ツールが、標準の空間解析ツールセットと GeoAnalytics Tools のツールセットの両方に存在する場合、そのツールを実行する際に違いが現れる可能性があります。 このトピックでは、両方のツールセットで利用可能なツール間の相違点について説明します。 これらの相違点は、ツールセット内のすべてのツールに共通している場合もあれば、特定のツールにのみ該当する場合があります。 どのツールがどのツールセットで利用可能であるかについては、「標準フィーチャ解析と GeoAnalytics Tools フィーチャ解析の比較」をご参照ください。
標準解析ツールと GeoAnalytics Tools 間の主要な相違点
標準解析ツールと GeoAnalytics Tools (GeoAnalytics Server を介して利用可能) 間には、常に異なるいくつかの機能があります。
- GeoAnalytics Tools はビッグ データ ファイル共有のデータ (ポータルのビッグ データ ファイル共有アイテム) を解析できますが、標準解析ツールは解析できません。 ビッグ データ ファイル共有の詳細については、「ビッグ データ ファイル共有の基本操作」をご参照ください。
- 多くの GeoAnalytics Tools では、GeoAnalytics Server が時間ステップを解析に適用できますが、標準解析ツールでは適用できません。
- GeoAnalytics Server は、必要に応じてフィールドに関する統計情報、つまり、数値フィールドに関する [COUNT (数)]、[VARIANCE (分散)]、[RANGE (範囲)] と、文字列フィールドに関する [COUNT (数)]、[ANY (任意)] を計算できますが、標準解析ツールではこれらの統計情報を利用できません。
個々のツールの相違点
複数のツール間で共通している相違点の他に、個々のツールについても、小さな相違点があります。 標準ツールセットと GeoAnalytics Tools ツールセットで利用可能なツールについて、具体的な相違点の概要を次に示します。
ポイントの集約
標準フィーチャ解析および GeoAnalytics Server における [ポイントの集約] ツールの相違点は次のとおりです。
- このツールの GeoAnalytics Tools バージョンでは、タイム ステップを適用できます。
密度の計算 (Calculate Density)
標準フィーチャ解析および GeoAnalytics Server における [密度の計算] ツールの相違点は次のとおりです。
- このツールの GeoAnalytics Tools バージョンでは、複数のフィールドに関して密度を同時に計算できます。
- GeoAnalytics Tools バージョンでは、四角形または六角形のビンに集約して密度を計算できます。
- GeoAnalytics Tools バージョンでは、タイム ステップを適用できます。
- GeoAnalytics Tools は、密度の計算にカーネル重みを使用すべきか、加重重みを使用すべきかを指定できます。
- GeoAnalytics Tools バージョンでは、ポリライン入力データを使用できません。
バッファーの作成 (Create Buffers)
標準フィーチャ解析および GeoAnalytics Server における [バッファーの作成] ツールの相違点は次のとおりです。
- 標準解析ツールではバッファー距離を複数指定できますが、GeoAnalytics Tools ではバッファー距離を 1 つしか指定できません。
- GeoAnalytics Tools では、フィールドまたはフィールド式を使用してバッファー距離を作成できます。 これらのオプションは、標準解析では使用できません。
- GeoAnalytics Tools では、必要に応じて [平面] バッファーまたは [測地線] バッファーのいずれかを選択できます。 標準解析では、このためのオプションは提供されず、[測地線] バッファーがデフォルトで適用されます。
- 標準解析では、リング タイプ、サイド タイプ、エンド タイプを選択できます。 これらのオプションは GeoAnalytics Tools では使用できません。
- 標準解析ツールと GeoAnalytics Tools では、次に示すように、ディゾルブの方法が異なります。
- 標準解析ツールセットでは、重複するポリゴンをディゾルブするかどうかを選択できます。
- GeoAnalytics Tools では、結果として得られるすべてのフィーチャをディゾルブするか、何もディゾルブしないか、出力フィーチャに基づいてディゾルブするかを選択できます。 また、結果として得られるフィーチャをマルチパートにするか、単一パートにするかを決定することもできます。 標準解析で完了していた重複のディゾルブを再現する必要がある場合は、[すべて] をディゾルブして、マルチパート フィーチャに対応します。
- GeoAnalytics Tools でディゾルブするときは、[すべて] または [フィールド] 内に関して統計情報を計算できます。
境界のディゾルブ (Dissolve Boundaries)
標準フィーチャ解析および GeoAnalytics Server における [境界のディゾルブ (Dissolve Boundaries)] ツールの相違点は次のとおりです。
- GeoAnalytics Tools は、フィーチャがオーバーラップしていない場合に、同じフィールド値を持つエリアをディゾルブできます。 標準ツールでディゾルブするには、フィーチャがオーバーラップし、かつ同じフィールド値を保持している必要があります。
ホット スポットの検索 (Find Hot Spots)
標準フィーチャ解析および GeoAnalytics Server における [ホット スポット分析] ツールの相違点は次のとおりです。
- このツールの GeoAnalytics Tools バージョンでは、ビン サイズと近傍サイズを指定する必要があります。
- ツールの GeoAnalytics Tools バージョンでは、タイム ステップを適用できます。
- GeoAnalytics Tools バージョンでは、ポリゴン入力データを使用できません。
- GeoAnalytics Tools バージョンでは、フィールドや境界ポリゴン レイヤーでの除算はいずれも適用されません。
類似フィーチャの検索
標準フィーチャ解析および GeoAnalytics Server における [類似フィーチャの検索] ツールの相違点は次のとおりです。
- GeoAnalytics Tools バージョンでは、結果に追加するフィールドを選択できます。
- GeoAnalytics Tools バージョンでは、属性プロファイル照合方法が適用されます。
テーブルから場所をジオコーディング
GeoAnalytics Tools では ArcGIS World Geocoder を使用できません。
フィーチャの結合
標準フィーチャ解析および GeoAnalytics Server における [フィーチャの結合] ツールの相違点は次のとおりです。
- GeoAnalytics Server では、時系列的結合を適用できます。
- GeoAnalytics Tools と標準ツールでは、使用できる空間リレーションシップが異なります。
- このツールの GeoAnalytics Tools バージョンでは、Arcade 式を適用して、結合するフィーチャを指定できます。
レイヤーのマージ (Merge Layers)
標準フィーチャ解析および GeoAnalytics Server における [レイヤーのマージ (Merge Layers)] ツールの相違点は次のとおりです。
- GeoAnalytics Server は数値フィールドと文字列フィールドの一致をサポートしませんが、標準ツールは数値フィールドと文字列フィールドの一致をサポートします。
オーバーレイ (Overlay Layers)
標準フィーチャ解析と GeoAnalytics Server における [レイヤーのオーバーレイ (Overlay Layers)] ツールの相違点は次のとおりです。
- GeoAnalytics Tools バージョンは、[インターセクト] および [イレース] オーバーレイ タイプをサポートし、標準ツールは、[インターセクト]、[イレース]、および [ユニオン] オーバーレイ タイプをサポートします。
- GeoAnalytics Tools バージョンは、ポリゴンとポリゴン、ラインとライン、およびポイントとポイントのオーバーレイをサポートします。 標準解析ツールは、さらに、ポイントとライン、ポイントとエリア、およびラインとエリアのオーバーレイをサポートします。
中心と分散の集計
標準フィーチャ解析と GeoAnalytics Server における [中心と分散の集計 (Summarize Center and Dispersion)] ツールの相違点は次のとおりです。
注意:
GeoAnalytics Tools の [中心と分散の集計 (Summarize Center and Dispersion)] ツールは、Map Viewer Classic からは実行できません。 [中心と分散の集計] を使用するには、ArcGIS REST API または ArcGIS Pro から実行します。
- GeoAnalytics Tools バージョンでは、時間入力でのサマリーの計算をサポートしています。
- GeoAnalytics Tools バージョンはマルチポイント入力をサポートしていません。