傾斜角の計算ツールは、標高データを使用し、傾斜角を表示するサーフェスを生成します。 傾斜角は、数値標高モデル (DEM) におけるセル間の高さの変化率を指します。
注意:
このツールを実行するには、ラスター解析用にポータルを構成する必要があります。
このツールが Map Viewer Classic に表示されない場合は、組織の管理者に問い合わせてください。 お使いのポータルがラスター解析用に構成されていないか、ユーザーに、このツールを実行するのに必要な権限がないことが考えられます。
ワークフロー図
例
- 標高データセットをもとに、傾斜角の値が最小のエリアを特定して新しい建設地を決定します。
- 標高データセットをもとに、傾斜角の値がマウンテン ライオンの生息地の適合性範囲内にあるエリアを特定します。
使用上の注意
このツールは、3 X 3 のセル移動ウィンドウを使用して、データを処理します。 処理するセルが NoData の場合、その位置の出力は NoData になります。
このツールでは、処理するセルに隣接した 8 つのセルのうち、少なくとも 7 つが有効な値を持つ必要があります。 有効なセルの数が 7 未満である場合、計算は実行されず、その処理セルの出力は NoData になります。
出力ラスターの最も外側のロウとカラムにあるセルは NoData になります。 これは、これらのセルが、入力データセットの境界沿いにあり、必要なだけの有効な隣接セルに囲まれていないためです。
入力ラスターをリサンプリングする必要がある場合は、共一次内挿法を使用します。 入力ラスターをリサンプリングする例としては、出力座標系、範囲、またはセル サイズが入力と異なる場合があります。
入力ラスターにサンプリング エラーによって発生した望ましくないノイズが含まれている場合、このツールを実行する前に統計ラスター関数の平均オプションのようなローパス フィルターを使用することでラスターを滑らかにすることも考えられます。
標高の単位をメートルからフィートに変換するには、縮尺係数を 3.28084 に設定します。 標高の単位をフィートからメートルに変換するには、縮尺係数を 0.3048 に設定します。
[現在のマップ範囲を使用] がオンの場合、現在のマップ範囲に表示されるピクセルだけが解析されます。 オフの場合は、入力イメージ レイヤー全体が解析されます。
次の表に、このツールのパラメーターを示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
傾斜角を計算する入力データの選択 | 傾斜角の計算の基準となる標高入力。 |
標高のスケール ファクターの指定 | スケール ファクターを入力します。 この値は、標高の値を変換する際に次の 2 つの目的に使用されます。
入力標高データ値を保持するには係数を 1 に設定します。 |
結果レイヤー名 | [マイ コンテンツ] に作成され、マップに追加されるレイヤーの名前。 デフォルトの名前は、ツール名と入力レイヤー名に基づいて設定されます。 レイヤーがすでに存在する場合は、別の名前を指定するよう求められます。 [出力の保存場所] ドロップダウン ボックスを使用して、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定できます。 |
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 このツールの解析環境設定にアクセスするには、ツール パネルの上部にある歯車 アイコンをクリックします。
このツールでは次の [解析環境] が適用されます。
- 出力座標系 - 出力レイヤーの座標系を指定します。
- 範囲 - 解析に使用するエリアを指定します。
- スナップ対象ラスター - 指定したスナップ対象ラスター レイヤーのセルの配置に一致するように、出力の範囲を調整します。
- セル サイズ - 出力レイヤーで使用するセル サイズ。
- マスク - マスク レイヤーを指定します。このレイヤーでは、マスク エリアの範囲内にあるセルのみが解析に使用されます。
- リサンプリング方法 - ピクセル値の内挿に使用する方法。
- 処理ワーカーのリサイクル間隔 - ワーカー プロセスを再開する前に処理するイメージ セクションの数を定義します。
- 並列処理ファクター - ラスター処理 CPU または GPU インスタンスを制御します。
- 失敗したときの再試行回数 - ジョブの処理中にランダムな障害が発生した場合に、ワーカー プロセスが再試行される回数を定義します。
類似のツールとラスター関数
傾斜角の計算ツールを使用し、サーフェスの傾斜角を生成します。 その他のツールは、類似した問題を解決するのに効果的です。
Map Viewer Classic 解析ツールとラスター関数
傾斜方向の取得ツールを使用し、下りの傾斜角の方向を計算します。
傾斜角または傾斜方向-傾斜角ラスター関数を使用し、傾斜方向の取得ツールに似た操作を実行します。 この関数を他の関数と組み合わせることで、カスタム ワークフローを作成できます。
ArcGIS Pro 解析ツールとラスター関数
[傾斜角 (Slope)] ジオプロセシング ツールと [サーフェス パラメーター (Surface Parameters)] ジオプロセシング ツールは、Spatial Analyst ツールボックスと 3D Analyst ツールボックスで使用でき、高度な解析を実行できます。 サーフェス ツールセットの他のツールは、標高データを使用してサーフェス操作を実行します。
ArcGIS Enterprise 開発者向けリソース
ArcGIS API for Python で作業を行っている場合は、arcgis.raster.functions モジュールの slope を使用します。