構成ファイルを使用して、ポータルの動作をカスタマイズすることができます。 設定できるプロパティには、特定のアプリやボタン (匿名ユーザーがポータル アカウントを作成できるようにするボタンや Scene Viewer アプリへのリンクなど) を Web サイトで表示するかどうかなどがあります。 この方法は、オフラインで配置を構成する場合や、組織の要件に合わせてポータルの動作を変更する場合にお勧めです。
構成ファイルは、<Portal for ArcGIS installation directory>\customizations\<version number>\framework\webapps\arcgis#home\js\arcgisonline\config.js にあります。 このファイルを変更する前に、バックアップ コピーを作成します。
ファイルのプロパティを変更したら、編集内容を適用するためにポータルを再起動し、ブラウザーのキャッシュ (cookie など) を消去して、ポータル Web サイトの変更を確認します。
注意:
パッチのインストール、システムの更新、または、より新しいバージョンへのポータルのアップグレードを行うときに、config.js ファイルがカスタマイズ ディレクトリに保存され、ファイル内で変更したプロパティが維持されます。 組織サイトのメンバーがカスタマイズ ディレクトリを誤って削除した場合の予防策として、config.js ファイルのコピーを保持します。
構成ファイルには、変更してはいけないその他のコードも含まれています。 構成ファイルを開いた場合は、ファイルの変更可能なプロパティが含まれているセクションに移動します。 ポータル構成ファイルの一部のプロパティは自明のことですが、以下ではいくつかのプロパティについて詳細に説明します。 プロパティはアルファベット順に示しています。
構成ファイル内のプロパティ
extentService - ポータル Web サイトの [範囲の設定] ダイアログ ボックスで、Web マップ アイテムの範囲を更新または設定するために使用されるサービスです。 デフォルトは、「http://services.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/World_Street_Map/MapServer」です。
footerLinks - このプロパティを使用して、すべてのページ フッターに表示されるリンクを定義できます。 次の例では、複数のページ (組織、利用規約、個人情報保護方針、お問い合わせ、不正使用の報告) へのリンクが表示されます。
footerLinks: [{ title: "Organization", url: "http://www.myorganiz.com" }, { title: "Terms of Use", url: "http://www.myorganiz.com/legal/licensing/termsofuse.html" }, { title: "Privacy", url: "http://www.myorganiz.com/legal/privacy.html" }, { title: "Contact Us", email: "feedback@myorganiz.com", type: "contactUs" }, { title: "Report Abuse", email: "feedback@myorganiz.com", type: "reportAbuse" }],
gcsBasemapService - Web メルカトル座標系をサポートしない OGC WMS サービスのベースマップとして使用されるサービスです。 デフォルトは、http://services.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/ESRI_Imagery_World_2D/MapServer です。
httpsDomains - このプロパティを使用してフェデレーション サーバーをリストすると、Map Viewerは、Web マップ内のフェデレーション サーバーのサービスを HTTP から HTTPS に切り替えることができます。 これは、Map Viewerでの混在コンテンツの問題を回避するのに役立ちます。 形式 ["arcgis.com","arcgisonline.com","server.domain.com"] を使用します。
longTokenExpiration - ユーザーがポータル Web サイトにサイン インするときに [サイン インを保持する] を選択している場合、デフォルトの有効期限が 20,160 分 (14 日) のトークンが生成されます。 サイン インするときに [サイン インを保持する] オプションを選択しなかった場合、tokenExpiration の時間の方が、このプロパティで定義された時間より優先されます。
restrictOrganizationPageToAdmin - [組織] ページがポータルのメンバーに表示されるかどうかを示します。 デフォルトは、false です。つまり、[組織] ページは、ポータルのすべてのメンバーに表示されます。 デフォルトの管理者ロールを持つメンバー以外のすべてのユーザーに対して [組織] ページを非表示にするには、「true」と指定します。
searchArcGISOnlineEnabled - このプロパティを使用して、ポータルの Map Viewer から ArcGIS Online 内のレイヤーを検索するオプションを有効にできます。 デフォルト値は true です。 これを無効にすると、ArcGIS Online のレイヤーを検索するオプションが、Map Viewer の [レイヤーの検索] ダイアログ ボックスに表示されなくなります。 ポータルから ArcGIS Online 内のレイヤーを検索するオプションを無効にするには、「false」と指定します。
showCreateDashboard - ポータルで ArcGIS Dashboards にアクセスできるかどうかを示します。 デフォルト値は true です。 ポータルで Dashboards を無効にするには、「false」と指定します。 無効にすると、Dashboards は、Map Viewer の [共有] ダイアログ ボックス、アイテム詳細ページの [Web アプリの作成] オプション、[コンテンツ] ページの [マイ コンテンツ] タブの [アプリの作成] オプションに表示されなくなります。
showInAppLauncher - このプロパティを使用して、アプリ ランチャーに表示する Esri アプリケーションをリストします。エントリはカンマで区切られます。 デフォルトの文字列は ["ArcGIS Dashboards","ArcGIS Enterprise Sites","Track Viewer","Ortho Maker","ArcGIS Workforce","ArcGIS QuickCapture Web Designer","ArcGIS StoryMaps","ArcGIS Experience Builder","ArcGIS Field Maps"] です。 これらのアプリのいずれかを、リストおよびアプリ ランチャーから削除できます。
tokenExpiration - ユーザーがポータル Web サイトにサイン インするとき、デフォルトの有効期限が 120 分 (2 時間) のトークンが生成されます。 サイン インするときに [サイン インを保持する] オプションを選択した場合、longTokenExpiration の時間の方が、このプロパティで定義された時間より優先されます。
sceneViewerEnabled - ポータルで Scene Viewer にアクセスできるかどうかを示します。 デフォルト値は true です。 無効にすると、Scene Viewer のオプションは、ポータルのすべてのダイアログ ボックスおよびリボンに表示されなくなります。 ポータルでScene Viewerを無効にするには、「false」と指定します。
webAppBuilderEnabled - ポータルで ArcGIS Web AppBuilder にアクセスできるかどうかを示します。 デフォルト値は true です。 無効にすると、Web AppBuilder は、Map Viewer の [共有] ダイアログ ボックスと、[コンテンツ] ページの [マイ コンテンツ] タブの [アプリの作成] オプションに表示されなくなります。 ポータルで ArcGIS Web AppBuilder を無効にするには、「false」と指定します。
注意:
10.8 以降のバージョンでは、ポータルの組織設定で情報バナーを構成できます。情報バナーは、構成ファイル内の classificationBanner プロパティを設定するためのワークフローを置き換えます。