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住所をジオコーディングするためのポータルの構成

ArcGIS Enterprise ポータルの有用なフィーチャとして、住所や場所名を、CSV (カンマ区切り値) ファイル、Microsoft Excel ファイル、表からマップする機能があります。この機能を有効にするには、ポータルが (住所や場所を検索するための) 有効なロケーター サービスと、(住所や場所を読み取り、ロケーター サービスに送信するための) ホスティング サーバーを備えていることを確認する必要があります。

レガシー:

ロケーター サービスは、従来、ジオコード サービスと呼ばれていました。互換性を保つため、ソフトウェアのユーザー インターフェイスや API の一部には、今でも「ジオコード サービス」という語句が残っています。

ロケーター サービスの設定

住所を含む CSV ファイルをMap Viewerに追加するときなど、一度に大量の住所や場所名をジオコーディングするには、ポータルにロケーター サービスを設定する必要があります。ArcGIS Online 組織からロケーター サービスを使用するか、いずれかのポータルの、フェデレーション サーバーまたはスタンドアロン GIS Server に、独自のロケーター (ジオコード) サービスを公開することができます。

ArcGIS Online ロケーター サービスは、バッチ ジオコーディングを有効にし、ユーザーがロケーター ビューを作成できるよう構成しなければなりません。ArcGIS Online ジオコード サービスのプロキシーを削除すると、ロケーター ビューは機能しなくなります。ArcGIS Online ロケーター サービスを構成してから ArcGIS Enterprise 10.6.1 にアップグレードした場合、Geocode ArcGIS Online ユーティリティ サービスをいったん無効にし、改めて有効にしなければ、ロケーター ビューは使えません。

ポータル内のロケーターを、ジオコーディングが有効であるよう設定する手順については、「ユーティリティ サービスの構成」をご参照ください。独自のサービスの構成については、次のセクションをご参照ください。

独自のロケーター サービスの構成

ArcGIS Enterprise ポータルはデフォルトで、ArcGIS Online でホストされている ArcGIS World Geocoding Service を使います。組織が、住所や場所名の検索に使用する独自のロケーター データを持っているか、またはポータルが ArcGIS Online にアクセスできない場合、ロケーター (ジオコード) サービスを公開し、ポータルのロケーターとして設定します。

ユーザーがMap Viewerで検索を行う際に、住所または地名が自動入力されるようにする場合は、ロケーター サービスの [自動入力] 機能を有効にします。

  1. ArcMap ヘルプの「住所ロケーターの作成」にある手順に従って、データからロケーターを作成します。Map Viewerで自動入力を使用する場合は、ロケーターを作成するときに、[住所ロケーターの作成 (Create Address Locator)] ツールで [自動入力] オプションをオンにします。
  2. ロケーターをサービスとして公開するには、ArcMapまたは ArcCatalog のカタログ ツリーのロケーターを右クリックして、[サービスとして共有] をクリックします。

    サービスの公開の詳細については、ArcGIS Server ヘルプの「サービスの公開方法」をご参照ください。

  3. ロケーターの作成時に自動入力を有効にしていない場合は、ロケーター サービスの公開後に自動入力を有効にできます。ArcMap または ArcGIS Server Manager でサービスの [サービス エディター] を開き、[ケーパビリティ] タブをクリックして [自動入力] チェックボックスをオンにします。
  4. このサービスをポータルのロケーターとして設定します。[組織] > [サイト設定] > [ユーティリティ サービス] の順に移動します。

GIS Server でのリレーショナル データ ストアの構成

設定する GIS Server サイトでは、ArcGIS Data Storeリレーショナル データ ストアが構成されている必要があります。

  1. ArcGIS Data Store をインストールします
  2. リレーショナル データ ストアを作成します。

    リレーショナル データ ストアを作成する場合は、ポータルのホスティング サーバーとして使用する GIS Server サイトの URL を指定します。

GIS Server のポータルとのフェデレート

GIS Server サイトをホスティング サーバーとして指定するには、ポータルと ArcGIS Server サイトをフェデレートする必要があります。ポータルとフェデレートする GIS Server サイトは、HTTP と HTTPS、または HTTPS のみで通信するように構成する必要があります。

詳細については、「ArcGIS Server サイトのポータルとのフェデレート」をご参照ください。

ホスティング サーバーの指定

ポータルとフェデレートした GIS Server サイトをホスティング サーバーとして指定します。

  1. [サーバー] ウィンドウの [ホスティング サーバー] セクションにあるドロップダウン リストから、GIS Server サイトを選択します。
  2. [保存] をクリックします。

Esri World Batch Geocoder および Locator Views を使用するように [テーブルから場所をジオコーディング (Geocode Locations from Table)] ツールを構成

Esri World Batch Geocoder サービスは、デフォルトで、組織と共有するようになっています。Esri World Batch Geocoder の Locator Views は、デフォルトではまったく共有されません。[テーブルから場所をジオコーディング (Geocode Locations from Table)] ツールを使用するか、[テーブルのジオコーディング (Geocode Table)] を使用して Esri World Batch Geocoder および Locator Views に対するバッチ ジオコーディング リクエストを送信するには、すべてのユーザーとサービスを共有する必要があります。

  1. コンテンツ ページの [マイ コンテンツ] タブに移動します。
  2. AGO World Geocoder ロケーター、または対応する、共有するべきロケーター ビューをクリックして、そのアイテム詳細ページを開きます。
  3. [概要] タブにある [共有] をクリックして [すべてのユーザー] をオンにします。
  4. [OK] をクリックします。

テーブルから場所をジオコーディング] ツールで [Esri World Batch Geocoder]またはロケーター ビューを使用すると、ポータルのロケーター (ジオコード ユーティリティ サービス) の構成時に使用した ArcGIS Online 組織でクレジットが消費されます。[Esri World Batch Geocoder] およびロケーター ビューに対する同時バッチ ジオコーディング リクエストの数は構成できないため、常に 1 に設定されます。他のロケーター サービスを [テーブルから場所をジオコーディング (Geocode Locations from Table)] ツールで使用すると、クレジットが消費されません。複数の同時バッチ ジオコーディング リクエストを送信できるよう、追加のロケーターを構成することができます。

バッチ ジオコーディング時に詳細なフィードバックに関するログを追加

デフォルトでは、ジオコーディング ツールのジオプロセシング サービスのメッセージ レベルは、[警告] に設定されます。より詳細なエラー メッセージ、およびバッチ ジオコーディング ジョブのステータスに関するより適切な最新情報を得るために、ジオコーディング ツールのジオプロセシング サービスのログ レベルを [情報] に設定できます。

  1. ホスティング サーバーの ArcGIS Server Manager を参照します。
  2. ArcGIS Server Manager のディレクトリ内の [ユーティリティ] フォルダーをクリックします。
  3. [GeocodingTools] ジオプロセシング サービスをクリックします。
  4. 左にある [パラメーター] バナーをクリックして、[メッセージ レベル][情報] に変更します。 次に、右上隅にある [保存して再起動] ボタンをクリックします。

ログ レベルを [情報] に変更すると、パフォーマンスがわずかに低下しますが、ジョブの進行状況に関するフィードバックがより適切になり、エラーが発生した場合に、それに関する情報が詳細になります。これらのメリットは、 [テーブルから場所をジオコーディング (Geocode Locations from Table)] ツールおよび [テーブルのジオコーディング (Geocode Table)] ツールの両方で確認できます。

ロケーターの同時バッチ ジオコーディング リクエストの推奨数の構成

ポータルのロケーターは、フェデレーション GIS Server サイトで実行される GeocodingTools ジオプロセシング サービスでも使用できます。このジオプロセシング サービスは複数の同時リクエストをジオコード ユーティリティ サービスに送信して、バッチ ジオコーディングの全体的な実行速度を高めることができます。ポータル管理者は、ジオプロセシング サービスが送信する同時リクエストの数を構成できます。ジオプロセシング サービスがロケーターに過剰な同時リクエストを送信していると、そのパフォーマンスが低下し、ジオプロセシング サービスの実行時に障害が増加する可能性があります。このため、管理者は、ロケーター サービスで利用できるインスタンスの数に基づいて、ジオプロセシング サービスが使用するインスタンスの数を設定する必要があります。また、GeocodingTools ジオプロセシング サービスのインスタンスから送信できる同時バッチ ジオコーディング リクエストの数も構成する必要があります。

ベスト プラクティスとして、ロケーター サービスのインスタンスの数が、必ず GeocodingTools ジオプロセシング サービスで利用できるインスタンスの数以上になるようにする必要があります。同時バッチ ジオコーディング リクエストの数は、ロケーターおよびジオプロセシング サービスで利用できるインスタンスの数に比例させて設定する必要があります。たとえば、ロケーター サービスで利用できるインスタンスが 8 個あり、ジオプロセシング サービスで利用できるインスタンスが 2 個ある場合、同時バッチ ジオコーディング リクエスト数は 4 に設定する必要があります。ジオプロセシング サービスは、実行時に 4 つの同時バッチ ジオコーディング リクエストをロケーター サービスに送信します。ロケーター サービスでこれより多くのインスタンスを利用できる場合は、同時バッチ ジオコーディング リクエスト数を適宜調整して、ロケーター サービスのインスタンスを最大限に活用する必要があります。

さらに多くの同時リクエストを使用するように [Esri World Batch Geocoder] を構成することはできません。次の構成は、ユーティリティ サービスとして構成されている他のすべての公開済みロケーター サービスに適用されます。

ロケーター サービスの同時バッチ ジオコーディング リクエスト数を設定するには、次の手順を使用します。

  1. 位置を共有している Portal for ArcGIS Directory に移動して、管理権限を持つメンバーとしてログインします。URL の形式は https://webadaptorhost.domain.com/<webadaptorname>/sharing/rest です。
  2. [Home] > [Portals] > [Self] の順に移動します。
  3. ページの下部にある [Update] をクリックします。
  4. [Geocode Service] テキスト ボックスに、現在ポータルで構成されているロケーター サービスが表示されます。バッチ ジオコーディングが可能なサービス (batch プロパティが true であるサービス) で、同時バッチ ジオコーディング リクエストの推奨数を構成できます。このプロパティで構成するサービスを選択します。[Geocode Service] テキスト ボックスの JSON は、次のような形式です。
    [{
            "url" : "https://geocode.arcgis.com/arcgis/rest/services/World/GeocodeServer",
            "northLat" : "Ymax",
            "southLat" : "Ymin",
            "eastLon" : "Xmax",
            "westLon" : "Xmin",
            "name" : "Esri World Geocoder",
            "batch": false,
            "suggest" : true
        }, {
            "url" : "https://machine.domain.com/server/rest/services/Locators/USA/GeocodeServer",
            "name" : "Streetmap Premium USA Geocoder",
            "placeholder" : "Find address or place",
            "singleLineFieldName" : "SingleLine",
            "batch" : true,
            "placefinding" : true,
            "suggest" : true,
            "zoomScale" : 10000
        }]

  5. GeocodingTools ジオプロセシング サービスで使用するすべてのロケーター サービスにプロパティ numBatchThreads を追加します。numBatchThreads の値を設定するには、まず所定のロケーター サービスで有効にする同時バッチ ジオコーディング リクエストの数を決定し、その数と等しくなるようにプロパティを設定します。なお、ロケーター サービス上で numBatchThreads を構成するためには、batchtrue でなければならないことに注意してください。

    この例では、Streetmap Premium USA Geocoder ユーティリティ サービスで許容される同時バッチ ジオコーディング リクエストの数は 4 に設定されています。

    [{
            "url" : "https://geocode.arcgis.com/arcgis/rest/services/World/GeocodeServer",
            "northLat" : "Ymax",
            "southLat" : "Ymin",
            "eastLon" : "Xmax",
            "westLon" : "Xmin",
            "name" : "Esri World Geocoder",
            "batch": false,
            "suggest" : true
        }, {
            "url" : "https://machine.domain.com/server/rest/services/Locators/USA/GeocodeServer",
            "name" : "Streetmap Premium USA Geocoder",
            "placeholder" : "Find address or place",
            "singleLineFieldName" : "SingleLine",
            "batch" : true,
            "placefinding" : true,
            "suggest" : true,
            "zoomScale" : 10000,
            "numBatchThreads" : 4
        }]

  6. [Geocode Service] テキスト ボックスで JSON を更新した後、ページの下部にある [Update Organization] をクリックします。

url プロパティが追加されたロケーター サービスの numBatchThreads は、AnalyzeGeocodeInput および BatchGeocode タスクで geocodeServiceURL として使用する必要があります。ArcGIS REST API タスクから GeocodingTools サービスのツールを実行する方法については、ArcGIS REST API ドキュメントをご参照ください。