ホスト ベクター タイル レイヤーの公開

ベクター タイル レイヤーは、キャッシュされた 1 組のベクターとそれらのベクターをレンダリングするための情報を参照します。 ベクター タイル レイヤーのデータは、ジオメトリ、属性、スタイルを含む個別のレイヤーに格納されます。 スタイル設定情報はタイルのジオメトリや属性とは独立して格納され、複数のスタイルを定義できます。 つまり、スタイルごとに新しいキャッシュを作成する必要なく 1 セットのベクター タイルをさまざまな方法でスタイル設定することができます。 このため、新しいマップ スタイルを作成する際に容量を節約できる他、処理を高速化できます。 また、事前に作成されたタイルとしてベクターにアクセスすることでも、パフォーマンスを改善できます。

ベクター タイル レイヤーをポータルで公開するには、以下のセクションで説明するいずれかの方法を使用します。 結果として生成されたホスト ベクター タイル レイヤーは、ベースマップとして使用します。

ベクター タイル パッケージの構築と公開

ArcGIS Pro 1.2 以降を使用し、マップのベクター タイルを作成して転送が簡単なベクター タイル パッケージ (*.vtpk) ファイルに保存できます。 ArcGIS Pro のベクター タイル パッケージを組織サイトポータルで共有し、アップロードされたベクター タイル パッケージをタイル レイヤーとして公開できます。

1. タイルにパッケージ化して公開するマップ ベクター データを含む ArcGIS Pro プロジェクトを開きます。
2. コンテンツを作成できる権限を持つアカウントを使用して、ArcGIS Pro からポータルにサイン インします。
3. [ベクター タイル パッケージの作成] ジオプロセシング ツール を使用して、ベクター タイル パッケージを作成します。
ベクター タイル パッケージをポータルに追加し、タイル レイヤーを公開するには、2 つのオプションがあります。
4. ベクター タイル パッケージが 2 GB を超える場合は、以下の手順に従ってパッケージを追加し、公開します。
   1. [パッケージの共有] ジオプロセシング ツールを実行して、ベクター タイル パッケージをポータルに追加します。
   2. ポータル Web サイトにサイン インして[コンテンツ] > [マイ コンテンツ] を開きます。ホスト タイル レイヤーを公開する権限を持っている必要があります。
   3. タイル パッケージをクリックしてアイテムの詳細ページを表示し、[公開] をクリックします。
   4. タイトルを入力します。
   5. ポータル管理者がコンテンツのカテゴリを構成している場合、[カテゴリの割り当て] をクリックして、最大 20 のカテゴリを選択して、アイテムの検索に役立てることができます。 また、[カテゴリのフィルター処理] ボックスを使用して、カテゴリのリストを絞り込むこともできます。
   6. タグを入力し、[公開] をクリックします。
5. ベクター タイル パッケージが 2 GB 未満の場合は、前述の方法でポータルに追加してタイル レイヤーを公開するか、ポータルにサイン インしてベクター タイル パッケージを追加します。
   1. ポータル Web サイトにサイン インして[コンテンツ] > [マイ コンテンツ] を開きます。コンテンツの作成やホスト タイル レイヤーの公開ができる権限を持っている必要があります。
   2. クリック[コンピューターから] > [アイテムを追加]します。
   3. ベクター タイル パッケージ ファイル (.vtpk) の場所に移動します。
   4. [このファイルをホスト レイヤーとして公開します] をオンのままにしておきます。
   5. パッケージとホスト レイヤーに適用されるタイトルとタグを入力します。
   6. ポータル管理者がコンテンツのカテゴリを構成している場合、[カテゴリの割り当て] をクリックして、最大 20 のカテゴリを選択して、アイテムの検索に役立てることができます。 また、[カテゴリのフィルター処理] ボックスを使用して、カテゴリのリストを絞り込むこともできます。
   7. [アイテムの追加] をクリックします。

ベクター タイルが展開され、ホスト タイル レイヤーが作成されます。 [マイ コンテンツ] でタイル レイヤーを表示し、Map ViewerまたはScene Viewerに追加できます。

ArcGIS Pro でマップを定義し、ベクター タイル レイヤーとして公開します。

ArcGIS Pro 1.4 以降では、ベクター タイル レイヤーを公開して、ポータル上でホストできます。

マップ作成時に使用されていた複雑なカートグラフィック シンボルの中には、Web ブラウザーで表示できないものがあることに注意してください。 ほとんどのシンボル タイプは利用できますが、公開時にシンボルがダウングレードされる場合があります。 ArcGIS Server ヘルプの「マップの作成によるフィーチャ サービスの公開」で、サポートされているシンボルの種類の詳細について確認し、必要に応じて公開前にマップのシンボルを変更してください。

1. ArcGIS Pro を起動し、公開するマップを含むプロジェクトを開きます。
2. ポータルへの接続がアクティブであり、コンテンツの作成やホスト タイル レイヤーの公開ができる権限を持っているアカウントを使用して組織サイトにサイン インしていることを確認します。
3. ベクター タイル レイヤーを公開するには、次のいずれかを実行します。
   • [コンテンツ] ウィンドウでレイヤーを選択します。 選択したレイヤーを右クリックして、[Web レイヤーとして共有] をクリックします。

   • マップ内のすべてのレイヤーを公開するには、[共有] タブの [共有] グループで [Web レイヤー] をクリックし、[Web レイヤーの公開] をクリックします。

   ヒント:

   [Web レイヤーとして共有] メニュー オプションを使用できない場合、次のいずれかの原因が考えられます。

   • サイン インに使用したアカウントに、ホスト レイヤーを公開する権限がない。
   • Web レイヤーをホストするのに必要なホスティング サーバーでポータルが構成されていない。
   • サポートされていないマルチパッチ レイヤーを公開しようとしている。

4. ベクター タイル レイヤーの名前を入力します。 レイヤーは、デフォルトでは [マイ コンテンツ] に保存されます。 [マイ コンテンツ] 内のフォルダーに保存するには、フォルダー名を入力するか、既存のフォルダーに移動します。
5. [すべてのデータをコピー] を選択します。
6. [レイヤー タイプ] に [ベクター タイル] を選択します。

   これにより、自動的に他の [レイヤー タイプ] オプションがオフに設定されます。データをコピーするときは一度に 1 つのレイヤー タイプしかオンにすることはできません。

7. ベクター タイル レイヤーのサマリーとタグを入力します。
8. レイヤーにアクセスできるユーザーを指定します。 公開するレイヤーはすべて、自動的に組織の個人ワークスペース ([マイ コンテンツ]) で共有され、自分と管理者のみがこれにアクセスできます。 次のいずれかに共有するまで、他のユーザーはコンテンツにアクセスできません。
   • 組織 - このオプションを選択すると、レイヤーをポータル内のすべての認証済みユーザーと共有できます。
   • すべてのユーザー - このオプションを選択すると、ポータルにアクセスできるすべてのユーザーは、ポータルにサイン インしていない場合でもレイヤーを使用できるようになります。
   • [グループ] - 所属するグループのメンバーとレイヤーを共有できます。
9. [構成] をクリックし、ベクター タイル レイヤーの [Web レイヤー プロパティの構成] ボタンをクリックしてキャッシュ設定を指定します。
10. [タイル スキーマ] を選択します。
11. [詳細レベル] バーをリサイズおよびドラッグして、ベクター タイル レイヤーの最小および最大縮尺を指定します。

    最小および最大縮尺を変更すると、生成されるキャッシュの推定サイズが変わります。

12. ベクター タイル キャッシュを一時的に格納するローカルの ArcGIS Pro コンピューターの場所を指定します。

    ArcGIS Pro キャッシュをローカルに生成し、一時的にベクター タイル パッケージに格納します。 ArcGIS Pro ベクター タイル パッケージを自動的にポータルにアップロードし、事前に作成されたタイルをその場所で公開します。

13. [タイル形式] を選択します。
    • [インデックス構築済み] タイル形式では、フィーチャ密度のインデックスに基づいてタイルが作成されます。 この形式では、タイル生成とファイル サイズが最適化されます。
    • [フラット] タイル形式では、フィーチャ密度に関係なく、各詳細レベルのタイルが作成されます。 この場合、インデックス構築済みタイル形式で作成されるよりもキャッシュのサイズが大きくなりますが、マップに含まれるすべてのフィーチャがかなり均等に分布している場合は、フラット ファイル形式を利用できます。
14. インデックス構築済みタイル形式を選択した場合は、必要に応じて [ベクター タイル インデックスの作成] ジオプロセシング ツールを使用して、事前に作成されたインデックス ポリゴンを指定できます。

    インデックス ポリゴンを指定しないと、ArcGIS Pro がタイルの作成時にインデックス ポリゴンを生成します。ただし、これらのインデックス ポリゴンは保存されません。

15. キャッシュ オプションの指定が完了したら、戻るボタンをクリックします。
16. [コンテンツ] タブをクリックして、タイル レイヤーに対象のデータ レイヤーが含まれていることを確認します。
17. [分析] をクリックして、エラーや問題がないか確認します。

    問題が見つかると、[メッセージ] タブに表示されます。 各メッセージを右クリックすると、詳細情報を表示したり、エラーや警告に関するヘルプを確認したり、推奨される解決策を入手したりできます。 公開する前に、エラーを修正する必要があります。 さらに必要であれば、警告に従って問題を修正し、ホスト タイル レイヤーのパフォーマンスと外観を改善します。

18. エラーを修正し、必要に応じて警告を修正したら、[公開] をクリックします。

    メモ:

    データがこの時点でサーバーにコピーされます。 公開に要する時間は、データのサイズ、ネットワークの速度と帯域幅によって変わります。

公開が完了したら、[Web レイヤーの管理] をクリックしてポータル Web サイトを開くことができます。