Portal for ArcGIS のインストール手順は次のとおりです。
注意:
10.6.1 にアップグレードしますか? 詳細については、「Portal for ArcGIS のアップグレードについて」をご参照ください。
Portal for ArcGIS をインストールするための準備
- インストール環境が最小システム要件を満たしていることを確認します。
- 管理者権限を持つユーザーとしてコンピューターにログインします。root ユーザーは、Portal for ArcGIS をインストールできません。
- 「Portal for ArcGIS で使用されるポート」の説明に従って、ポートを開きます。
- サーバー上の重要でないアプリケーションをすべて終了します。
- Portal for ArcGIS セットアップをダウンロードしたフォルダーを参照します。または、Portal for ArcGIS メディアを適切なドライブに挿入して、セットアップ プログラムを自動起動します。
これで、Portal for ArcGIS をインストールする準備が整いました。
Portal for ArcGIS のインストール
- Portal for ArcGIS のダウンロード フォルダーまたはセットアップ メディアから、セットアップ プログラムを実行します。セットアップ プログラムは、Portal for ArcGIS を正しくセットアップして使用するために満たす必要がある前提条件を確認してから開始されます。使用しているシステムが前提条件のいずれかを満たさない場合、ダイアログ ボックスの指示に従って、すべての問題を修正します。詳細については、「診断ツールを使用したポータル診断のチェック」をご参照ください。
- すべての前提条件が満たされている場合は、[はじめに] ダイアログ ボックスが表示されます。[次へ] をクリックして続行します。
- [マスター契約書] ダイアログ ボックスで、マスター契約書を読みます。条件に同意する場合は、[マスター契約書に同意する] ボタンをクリックし、[次へ] をクリックして操作を続行します。同意しない場合は、[キャンセル] をクリックしてセットアップを終了します。
- [インストール フォルダーの選択] ダイアログ ボックスで、インストール先の場所を指定します。インストーラーが以前のポータルのディレクトリを指している場合、そのディレクトリのコンテンツが自動的に新規インストールで使用されます。バージョン 10.2 より前のインストールのコンテンツはサポートされていません。[次へ] をクリックして続行します。
- サマリー情報を確認し、[インストール] をクリックしてインストールを開始します。
- インストールが終了する前に、[ソフトウェア認証ウィザード] ダイアログ ボックスが表示されます。ウィザードを使用して、認証プロセスを完了します。詳細については、「Portal for ArcGIS の認証」をご参照ください。プロビジョニング ファイルに、レベル 2 のライセンスを使用する少なくとも 1 名のポータル メンバーの資格が含まれていることを確認してください。ポータルを作成するには、少なくとも 1 つのレベル 2 のライセンスが必要です。
- 認証プロセスが完了したら、[終了] をクリックしてウィザードを終了します。
注意:
[インストールが完了しました] ダイアログ ボックスにソフトウェア認証ステータスが表示されます。エラーが検出された場合は、エラー メッセージの問題を解決してから、Portal for ArcGIS のソフトウェア認証ウィザードを開いて、認証に戻ります。
ポストインストール構成
Portal for ArcGISをオペレーティング システムで起動する場合は、お使いのオペレーティング システムに固有の手順に従います。
systemd をサポートするオペレーティング システム
プロセスの管理やブートストラップに対応した systemd をサポートしているオペレーティング システムの場合 (Red Hat 7.x を使用している場合など)、次の手順に従って、オペレーティング システムで起動する Portal for ArcGIS を構成します。
- コマンド シェルの中で、root ユーザーに切り替えます。
- <Portal for ArcGIS installation directory>/framework/etc/arcgisportal.service ユニット ファイルを /etc/systemd/system. にコピーします。ファイルがコピーされたら、/etc/systemd/system/arcgisportal.service のファイルの権限が 600 に設定されていることを確認します。
注意:
このファイルは、Portal for ArcGIS 10.6.1 とともにインストールされます。
- 引き続き root ユーザーとして、次のコマンドを実行し、/etc/systemd/system/multi-user.target.wants にリンクを自動的に作成します。
# systemctl enable arcgisportal.service
- systemd サービスが適切に構成されたことを確認するために、サービスを再起動してステータスを確認します。
# systemctl stop arcgisportal.service # systemctl start arcgisportal.service # systemctl status arcgisportal.service
- root ユーザー セッションを終了します。
- オペレーティング システムを再起動し、Portal for ArcGIS が正しく起動することを確認します。
SysV をサポートするオペレーティング システム
プロセスをブートストラップして管理するための SysV の使用をオペレーティング システムがサポートしている場合、次の手順に従って、オペレーティング システムで起動する Portal for ArcGIS を構成します。
- コマンド シェルの中で、root ユーザーに切り替えます。
- <Portal for ArcGIS installation directory>/framework/etc/arcgisportal シェル スクリプトを、サポートされている Linux ディストリビューションに応じて、次のうちの該当する場所にコピーします。
- RHEL: /etc/rc.d/init.d/
- SUSE: /etc/init.d/
- 適切な init.d フォルダーにディレクトリを変更し、arcgisportal スクリプトを確認して、root ユーザーが少なくとも読み取りおよび実行権限を持っていることを確認します。
- 次のようにスクリプトを編集します。
portalhome 変数を Portal for ArcGIS のインストール ディレクトリに更新します (例: /home/username/arcgis/portal)。
RHEL の場合のみ、次の行を [# Description: Portal for ArcGIS Service] の直前に追加します。
# chkconfig:35 99 01
編集内容を arcgisportal スクリプトに保存します。
- 引き続き root ユーザーとして次のコマンドを実行し、適切な実行レベルを使用して /etc/rc*.d にリンクを自動的に作成します。
- RHEL:
$ chkconfig --add arcgisportal $ chkconfig arcgisportal on
- SUSE:
$ insserv arcgisportal $ chkconfig arcgisportal on
- RHEL:
- root ユーザー セッションを終了します。
- オペレーティング システムを再起動し、Portal for ArcGIS が正しく起動することを確認します。
インストール中にエラーが発生した場合
インストール中にエラーが発生した場合は、ログを確認してトラブルシューティングに役立てることができます。これを行うときは、最初に ArcGIS Portal Directory にアクセスできるかどうかを判断します。アクセスできる場合は、ログを検索してメッセージを確認します。アクセスできない場合は、ハードディスク上のログ メッセージを確認します。ハードディスク上のログにアクセスするには、ログのディレクトリを選択し、最新のログ ファイルを開きます (たとえば、<Portal for ArcGIS installation directory>/arcgisportal/logs/<machine name>/portal/portal-20150101.095803-8596-0.0.log)。必要な場合は、この情報を Esri Support と共有できます。
ポータル コンピューターに複数のネットワーク インターフェイス コントローラー カードが搭載されている場合
ArcGIS Enterprise を、複数のネットワーク インターフェイス コントローラー (NIC) カードを搭載したコンピューターに導入できます。複数の NIC カードを持つコンピューターに Portal for ArcGIS をインストールした場合、ポータルがネットワーク通信でどのインターフェイスを使用するのかを指定します。これを実行するには、既存のファイルを編集し、新しいファイルをポータルのインストール ディレクトリ (デフォルトでは /home/User/arcgis/portal) に追加します。
注意:
これらの手順は、最初の管理アカウントとポータル サイトを作成する前に、インストール後ただちに実行します。
- Portal for ArcGIS がインストールされている複数の NIC カードを持つコンピューターにログインします。フォルダー <Portal installation directory>/framework/etc に移動します。このフォルダー内に適切な権限で hostname.properties という名前のファイルを作成します。
- ファイルの最初の行にテキスト「hostname=interface.domain.com」を追加し、対象のインターフェイスの完全修飾ドメイン名を指定します。たとえば、2 枚の NIC カード (1 および 2) を搭載したコンピューターがあるような場合、これらのインターフェイスのドメイン名は P1.mycompany.com および P2.mycompany.com に解決されます。Portal for ArcGIS で 2 枚目のインターフェイスをネットワーク通信に使用するには、テキスト「hostname=P2.mycompany.com」を hostname.properties ファイルに追加します。
注意:
ホスト名が複数のインターフェイスで同一であるような場合も、ArcGIS Server でネットワーク通信に使用するインターフェイスの IP アドレスを指定する必要があります。構文は hostname=<IP address> です。
- 編集した hostname.properties ファイルを保存して閉じます。
- フォルダー <Portal installation directory>/framework/runtime/ds/framework/etc に移動します。このフォルダーにある hostidentifier.properties ファイルを見つけます。
- テキスト エディターでファイルを開きます。hostidentifier プロパティからコメント記号 # を削除して、ポータルがネットワーク通信に使用する NIC カードの IP アドレスにそのプロパティを設定します。たとえば、IP アドレスが 12.34.56.189 のカードを指定するには、次のような行になります。
hostidentifier=12.34.56.189
- hostidentifier.properties ファイルを保存して閉じます。
- コマンド ライン スクリプト stopportal.sh および startportal.sh を使用して、ポータルを再起動します。
注意:
ポータルを新しいバージョンにアップグレードすると、アップグレードによって、この hostidentifier.properties ファイルはデフォルトのコンテンツにリセットされます。アップグレード後は、適切な IP アドレスを追加し直す必要があります。
必要に応じて、手順に従って複数の NIC カードを搭載したコンピューターのその他の ArcGIS Enterprise ソフトウェア コンポーネントを構成します。