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Ortho Maker の概要

Ortho Maker は、ドローンからの画像を使用してオルソ画像モザイクおよびテレイン サーフェス プロダクトを作成するための ArcGIS Enterprise の Web アプリです。 これらのマッピング プロダクトは、プロジェクトの次の 3 つのステップを通じてユーザーを導くガイド付きのワークフローを使用して作成されます。

  1. プロジェクトの設定
  2. ブロック調整
  3. プロダクトの生成

Ortho Maker は、Enterprise および ArcGIS Image Server を利用して処理を実行します。 オルソ メーカーは、Enterprise および ArcGIS Image Server の分散処理および分散ストレージ機能を使用して、ドローンによって収集された数百または数千の画像をすばやく処理し、シームレスなオルソ画像モザイク、数値表層モデル (DSM)、および数値テレイン モデル (DTM) を作成します。 付加価値の高いプロダクトには、植生の被覆および相対的健康状態を解析するための可視大気抵抗植生指数 (VARI) マップ、適合性解析のため、または開発および自然なフィーチャに対する地形の影響を評価するための傾斜角および傾斜方向サーフェス マップなどがあります。 画像バンド算術演算子に基づくカスタム プロダクトを作成するためのオプション、市街地指標、湿度指標、および画像解析のその他の種類の指標などの指標を作成するためのオプションがあります。

Ortho Maker Web アプリのタスクはプロジェクトとして管理され、このプロジェクトは、プロジェクト内で定義されたオルソ画像モザイク コンポーネントを管理および追跡します。 [プロジェクト] は、プロジェクトのすべての入力、画像のフットプリントやブロック調整レポートなどの補助データ、画像コレクションなどの中間プロダクト、クイック ブロック調整の結果、最終的なプロダクト、および処理の各段階でのステータスを含んでいます。 新しいプロジェクトを作成することができ、または既存のプロジェクト テンプレートを使用して、特定のジョブの要件を満たすように編集することができます。

Ortho Maker の利点

Ortho Maker を使用して、ドローン画像を簡単にアップロードして処理することができます。 ドローン画像処理の経験がない場合は、デフォルトの Ortho Maker 設定および写真測量パラメーターのわずかな知識を使用して、正確なプロダクトを簡単に作成できます。 高度なドローン ユーザーの場合は、Ortho Maker を使用して、必要性を満たすように処理パラメーターを微調整することができます。 Ortho Maker は、ドローン画像処理プロジェクトを完成させるための多くの操作上のメリットを提供します。

  • ドローン画像のコレクションをアップロードし、それらを処理して正確なオルソ画像およびデジタル標高モデルを作成できます。
  • 付加価値の高い VARI プロダクト、傾斜角プロダクト、傾斜方向プロダクト、および陰影起伏プロダクトを簡単に作成できます。
  • Enterprise ArcGIS Enterprise の配置を使用した強力な分散処理および分散ストレージ。
  • ガイド付きのワークフローが、プロジェクト設定およびプロダクトの処理を簡単にします。
  • ドローン画像のコレクションを確認し、不要な画像を削除することができます。
  • 写真測量の経験が少なくても、ドローン画像を処理できます。
  • 地上コントロール ポイントをアップロードして管理し、処理結果の精度をさらに改善することができます。
  • ドローン画像処理の経験がある場合は、処理パラメーターを微調整できます。
  • 詳細な処理レポートを確認し、共有することができます。
  • ストーリー マップ、ArcGIS ProArcGIS Image Server の分散解析などの、他の ArcGIS ソフトウェアで使用するために、結果を共有できます。

正確なオルソ画像マップの作成

オルソ画像マップは、オルソ幾何補正と呼ばれるプロセスでセンサーおよび地形図の歪みを除去するために、収集された一連の空中画像から構築されます。 各画像の位置が既知の精度まで補正された後に、これらの画像は一緒にモザイク処理されます。 生成されたオルソ画像マップのモザイクをベースマップとして使用してフィーチャを補正および計測することができ、標準的な画像処理手法を使用して情報を解析および取得することができます。

オルソ幾何補正は、画像におけるシステム的な地形図の歪みの補正に使用される写真測量モデルおよび必要なサーフェス モデルを作成するために、ステレオ画像と呼ばれるオーバーラップしている画像を使用した写真測量手法を採用しています。 オーバーラップしている画像のブロックまたはセットが、オーバーラップのエリア内のタイ ポイントおよびプロジェクト エリア全体の地上コントロール ポイントを使用して調整されます。 オーバーラップしているステレオ画像間のタイ ポイントは自動的に計算されますが、地上コントロール ポイントは通常、地上の調査から提供され、場合によっては既存のオルソ画像から作成されます。 オルソ幾何補正処理の詳細については、「オルソ マッピングの概要」をご参照ください。

Ortho Maker は、プロジェクトの設定と管理、ブロック調整、およびオルソ マッピング プロダクトの処理のために、効率的なガイド付きのワークフローで厳密な写真測量プロセスを採用しています。 このプロジェクト管理および洗練された処理は、分散処理および分散ストレージのために ArcGIS Image Server を使用する ArcGIS Enterprise の配置 (構成によってはクラウド内の配置を含む) で、バックグランドで実行されます。 Ortho Maker プロジェクト マネージャーは、すべての入力を整理し、それらが包含および使用に関する最低限の基準を満たすことを確認し、基準に従って必要なブロック調整を促進し、プロジェクト設定で指定したプロダクトを生成します。 調整ソリューションおよび精度レポートが、確認のために生成されます。

の [プロダクト] ウィンドウおよびビューアー

プロダクトは、組織全体の関係者と共有するために、サービスとして自動的に公開されます。 プロダクトは、ポータルの Map Viewer Classic で開くことができ、Map Viewer Classic で提供されているすべてのツールおよび機能を使用して、さらに解析することができます。

プロダクトを開いて Web

Ortho Maker のプロダクトは、ArcGIS ProArcGIS Image Server の分散解析、および ArcGIS Online で使用できます。 たとえば、Ortho Maker で生成された DSM およびカラー赤外オルソ モザイク サービスに基づいて、ArcGIS Pro で計算負荷の高い水文解析モデリング処理チェーンおよびセグメンテーションと分類のチェーンを構築してテストすることができ、その後、ArcGIS Image Server の分散解析配置を使用して、クラウド内の複数のインスタンスに処理を分散することができます。

Ortho Maker は、ArcGIS エコシステム内の役立つアプリであり、ArcGIS の異なる部分のシームレスな統合を利用します。 メリットとしては、スケーラブルな分散処理および分散ストレージ、直感的で簡略化されたワークフロー、ArcGIS ソフトウェアとの緊密な統合などがあり、相互運用を可能にしてプロジェクトの要件に完全に対処します。

3 つのステップの設定

Ortho Maker のガイド付きのワークフローは、プロジェクト設定およびプロダクトの処理を 3 つのステップに単純化して効率化します。

プロジェクトの設定

Ortho Maker のワークフローの最初のステップは、プロジェクトの設定です。 このステップでは、ドローン画像および関連するメタデータ ファイルを含んでいるフォルダーを識別し、その後、これらを確認します。 次に、プロジェクト設定フォームに入力して、プロジェクトの名前および説明を割り当て、処理ワークフローを選択します。

この処理ワークフローは、プロジェクト エリアの適切なカバレッジが存在することを確認するために、画像コレクションのカバレッジ マップを生成します。 必要に応じて、クイック調整を実行し、最終的なプロダクトの精度がプロジェクトの精度要件を満たしているか、上回っていることを推定できます。 その後、完全なブロック調整を実行し、最終的な精度を確認し、可能なプロダクトのいずれかまたはすべてを生成します。

プロジェクト設定ページでは、クイック調整または完全な調整を実行するための設定およびプロダクト生成パラメーターを定義できます。 デフォルト設定は、通常は、ほとんどのプロジェクトおよびアプリケーションで高品質なプロダクトを生成するのに十分です。 経験豊富なユーザーである場合、または独自のプロジェクト要件が存在する場合、オルソ画像間のシームライン生成、カラー調整パラメーター、メートル単位での出力ピクセル サイズ (GSD) の定義などの、[オルソ モザイク] プロダクト生成用のさまざまな設定を定義できます。 サーフェス プロダクトの場合、地表面を生成し、市街地エリア (サーフェスの一部として建物または樹木を検出するための最大サイズ) 内の地表フィーチャを検出し、地表間隔およびピクセル サイズを定義するために、ポイント クラウド マッチング メソッドを定義できます。

プロジェクト設定を保存して、プロジェクト テンプレートを作成できます。 プロジェクト テンプレートをインポートして編集し、現在のプロジェクトまたはその他のプロジェクトに使用することができます。

ブロック調整計算 (Compute Block Adjustment)

調整ステップには、[クイック調整の実行] または [完全な調整の実行] という 2 つのオプションが含まれています。 クイック調整は、予備的な品質保証の目的で、低い解像度で画像に対してブロック調整を計算します。

オーバーラップしている画像間のタイ ポイントを生成するために、初期ブロック調整を計算し、調整レポートを生成することができます。 初期ブロック調整を計算した後に、地上コントロール ポイント (GCP) を追加して改善することができます。 GCP は、地上の調査から取得するか、ファイルからインポートすることができます。 GCP (添付ファイルとしての GCP 写真) を含んでいるフィーチャ サービスがある場合、それらの GCP をフィーチャ サービスからインポートできます。 GCP は、既知の精度を持つマップまたは既存のオルソ画像ベースマップから追加することもできます。

GCP をベースマップから追加する場合は、コントロール ポイント コレクション インターフェイスを使用して、ベースマップ上のポイント、およびベースマップ上のポイントをカバーしている任意の数の画像上の対応するポイントを選択できます。 収集したコントロール ポイントのいずれかを、ブロック調整の計算に使用される GCP として、またはオルソ画像の精度を評価するためのチェックポイントとして割り当てることができます。

画像上の GCP を読み込んで識別した後に、ブロック調整が再計算されます。 修正されたブロック調整は、初期調整から作成されたタイ ポイントが効率化のために使用されるため、すばやく実行されます。

プロダクトの生成

ワークフローの 3 番目のステップは、Ortho Maker を使用した写真測量プロダクトの生成です。 これらのプロダクトは、オルソ画像モザイク、DSM サーフェス プロダクト、および DTM サーフェス プロダクトを含み、精度評価レポートを備えています。 これらの各プロダクトに関連付けられた処理パラメーターは、プロジェクトの要件を満たすように編集または調整することができ、更新された設定を使用して各プロダクトを再生成することができます。

  • NDVI などのその他の派生プロダクトを、オルソ画像マップ、傾斜角マップ、傾斜方向マップ、および陰影起伏マップから生成することができ、サービス レイヤーをサーフェス プロダクトから生成できます。
  • プロダクト生成プロセスの一部として、プロダクトは ArcGIS Enterprise ラスター データ ストアで自動的に公開され、組織サイトのメンバーの認証および権限に従って、プロダクトをそれらのメンバーと共有することができます。
  • プロダクトは、ラスター解析用に構成された EnterpriseArcGIS Pro、および Map Viewer Classic クライアントで、さらに解析および処理することができます。

サマリー

Ortho Maker は、プロダクト環境でドローン画像を処理するための効率的なアプリです。 Ortho Maker は、プロジェクト設定、ブロック調整、およびプロダクト生成をガイドして、オルソ画像モザイク、DSM プロダクト、および DTM プロダクトを生成します。 生成されたプロダクトは、自動的に公開されて組織サイトのメンバーと共有され、ArcGIS Pro および ArcGIS Online でさらに処理および解析するのに適しています。