ArcGIS Notebook Server には、サーバー ディレクトリの操作に必要な、ファイルベースの構成とコンテンツが格納されています。 これらのディレクトリは、ArcGIS Notebook Server のインストールと構成時、または ArcGIS Notebook Server Manager を使用して後から追加できます。
ディレクトリには、ワークスペース ディレクトリ、データ ディレクトリ、出力ディレクトリ、システム ディレクトリの 4 タイプがあり、そのそれぞれがサーバー操作で特定の役割を担っています。 ワークスペースおよびデータ ディレクトリは以下のとおりです。出力ディレクトリとシステム ディレクトリは ArcGIS Notebook Server 内部での使用を目的としています。
ワークスペース ディレクトリ
ワークスペース ディレクトリでは、ノートブック作成者がノートブックで使用するファイルを保存し、それらのファイルを読み取ることができます。 ArcGIS Enterprise ポータルの各ノートブック作成者は、ワークスペース ディレクトリ内にそれぞれ一意のフォルダーを持ちます。 それぞれのノートブックにユーザー固有のフォルダーがマウントされるため、ノートブックがワークスペース ディレクトリを読み書きできるようになります。 ノートブックは、ユーザー独自のワークスペース ディレクトリ フォルダーの情報のみを読み書きできます。そのフォルダーは、他のユーザーのノートブックからはアクセスできません。
デフォルトでは、ユーザー個人のワークスペース ディレクトリは /directories/arcgisworkspace/<userid> フォルダーに作成され、ディレクトリの権限は -rwxrwxrwx に設定されます。 コンテナー内で実行されている Linux ユーザー アカウントの UID と GID (グループ ID) は、ArcGIS Notebook Server デーモンを実行中の OS ユーザー アカウントのものとは異なるため、この権限レベルが必要になります。
セキュリティ上の理由でこのオープン権限モデルを使用しない場合は、applyDefaultUserWorkspacePermissions というシステム プロパティを使用してこのモデルを変更できます。 このプロパティが true に設定されると、ワークスペース ディレクトリは、オープンな -rwxrwxrwx 設定ではなく、システムのデフォルト設定 (-rwx------ など) を使用して作成されます。
この機能を使用するには、ArcGIS Notebook Server デーモンを実行している OS ユーザーの UID と GID がそれぞれ 1050 と 100 である (コンテナー ユーザーの UID と GID に一致する) 必要があります。
- Administrator Directory にサイン インします。
URL の形式は、https://notebookserver.domain.com:11443/arcgis/admin です。
- [System] > [Properties] の順に移動し、[Edit] をクリックします。
- 次の JSON 文字列をプロパティ ボックスに追加し、編集内容を保存します。
{ "applyDefaultUserWorkspacePermissions":"true" }
データ ディレクトリ
データは ArcGIS Notebooks に不可欠です。 ノートブックを作成する際に、ArcGIS Enterprise ポータルのアイテム、外部の GIS サーバー、またはローカル ファイル ディレクトリからデータ レイヤーを追加できます。
データを含むローカル ディレクトリは、ArcGIS Notebook Server サイトに登録しておくことで、ファイル パスとしてノートブックで使用できるようになります。 複数のデータ ディレクトリをサーバー サイトに登録できます。 登録したデータ ディレクトリは、そのサイト上で実行されるすべてのノートブックで使用できます。
ラスター解析ワークフローを使用するノートブックは、データ ディレクトリで特別な用途を持ちます。 ファイルベースのラスター ストアをデータ ディレクトリとして登録すると、ラスター解析ツールの出力をノートブックですぐに使用できるようになります。
データ ディレクトリに関する考慮事項
ノートブックが登録済みのデータ ディレクトリにアクセスするには、ディレクトリに対して 755 モードのパーミッションを設定します。
組織のすべてのノートブック作成者は、すべての登録済みデータ ディレクトリのデータを、自分のノートブックに追加できます。 データ ディレクトリを、ポータル内の特定のユーザーまたはグループに制限することはできません。
モデルのトレーニングにおいて画像チップの世代が関与するディープ ラーニング ワークフローでは、チップはファイルベースのラスター ストアでホストされます。 このようなワークフローを実行する場合は、ラスター ストアをデータ ディレクトリとして ArcGIS Notebook Server に登録し、画像チップをノートブックで使用できるようにします。
登録したデータ ディレクトリのデータは、ArcGIS Enterprise ポータルの一部ではありません。 したがって、ノートブックを共有する場合は、共有ノートブックを表示するすべてのユーザーが、ノートブックによって参照される登録済みデータ ディレクトリへのアクセス権を持つことを確認してください。
データ ディレクトリの登録
ArcGIS Notebook Server Manager でデータ ディレクトリを登録し、サーバー サイトでローカル ディレクトリを使用できるようにすることができます。
注意:
このカスタム データ ディレクトリの場所にファイルをアップロードするか、書き込むには、ノートブックのコンテナーに含まれるユーザー 「arcgis」 (グループ 「users」) の読み取り権限と書き込み権限がそのディレクトリに付与されている必要があります。
- 管理者として ArcGIS Enterprise ポータルにサイン インし、ArcGIS Notebook Server Manager を開きます。
- [設定] ページを開き、[ディレクトリ] をクリックします。
- データ ディレクトリの登録をクリックして、登録ダイアログ ボックスを開きます。
- ディレクトリの名前と、コンピューター上の完全なパスを指定します。
- ディレクトリが DATA ディレクトリとして機能することを示します。
- [保存] をクリックして確認します。
ArcGIS Notebook Server に登録されたディレクトリの名前やパスは、編集したり更新したりすることはできません。 変更を加えるには、既存のディレクトリの登録を解除してから、再度登録する必要があります。
サーバー ディレクトリ用の新しい場所の指定
10.8 以降、ArcGIS Notebook Server Manager で既存のディレクトリを編集し、場所を変更できます。 複数コンピューターのサイトに展開して、ディレクトリを共有ファイル パスに配置するには、この方法を使用します。
- 管理者として ArcGIS Enterprise ポータルにサイン インし、ArcGIS Notebook Server Manager を開きます。
- [設定] ページを開き、[ディレクトリ] をクリックします。
- 変更するディレクトリを選択して、[編集] ボタンをクリックします。
- 既存の Directory Path 値をディレクトリの新しいパスで置き換えます。 [保存] をクリックして確認します。
サイトが再起動したら、新しいパスを使用してディレクトリにアクセスします。
- 既存のディレクトリの内容を新しい場所にコピーして貼り付けます。
更新する各ディレクトリに対して上記の手順を繰り返します。
注意:
arcgisworkspace ディレクトリの場所が更新された場合は、インストール ユーティリティを再実行して、新しいワークスペース ディレクトリにサンプル データを解凍する必要があります。