ここでは、ArcGIS Data Store の設定時または使用時に発生する可能性のある問題を示します。リンクをクリックすると、各問題に対して実施できる解決策に移動します。
ArcGIS Data Store の構成
- データ ストアの構成時に、「コンピューター上のサーバーに接続できませんでした。そのコンピューター上で ArcGIS Data Store または ArcGIS Server が実行されていないか、そのコンピューターには現在アクセスできません。」というメッセージが表示されます。
- データ ストアの構成時に、「データ ストア コンピューターを構成できませんでした。ArcGIS Data Store と ArcGIS Server のリリース バージョンは同じである必要があります。」というメッセージが表示されます。
- 「データ ストア ('<プライマリ データ ストア コンピューター名>') には、構成されているスタンバイ コンピューターがすでにあります。データ ストアに複数のスタンバイ コンピューターを含めることはできません。」というメッセージが表示されます。
- 「ディレクトリを作成できません。」というメッセージが表示されます。
- リレーショナル データ ストアの構成時に、「リレーショナル データ ストアのデータベースを開始できませんでした。」というメッセージが表示されます。
ArcGIS Data Store のアップグレード
全般
- ArcGIS Data Store ユーティリティの実行時に、「エラー: AGSDATASTORE 変数が設定されていません」というメッセージが表示されます。
- バックアップを格納しているディレクトリが格納領域を大量に使用しています。
- 「コンピューター '<完全修飾コンピューター名>' 上のサーバーに接続できませんでした。そのコンピューター上で ArcGIS Data Store または ArcGIS Server が実行されていないか、そのコンピューターには現在アクセスできません。」というメッセージが表示されます。
- deletebackup ユーティリティの実行時に、「バックアップ 'backup_oneFS' を削除することはできません。削除できるのは、将来の復元に必要でない手動バックアップのみです。」というエラー メッセージが表示されます。
- ArcGIS Server Administrator Directory のビッグ データ ストアを検証すると、「サーバー コンピューターがエラーを返しました。使用できる構成済みノードがありません」というメッセージが表示されます。
- ホスト フィーチャ レイヤーをポータルに公開するときに、「サービスを作成できませんでした。DBMS エラー [エラー: 読み取り専用のトランザクションで CREATE TABLE を実行できません...]」というメッセージが表示されます。また、「 リレーショナル データ ストアで使用できるディスク容量が 1024 MB 未満です。リレーショナル データ ストアは、READONLY モードで配置されます。ドライブ上のディスク容量を増やすと、リレーショナル データ ストアを再び READWRITE モードで配置できるようになります。」 というメッセージが ArcGIS Data Store ログ ファイルに表示されます。
ArcGIS Data Store の構成
「データ ストア ('<プライマリ データ ストア コンピューター名>') には、構成されているスタンバイ コンピューターがすでにあります。データ ストアに複数のスタンバイ コンピューターを含めることはできません。」というメッセージが表示されます。
2 台のコンピューター、つまり 1 台のプライマリ コンピューターと 1 台のスタンバイ コンピューターだけをリレーショナル データ ストアまたはタイル キャッシュ データ ストアに含めることができます。新しいスタンバイ コンピューターを追加する場合は、まず既存のスタンバイ コンピューターを削除する必要があります。
このメッセージは、リレーショナル データ ストアに必要な PostgreSQL データベースが作成できなかったことを示しています。多くの理由が考えられますが、最も一般的な理由として、データストア構成ウィザードまたは configuredatastore ユーティリティが PostgreSQL に接続してデータベースを作成できなかったことが挙げられます。ArcGIS Data Store アカウントが ArcGIS Data Store コンテンツ ディレクトリに対する十分な権限を持っていないか、コンピューター上のセキュリティ設定が原因で PostgreSQL サービス (Windows の場合) またはプロセス (Linux の場合) を起動できなかったということです。PostgreSQL が実行されていることを確認します。実行されていない場合、ドメイン ポリシー、ファイアウォール設定、またはアンチウイルス ソフトウェアの設定によって起動できない状態なのかどうかチェックします。PostgreSQL が実行されている場合は、ArcGIS Data Store アカウントに、コンテンツ ディレクトリに対するフル コントロール (読み取り、書き込み、実行) の権限が付与されていることを確認します。
ArcGIS Data Store のアップグレード
使用している ArcGIS Data Store が正常に機能しない場合、または、アップグレードした配置をテストした後、前のソフトウェア バージョンに戻す必要がある場合に、データ ストアをどのようにして前の ArcGIS Data Store バージョンに戻せばよいですか?
データ ストアを前の ArcGIS Data Store バージョンに戻す方法は、ソフトウェアのバージョンとデータ ストアのタイプによって若干異なります。
- 各コンピューターから ArcGIS Data Store をアンインストールします。
- 戻したい ArcGIS Data Store バージョンをすべてのコンピューターにインストールします。この時点では、まだ構成は行いません。
- 各タイプのデータ ストアを復元します。
- ArcGIS Data Store 10.5 以降のリリースに戻す場合は、restoredatastore ユーティリティとアップグレード前に作成したバックアップ ファイルを使用して、各データ ストアを復元します。
- 10.4.1 以前のリリースのタイル キャッシュ データ ストアに戻す場合は、importmanagedb ユーティリティとアップグレード前に作成したエクスポート ファイルを使用して、タイル キャッシュ データを置き換えます。
- ビッグ データ ストアを 10.4 または 10.4.1 に戻す場合は、次の手順に従います。
- 各コンピューターの ArcGIS Data Store サービスを停止します。
- 各コンピューターのコンテンツ ディレクトリを、アップグレード前に作成したディレクトリのバックアップ コピーに置き換えます。ArcGIS Data Store コンテンツ ディレクトリのデフォルトの場所は、/home/<username>/arcgis/datastore/usr/arcgisdatastore です。
- テキスト エディターで arcgis-data-store-config ファイルを開き、dir.data からコメント マーク (#) を削除し、dir.data がコンテンツ ディレクトリの場所に設定されていることを確認します。arcgis-data-store-config ファイルは、ArcGIS Data Store のインストール ディレクトリの etc ディレクトリにあります。デフォルトの場所は /home/<username>/arcgis/datastore です。
- arcgis-data-store-config ファイルを保存して閉じます。
- ArcGIS Data Store サービスを再起動します。
全般
ArcGIS Data Store セットアップ用の実行可能ファイルとデータストア構成ウィザードは、AGSDATASTORE 変数を ArcGIS Data Store のインストール先ディレクトリに設定します。セットアップの実行可能ファイルを実行したコマンド プロンプトから configuredatastore ユーティリティを実行した場合、当該変数が設定される前にコマンド プロンプト セッションが開始されるため、セッションでは、変数が設定されていることが認識されません。同様に、データ ストア構成ウィザードを実行する前にコマンド プロンプトを開き、コマンド プロンプトでいずれかのユーティリティを実行しようとした場合も、当該変数が設定される前にコマンド プロンプト セッションが開始されるため、このメッセージが表示されます。この問題を解決するには、新しいコマンド プロンプトを開いて、ユーティリティを実行します。
各データ ストアのバックアップのサイズは、使用しているデータの量とサイズ、ArcGIS Data Store でバックアップが作成される間隔、バックアップ ファイルが保持される期間によって異なります。
リレーショナル データ ストアの場合、バックアップの作成間隔とバックアップの保持期間をスケジュール設定できます。つまり、デフォルトのバックアップ間隔と保持期間をそのまま採用すると、バックアップ ディレクトリに 5 つの完全バックアップと 31 日分の増分バックアップ ファイルが格納されることになります。バックアップ ディレクトリが格納領域を大量に使用していることが判明した場合は、コンピューター上の空き容量を増やすか、ArcGIS Data Store のバックアップ間隔と保持期間を変更します。
タイル キャッシュ データ ストアとビッグ データ ストア用のバックアップ場所を構成する場合、バックアップの作成間隔をスケジュール設定することもできます。ただし、タイル キャッシュ データ ストアとビッグ データ ストアのバックアップ ファイルが不要になった場合のクリーニング操作はユーザーが行う必要があります。
ArcGIS Server Administrator Directory のビッグ データ ストアを検証すると、「サーバー コンピューターがエラーを返しました。使用できる構成済みノードがありません」というメッセージが表示されます。
このメッセージは、ビッグ データ ストアを ArcGIS Server サイトで構成し、ArcGIS Server Administrator Directory の削除機能を使用してサイトからコンピューターを削除した後で、同じビッグ データ ストアを同じ (または異なる) ArcGIS Server サイトに登録しようとしたときに表示されます。
削除機能は、スタンバイ タイル キャッシュまたはリレーショナル データ ストアを削除するために使用されるものであり、ビッグ データ ストアの登録解除には使用してはなりません。ビッグ データ ストアが最初に登録された ArcGIS Server サイトからビッグ データ ストアを登録解除するには、unregisterdatastore ユーティリティを使用します。このコマンドを実行すると、サイトからビッグ データ ストアが完全に登録解除され、ポータルのホスティング サーバーとして使用されている GIS Server に登録できるようになります。
ホスト フィーチャ レイヤーをポータルに公開するときに、「サービスを作成できませんでした。DBMS エラー [エラー: 読み取り専用のトランザクションで CREATE TABLE を実行できません...]」というメッセージが表示されます。また、「 リレーショナル データ ストアで使用できるディスク容量が 1024 MB 未満です。リレーショナル データ ストアは、READONLY モードで配置されます。ドライブ上のディスク容量を増やすと、リレーショナル データ ストアを再び READWRITE モードで配置できるようになります。」 というメッセージが ArcGIS Data Store ログ ファイルに表示されます。
プライマリ リレーショナル データ ストアが実行されているコンピューターのディスク容量が一定のサイズを下回ると、データの損失を防ぐために、プライマリ リレーショナル データ ストアが読み取り専用モードに設定されます。デフォルトでは、そのサイズは 1024 MB ですが、changedbproperties ユーティリティを使用して、これを別のサイズに変更することができます。
プライマリ リレーショナル データ ストア コンピューターが読み取り専用モードになると、リレーショナル データ ストアを使用するポータルにはホスト フィーチャ レイヤーを公開できません。リレーショナル データ ストアの読み取り専用モードを解除するには、ディスク容量をプライマリ データ ストア コンピューターに追加した後、changedatastoremode ユーティリティを実行して、リレーショナル データ ストアを再び読み取り/書き込みモードに設定します。次に updatebackupschedule ユーティリティを実行して、リレーショナル データ ストアの自動バックアップを再設定します。