ArcGIS Web Adaptor は、ポータルと既存の Web サーバーおよび組織のセキュリティ メカニズムとの統合を可能にする Portal for ArcGIS に必要なコンポーネントです。ArcGIS Web Adaptor を使用しないで Portal for ArcGIS を組織に配置することはできません。
ArcGIS Web Adaptor は、既存の Web サイトで稼働し、リクエストを Portal for ArcGIS をホストするコンピューターへ転送するアプリケーションです。 IIS、および WebSphere や WebLogic などの Java EE サーバーと互換性があります。
ArcGIS Web Adaptor の利点
ArcGIS Web Adaptor には、次の利点があります。
Portal for ArcGIS と組織の既存の Web サーバーを統合できる。 Web サーバーをサイトに導入することにより、GIS サービスを使用する Web アプリケーションをホストすることが可能になる。
組織のアイデンティティ ストアとセキュリティ ポリシーを Web 層レベルで使用できる。たとえば、IIS を使用している場合、統合 Windows 認証を使用して、ポータルに入ることのできるユーザーを制限できます。また、Web サーバーに組み込まれているか拡張サポートがある場合、PKI (Public Key Infrastructure) やその他のアイデンティティ ストアも使用できます。これを使用すると、ログインしてサービス、Web アプリケーション、および Portal for ArcGIS を使用するときに、シングル サインオンやその他のカスタム認証を提供できます。
デフォルトの arcgis 以外のサイト名を使用して、Portal for ArcGIS を公開できる。
ポート 80 または 443 を使用して Portal for ArcGIS を公開できる。
注意:
ArcGIS Web Adaptor は、ポート 80 または 443 でのみ使用できます。別のポートの使用はサポートされていません。
ArcGIS Web Adaptor の配置シナリオ
ArcGIS Web Adaptor は、Portal for ArcGIS のプラットフォームとは独立しています。したがって、配置する ArcGIS Web Adaptor と Portal for ArcGIS のオペレーティング システム プラットフォームは同じでなくてもかまいません。たとえば、Portal for ArcGIS が Linux 上で実行されていても、ArcGIS Web Adaptor (IIS) または (Java Platform) が Portal for ArcGIS と連携して動作するように配置できます。また、Portal for ArcGIS が Windows 上で実行されていても、Linux 上の ArcGIS Web Adaptor (Java Platform) が Portal for ArcGIS と連携して動作するように配置できます。
インストールした ArcGIS Web Adaptor でのポータルへのアクセス
ArcGIS Web Adaptor をインストールして構成すると、Portal for ArcGIS へのアクセスに使用する URL が https://webadaptorhost.domain.com/webadaptorname/home という形式になります。たとえば、ArcGIS Web Adaptor をホストしているコンピューターの名前が、wa とドメイン myorg.net の組み合わせで、ArcGIS Web Adaptor の名前が arcgis である場合、Portal for ArcGIS へのアクセスに使用する URL は https://wa.myorg.net/arcgis/home となります。
すべての通信に HTTPS を使用するようにポータルを構成している場合、http の代わりに https を使用するように、インストールされているポータル Web サイトとヘルプのショートカットの URL を更新する必要があります。更新しない場合、元のショートカットの URL にアクセスしようとすると、ブラウザーでエラーになります。
ArcGIS Web Adaptor のセットアップ方法
ArcGIS Web Adaptor には独自のセットアップおよびインストール ガイドがあります。このガイドは Portal for ArcGIS のインストールに付属していません。ArcGIS Web Adaptor は、Web サーバーを実行しているコンピューターにインストールする必要があります。これは、Portal for ArcGIS をすでに実行しているコンピューターでも別のコンピューターでもかまいません。
ArcGIS Web Adaptor では、Web サーバーとオペレーティング システムに応じて 3 通りのセットアップが可能であり、ユーザーはその中の 1 つを選択することになります。
- ArcGIS Web Adaptor (IIS) のセットアップでは、Portal for ArcGIS を、Windows で稼働するユーザーの IIS Web サーバーに統合できます。詳細については、「ArcGIS Web Adaptor (IIS) のインストール」をご参照ください。
- ArcGIS Web Adaptor (Java Platform) のセットアップでは、Portal for ArcGIS を、WebSphere や WebLogic などの Java EE サーバーに統合できます。このセットアップは、Windows と Linux で利用できます。詳細については、「ArcGIS Web Adaptor (Java Platform) (Windows 版) のインストール」または「ArcGIS Web Adaptor (Java Platform) (Linux 版) のインストール」をご参照ください。