使用する方法については、「Docker および ArcGIS Notebook Server」をご参照ください。
注意:
Docker と Mirantis Container Runtime はサードパーティ ソフトウェア コンポーネントであり、このトピックではこれらをインストールするプロセスについて詳しくは説明していません。 インストール プロセスの詳細については、Docker と Mirantis Container Runtime のサイトをご参照ください。
Docker Desktop のインストール
Docker Desktop をインストールするには、次の手順に従います。
- Hyper-V Manager アプリケーションを検索して、Windows コンピューター上に Hyper-V がインストールされていることを確認します。 インストールされていない場合は、インストールしてから次に進みます。 手順については、Microsoft の次のドキュメントをご参照ください。
- OS が Windows Server 2022 または Windows Server 2019 の場合は、「Windows Server 上に Hyper-V ロールをインストールする」をご参照ください。
- OS が Windows 10 の場合は、「Windows 10 上に Hyper-V をインストールする」をご参照ください。
ArcGIS Notebook Server には、Docker Desktop for Windows (バージョン 4.4.4 以降) が必要です。
- ブラウザーで、Docker Hub ストアの Docker Desktop (Windows) のダウンロード ページに移動します。
- 既存の Docker Hub アカウントにサイン インするか、新しいアカウントにサイン アップします。
- Docker Desktop ソフトウェアをダウンロードします。
- [Docker for Windows Installer] をダブルクリックして実行します。
- インストーラーの [Configuration] ダイアログ ボックスで、[Use WSL2 instead of Hyper-V] をオフにします。
- 完了したら、インストーラーを閉じます。
- [スタート] メニューの [Docker Desktop] ボタンをクリックして、Docker を開始します。
- 次のいずれかの方法で、Docker が開始したことを確認します。
- Windows システム トレイの [Docker] アイコンのステータスを確認します (通常は画面の右下隅にあります)。
- コマンド プロンプト ウィンドウを開いて、次のコマンドを実行します。
最初のコマンドは、コンピューター上の Docker のバージョンを表示します。2 番目のコマンドは、Docker がコンテナー イメージにアクセスして実行できることを確認します。docker version docker run hello-world
Docker の設定の構成
コンピューター上に Docker をインストールしたら、次のように設定を変更します。
一般設定の変更
Docker Remote API を使用します。これは、ポート 2375 を使用する必要があります。 このポートは、ArcGIS Notebook Server によって内部でのみ使用され、外部からの使用に対しては保護する必要があります。
- Windows システム トレイの [Docker] ボタンを右クリックして、[設定] をクリックします。
- [General] ページで、[Expose daemon on tcp://localhost:2375 without TLS] チェックボックスをオンにします。
セキュリティに関する警告が表示されることがあります。 このポートは内部で使用され、ポートへの外部アクセスは許可されていないことをシステム管理者が認識していることを確認します。
- [Use the WSL2 based engine] をオフにします (オンになっている場合)。
ファイル共有の設定
Docker コンテナーは、ワークスペース ディレクトリとして構成されるローカル ドライブ、またはノートブック サーバーのカスタム データ ディレクトリにアクセスできる必要があります。 最初のインストール中に以下の手順を実行して、[Run As] アカウントの認証情報が変更された場合や、[Run As] アカウント自体が変更された場合は、この手順を繰り返します。 ArcGIS Notebook Server のインストール中に新しいアカウントを作成する場合は、こちらの手順に戻ります。
- Windows システム トレイの [Docker] ボタンを右クリックして、[設定] をクリックします。
- [settings] メニューで、[Resources] > [File sharing] をクリックします。
- ArcGIS Notebook Server ワークスペースまたはカスタム データ ディレクトリに使用されるドライブまたはディレクトリ パスを追加します。
注意:
現時点でワークスペース ディレクトリもカスタム データ ディレクトリも存在しない場合は (例: C:\arcgisnotebookserver)、この手順を実行する前に、ArcGIS Notebook Server サイトを作成するか、データ ディレクトリを登録します。
注意:
Docker for Windows は、Linux コンテナーと共有される Windows のローカル ディレクトリにのみ対応しています。
高度なリソースの制限
[Docker Desktop] settings パネルを使用すると、ArcGIS Notebook Server およびサーバー サイトで実行されるコンテナーで使用可能なリソースを制限できます。
- Windows システム トレイの [Docker] ボタンを右クリックして、[設定] をクリックします。 設定メニューから、[Resources] > [Advanced] をクリックします。
- 必要に応じて、次の設定を変更します。
- [CPU] - コンピューターのコンテナーで使用可能な CPU コアの数。 デフォルトでは、これは 2 コアに設定されます。 この値は、コンピューターで使用可能なリソースとノートブック ランタイムに対する CPU の制限セットに応じて更新できます。
- [Memory] - コンピューターのコンテナーで使用可能なメモリ量。 デフォルトでは、これは 2 GB に設定されます。 この値を、最低でも 6 GB に増やします。 この値は、コンピューターで使用可能なリソースとノートブック ランタイムに対するメモリの制限に応じて増やすことお勧めします。
- [Swap] - 前述の制限に到達したときに、コンテナーがメモリに対して使用できるディスク容量。
- [Disk image size] - ディスク イメージの大きさ。 Notebooks の Docker コンテナー イメージをインストールするとディスク容量不足のエラーになる場合は、この値を確認し、必要に応じて更新します。
- [Disk image location] - コンテナーおよびイメージが格納されているディレクトリ。
注意:
ノートブック ランタイム用に構成された CPU やメモリを変更したときはいつでも、この手順を再実行できます。 - 設定したリソース制限に問題なければ、[Apply] をクリックします。
Windows での Mirantis Container Runtime のインストール
注意:
Windows での Mirantis Container Runtime は Windows Server 2022 での ArcGIS Notebook Server のベータ リリースとしてサポートされています。 ベータ版では、これらの機能にパフォーマンスまたは品質に関連する既知の問題がある可能性があり、Esri テクニカル サポートによるサポートはありません。 Windows Server 2022 に Mirantis Container Runtime をインストールする際には必要ないため、Hyper-V は有効にしないでください。 Mirantis Container Runtime をインストールする前に、ローカル サーバー上でコンテナー機能を有効にしないでください。- コンピューター上の以前のバージョンの Docker をすべてアンインストールします。
- Mirantis から提供されている「Install MCR on Windows Server」ドキュメントで説明されている手順に従います。
- 次のコマンドを実行して、 Mirantis Container Runtime が適切にインストールされ、開始していることを確認します。
docker run hello-world:nanoserver
- 完了したら、以下の手順に従って Mirantis Container Runtime を構成します。
Mirantis Container Runtime の構成
以下の手順に従って、コンピューター上で Mirantis Container Runtime を構成します。
- ポート 2375 が Docker リモート API を使用できるようにします。
このポートは、ArcGIS Notebook Server によって内部でのみ使用され、外部からの使用に対しては保護する必要があります。
管理者としてコマンド プロンプトを開き、次のコマンドを実行します。
sc config docker binpath= "\"C:\Program Files\docker\dockerd.exe\" --run-service -H tcp://0.0.0.0:2375 -H npipe://"
- 管理者として PowerShell ウィンドウを開き、次のコマンドを実行します。
Restart-Service docker
Docker コンポーネントがインストールされたら、コンピューターを再起動します。 Docker コンポーネントをインストールまたはアップグレードするたびに、コンピューターを再起動する必要があります。
これで、コンピューター上に ArcGIS Notebook Server をインストールする準備ができました。