ArcGIS Notebook Server をインストールし、構成したら、サーバー サイトを作成します。 サイトは、ArcGIS Notebook Server の個別の配置であり、ArcGIS Enterprise ポータルとフェデレートできるサーバーの単位です。
ArcGIS Notebook Server 10.7.1 以降では、サイトへのコンピューターの追加がサポートされています。 複数コンピューターのサイトでは、各コンピューターの Docker 設定および構成は同じであり、それぞれが ArcGIS Notebooks を実行できます。 複数のコンピューターがあるサイトを設定する場合は、「ArcGIS Notebook Server サイト (Windows コンテナー) へのコンピューターの追加」をご参照ください。このヘルプ トピックでは、インストールと構成プロセスに必要な追加手順について説明しています。
サーバー サイトを作成する場合、2 つの方法があります。 ArcGIS Notebook Server 構成ウィザードを使用するか、createsite コマンド ライン ユーティリティーを使用することによって、サイトを作成できます。
ウィザードを使用したサイトの作成
ArcGIS Notebook Server 構成ウィザードは、ArcGIS Notebook Server サイトをコンピューター上に作成します。 ポスト インストール ユーティリティーを実行すると、構成ウィザードが開きます。
注意:
ブラウザーで初めて構成ウィザードを開くと、最初のページではセキュリティーで保護されていない http 通信が使用されます。 警告が表示されたらそのまま操作を続行すると、ウィザードがセキュリティーで保護された https 通信に切り替わります。
- ウィザードで、ユーザー名とパスワードを入力して [次へ] をクリックします。
ユーザー名には 6 文字以上を含める必要があり、パスワードには 8 文字以上を含める必要があります。 次の文字は使用できません: \:/*?|<>"。
- ルート サーバー ディレクトリー、ワークスペースのディレクトリー、およびログ ディレクトリーに使用するディレクトリーのパスを入力します。
デフォルトでは <ArcGIS Notebook Server installation directory>\arcgisnotebookserver に作成されます。 構成ストア、コンテンツ ストア、およびログには、ローカル ドライブ上またはネットワーク上の別のディレクトリーを使用できます。 この場所には ArcGIS Notebook Server アカウントでアクセスすることができ、このアカウントは、この場所に対する読み取り権限および書き込み権限を持つ必要があります。
複数のコンピューターに ArcGIS Notebook Server をデプロイする場合、コンテンツ ディレクトリーと構成ストアでは UNC パスで参照される共通のディレクトリーを使用する必要があります。 Docker Desktop を使用する場合、ワークスペース ディレクトリーには、常にローカル ディレクトリーを使用する必要があります。 Mirantis Container Runtime を使用する場合は、マップされたネットワーク (サイトに参加しているすべてのコンピューターでドライブ文字が一致する) として UNC パスを構成し、そのパスをワークスペース ディレクトリーとして使用します。
- 構成ストアとして、[ファイル システム] または [クラウド ストア] を選択します。
- [ファイル システム] を選択した場合、構成ストアに使用するディレクトリーのパスを入力します。
構成ストアとして [クラウド ストア] を登録するには、以下の手順に従います。
- [クラウド ストア タイプ] を選択します。
- オブジェクト ストアの作成に使用する AWS/Azure アカウントのアクセス キーとシークレット キー (AWS) またはアカウント名とアカウント キー (Azure) を入力します。
接続文字列では、オブジェクト ストアの名前、その領域、必要な追加パラメーターを定義します。
- 少なくとも次の情報を含めてください。
NAMESPACE=<NAMESPACE>;REGION=<REGION>
注意:
上記の例で、NAMESPACE は、作成するクラウド ストアの名前を指します。 既存のクラウド ストアにする必要はありません。
追加パラメーターとして、AccountName、EndpointSuffix、CredentialType、ClientID、TenantID、ユーザー名、パスワードを指定できます。
注意:
サイトの構成フォームに入力したユーザー名とパスワードは、アクセス キーとシークレット キー (またはアカウント名とアカウント キー) に基づいて、接続文字列に自動的にアペンドされます。
- [次へ] をクリックします。
- サマリー ページを確認し、[完了] をクリックしてサイトを作成するか、[戻る] をクリックして変更を行います。
注意:
この名前とパスワードを使用するプライマリー サイト管理者のアカウントは、ArcGIS Notebook Server でのみ認識されます。これはオペレーティング システムのアカウントではなく、ユーザー ストアのユーザー アカウントとは別に管理されます。 プライマリー サイト管理者は、ArcGIS Notebook Server サイトに無制限にアクセスできます。 このアカウントは一般に ArcGIS Notebook Server サイトを作成し、セキュリティーを設定および管理するために使用されます。 プライマリー サイト管理者のアカウントを、インストール時に指定した ArcGIS Notebook Server アカウントと混同しないでください。単一のコンピューターのサイトを設定する場合、サイトを作成した後にサイトで ArcGIS Web Adaptor のインストールと構成を行います。
複数のコンピューターがあるサイトを設定する場合は、サイトを作成した後にサイトにコンピューターを追加して、サイトで ArcGIS Web Adaptor のインストールと構成を行います。
createsite ユーティリティーを使用したサイトの作成
ArcGIS Notebook Server がインストールされた後に、createsite コマンド ライン ユーティリティーを使用してサーバー サイトを作成できます。 この操作には次のオプションがあります。
- コマンド プロンプト ウィンドウから ArcGIS Notebook Server アカウントとして createsite ユーティリティーを実行し、ユーザー名、パスワード、構成ストアの場所、およびディレクトリー パラメーターを指定します。
- それらのパラメーターを指定する createsite.properties ファイルのパスを入力します。 これは、より安全であるため、推奨されるオプションです。
パラメーター | 説明 |
---|---|
-u または --username | プライマリー サイト管理者のユーザー名。 ユーザー名には 6 文字以上が必要であり、文字 \:/*?|<>" は使用できません。 |
-p または --password | プライマリー サイト管理者のパスワード。 パスワードは 8 文字以上である必要があり、次の文字は使用できません: \:/*?|<>"。 |
-d または --directory | ルート サーバー ディレクトリーの場所。 デフォルトでは、ローカル ディレクトリー C:\\arcgisserver\\directories、またはネットワーク ディレクトリー \\\\<Absolute path to>\\<Server directories> に ArcGIS Notebook Server ディレクトリーが作成されます。 |
-c または --configstore | ArcGIS Notebook Server サイトの構成ストアの場所。 デフォルトでは、ローカル ディレクトリー C:\\arcgisserver\\config-store、またはネットワーク ディレクトリー \\\\<Absolute path to>\\<Server config-store> に構成ストアが作成されます。 |
-w または --workspace | ワークスペース ディレクトリーの場所。 これは、セットアップによって異なります。 単一コンピューターのサイトの場合、ノートブック サーバー上のローカル パスになります。 複数のコンピューターまたは共有ディレクトリーがあるサイトの場合、割り当てられたネットワーク ドライブとして UNC パスを確立します。 このサイト内にあるすべてのコンピューターで、この割り当てられたドライブのドライブ文字が一貫していることを確認します。 この割り当てられたドライブを ArcGIS Notebook Server のワークスペース ディレクトリーとして構成します。 |
-f または --file | createsite ユーティリティーのプロパティ ファイルへのフル パス (パラメーターを指定するために使用している場合)。 |
-h または --help | コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。 |
ユーティリティーでのパラメーターの指定
ユーティリティーでパラメーターを指定する場合、次の構文を使用してコマンドを実行します: createsite.bat [-u <username>] [-p <password>] [-d <directory>] [-c <config-store>] [-w <workspace>]。 引数は次のとおりです。
次のコード例は、デフォルトのディレクトリーおよび構成ストアの位置を維持する場合を示しています。
<ArcGIS Notebook Server install directory>\tools\CreateSiteUtility\createsite.bat -u notebookPSA -p my.Password3 -w C:\\AdminFolder\directories\arcgisworkspace
次のサンプル コードは、デフォルト以外の場所の指定を示しています。
<ArcGIS Notebook Server install directory>\tools\CreateSiteUtility\createsite.bat -u notebookPSA -p my.Password3 -d C:\\AdminFolder\directories -c C:\\AdminFolder\config-store
ファイルからのパラメーター指定
ファイルからパラメーターを指定する場合、構文 createsite.bat [-f <filepath>] で createsite.properties ファイルを使用するコマンドを実行します。 このファイルのサンプル テンプレートは、<ArcGIS Notebook Server install directory>\tools\CreateSiteUtility\ にあります。 このファイルでは、次の構文を使用する必要があります。
#
# Configuration properties for ArcGIS Notebook Server site creation
SERVER_ADMIN_USERNAME =
# User name for primary site administrator.
# Cannot contain these characters: \/:*?<>"
SERVER_ADMIN_PASSWORD =
# Password for primary site administrator.
# Must contain a dot character (.)
# Cannot contain these characters: \/:*?<>"
SERVER_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED = false
# Initially, leave SERVER_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED set to false.
# When you run the tool the first time, the password will be
# encrypted and SERVER_ADMIN_PASSWORD_ENCRYPTED will change to true.
SERVER_DIRECTORIES_PATH =
# Root server directory. By default, the server directories will be created locally.
SERVER_CONFIGSTORE_PATH =
# Configuration store for the ArcGIS Notebook Server site. By default, the configuration store will be created locally.
SERVER_WORKSPACE_PATH =
# Workspace for the site.
createsite.properties ファイル内で参照されている各ファイル パスでは、C:\\arcgisserver\\directories のように、2 番目のバックスラッシュが追加されています。 これは、コマンド ライン ユーティリティーに必要です。
ユーティリティーが正常に実行された場合、ツールが閉じる前に、ArcGIS Notebook Server サイトが作成されたことを示すメッセージが表示されます。
次の手順
単一のコンピューターがあるサイトを設定する場合、サイトを作成した後にサイトで ArcGIS Web Adaptor のインストールと構成を行います。
複数のコンピューターがあるサイトを設定する場合は、サイトを作成した後にサイトにコンピューターを追加して、サイトで ArcGIS Web Adaptor のインストールと構成を行います。