タイル キャッシュ データ ストアは 1 台のコンピューターで実行するか、2 台のコンピューターでプライマリ/スタンバイ モードで配置するか、複数のコンピューターでクラスター モードとして配置することができます。
configuredatastore ユーティリティを使用してタイル キャッシュ データ ストアを作成する場合、タイル キャッシュ データ ストアの実行モードを指定できます。また、configuredatastore ユーティリティを使用してモードを変更することもできます。
単一コンピューター
シーン キャッシュの可用性や拡張性を高くする必要がない場合は、1 台の専用コンピューターにタイル キャッシュ データ ストアを作成できます。その場合は、そのコンピューターに十分なディスク容量とメモリがあることを確認してください。
1 台のコンピューターにのみタイル キャッシュ データ ストアを作成した場合でも、デフォルト モード (プライマリ/スタンドバイ) かクラスター モードか、どちらのモードで作成するか検討する必要があります。このとき、今後、可用性と拡張性が必要になる見込みはあるか考慮する必要があります。
プライマリ/スタンバイ モード
プライマリ/スタンバイ モードでは、タイル キャッシュ データ ストアに最大 2 台のコンピューターを含めることができます。どちらのコンピューターにも、同じシーン キャッシュ データがあります。シーン レイヤーは、プライマリ コンピューターのキャッシュ データにアクセスします。プライマリ コンピューターに障害が発生すると、スタンバイ コンピューターがプライマリ コンピューターになり、シーン レイヤーは新しいプライマリ コンピューター上のキャッシュ データにアクセスします。これにより、ArcGIS Data Store 管理者が障害の起きたコンピューターの復旧や交換を行っている間でも、シーン レイヤーに継続的にアクセスできるようになります。
ArcGIS Data Store をインストールしてタイル キャッシュ データ ストアを作成する最初のコンピューターは、プライマリ タイル キャッシュ データ ストア コンピューターです。同じ GIS Server サイトで、もう 1 つのタイル キャッシュ データ ストアをインストールして構成することができます。この 2 番目のタイル キャッシュ データ ストア コンピューターは、スタンバイ コンピューターになります。ホスト シーン レイヤー キャッシュ データは、プライマリ コンピューターからスタンバイ コンピューターに複製されます。リレーショナル データ ストアと同じように、プライマリ コンピューターに障害が発生すると、スタンバイがプライマリになります。
プライマリ コンピューターとスタンバイ コンピューターの両方が動作している場合、ArcGIS はプライマリかスタンバイのタイル キャッシュ データ ストア コンピューターを使用して、読み取り専用のクエリを処理できます。これにより、ホスト シーン レイヤーを表示する際のパフォーマンスが向上します。
タイル キャッシュ データ ストアは、デフォルトでプライマリ/スタンバイ モードで作成されます。
利点
- プライマリ/スタンバイ モードでは、シーン レイヤーの可用性を高めることができます。
- シーン レイヤーは、読み取り専用クエリについては両方のコンピューターのデータにアクセスできるため、クラスター モードを使用すると描画時間を短縮できます。
欠点
- プライマリ/スタンバイ モードを使用する場合、タイル キャッシュ データ ストアで 2 台を超えるコンピューターを使用できません。
クラスター モード
複数のコンピューターにシーン レイヤー キャッシュを分散する必要がある場合は、タイル キャッシュ データ ストアをクラスター モードで配置します。クラスター モードのタイル キャッシュ データ ストアでは、ストレージを増やす必要がある場合は、それに応じてデータ ストアにコンピューターを追加できます。
クラスター モードのタイル キャッシュ データ ストアは、3 台以上の奇数台数のコンピューターが必要です。したがって、ArcGIS Data Store を 3 台以上のコンピューターにインストールします。各コンピューター上で、同じホスティング GIS Server サイトに登録されているタイル キャッシュ データ ストアを構成します。
高可用性を有効化するには、ポータル メンバーがホスト シーン レイヤーの公開を開始する前に、タイル キャッシュ データ ストアでコンピューターを構成します。ホスト シーン レイヤーが公開されると、タイル キャッシュ データ ストア コンピューターのうちの 2 つで、そのホスト シーン レイヤーのキャッシュ データが複製されます。
必要性を満たすように、タイル キャッシュ データ ストア コンピューターを追加することもできます。現在のコンピューター上で容量が不足している場合は、追加のコンピューター上で ArcGIS Data Store をインストールし、同じホスティング GIS Server サイトに登録します。これを実行すると、新しいシーン レイヤーのキャッシュが、新しいコンピューターに配布されます。既存のシーンのキャッシュは元のコンピューター上に残ったままです。
新しく追加されたコンピューターを使用するために既存のキャッシュを再調整するには、タイル キャッシュ データ ストアのバックアップを作成し、それを復元する必要があります。手順については、「シーン レイヤー キャッシュの再調整」をご参照ください。
利点
- ストレージのニーズに応じて、タイル キャッシュ データ ストアにコンピューターを追加できます。
- 1 台のコンピューターが使用できなくなっても、各シーン レイヤーのキャッシュ データは他のいずれかのコンピューターで使用できます。他のコンピューターが使えれば、シーン レイヤーも使用できます。
欠点
- シーン レイヤーは複数のコンピューターでデータを検索する必要があるため、検索と描画の時間がかかります。
- 既存のシーン キャッシュは、タイル キャッシュ データ ストアに追加されたコンピューターに自動的に分散されません。