Image Server で利用可
測地線可視領域ツールでは、入力観測点位置に表示されるラスター サーフェスの位置を特定します。
出力はホスト イメージ レイヤーです。
注意:
測地線可視領域は以前まで Map Viewer Classic で可視領域の作成と呼ばれていました。
例
ある GIS アナリストが提案された風力タービンの視覚的影響を評価したいと考えています。 このツールでは、風力タービンの最上部の入力観測点と入力標高サーフェスを使用して、風力タービンから見えるエリアを表す可視領域出力を作成します。
使用上の注意
測地線可視領域には、入力レイヤー、可視領域の設定、結果レイヤーの構成が含まれます。
入力レイヤー
[入力レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
[入力標高サーフェス] では、可視領域の計算に使用する標高ラスターを指定します。
入力サーフェスの鉛直単位が水平単位と異なる場合 (標高値がフィート単位であり、座標系がメートル単位である場合など)、そのサーフェスの鉛直座標系を定義しておく必要があります。 これは、このツールでは可視領域解析の Z 係数の計算に鉛直 (Z) 単位と水平 (X、Y) 単位が使用されるためです。 鉛直座標系が定義されていないと、Z 単位の情報を取得できないため、Z 単位が X、Y 単位と同じであると判断します。 この場合には、内部 Z 係数 1.0 が解析に使用されるので、予期しない結果が生成される可能性があります。
標高サーフェスのデータ タイプは、整数または浮動少数点にすることができます。
[入力観測ポイントまたはライン フィーチャ] では、可視領域の計算に使用する観測点位置を指定します。[レイヤー] ボタンを使用してレイヤーを選択するか、[入力フィーチャの描画] ボタンを使用して、入力として使用するスケッチ レイヤーを作成することができます。
最大表示距離や観測点の高度など、観測点のさまざまなプロパティを定義する属性フィールドを入力フィーチャに含めることができます。
可視領域の設定
[可視領域の設定] グループには次のパラメーターがあります。
[最適化の対象] では、可視領域の計算に使用する最適化方法を指定します。
[速度]: パフォーマンス向上のため、正確度に対して処理速度が最適化されます。
[正確度]: 処理速度に対して結果の正確度が最適化されます。 これがデフォルトです。
[垂直誤差] は、入力標高サーフェスの標高値の不確実性の量を指定します。
[屈折係数] は、大気中での可視光線の屈折係数を指定します。
[観測点パラメーター] グループには次のパラメーターがあります。
[最大可視距離] は、可視領域の計算をどこまで行うかの距離を指定します。 この距離を超えると、観測点と他のオブジェクトが互いに見ることができるかどうかがわからなくなります。 次のようなオプションがあります。
[値]: 指定した距離単位値が使用されます。 これがデフォルトです。
[フィールド]: 指定したフィールドの値が使用されます。 フィールドのタイプとして数値か文字列を使用できます。
観測点パラメーターに指定されたフィールドには、数値と単位で構成された文字列を入力することができます。 たとえば、最大可視距離で文字列フィールドを指定すると、15 キロメートルのような値を含めることができます。
最大可視距離が増えると計算時間も長くなります。 最大可視距離が指定されていない限り、入力標高サーフェスの解像度と範囲に基づいてデフォルトの最大距離が算出されます。
このパラメーターは、特定の現象をモデル化する際に役立ちます。 たとえば、可視領域の範囲を制限することで、薄霧などの気象条件をモデル化できます。 同様に、可視領域の範囲を制限すると、薄暗さの効果によく似た効果を使用して時間帯を管理することもできます。
[最小可視距離] は、可視領域の計算を開始する距離を指定します。 この距離よりも近くにあるサーフェス上のセルは出力に表示されませんが、最小可視距離と最大可視距離の間にあるセルの可視領域をブロックできます。 次のようなオプションがあります。
[値]: 指定した距離単位値が使用されます。 これがデフォルトです。
[フィールド]: 指定したフィールドの値が使用されます。 フィールドのタイプとして数値か文字列を使用できます。
観測点パラメーターに指定されたフィールドには、数値と単位で構成された文字列を入力することができます。 たとえば、最小可視距離で文字列フィールドを指定すると、5 キロメートルのような値を含めることができます。
このパラメーターは、観測点から一定の距離にある可視解析領域を管理する際に役立ちます。 たとえば、建物の最上階から遠く離れた公園までの可視領域を評価する場合は、対象外の領域のすぐ近くにある領域を除外するように最小可視距離を設定できます。 これにより、処理速度も速くなります。
[3D 可視距離] では、最小可視距離パラメーターと最大可視距離パラメーターを 3D 距離と 2D 距離のどちらで計測するかを指定します。 次のようなオプションがあります。
[オン] - 可視距離は 3D 距離として扱われます。
[オフ] - 可視距離は 2D 距離として扱われます。 これがデフォルトです。
2D 距離は、海面と同じ高さの投影位置を使用して観測点と対象の間で計測される単純な直線距離です。 3D 距離は、相対的な高さが考慮されるため、より現実的な値になります。
[観測位置の標高] は、観測点の位置のサーフェス標高を指定します。 次のようなオプションがあります。
[値]: 指定した距離単位値が使用されます。 これがデフォルトの方法です。
[フィールド]: 指定したフィールドの値が使用されます。 フィールドのタイプとして数値か文字列を使用できます。
観測点パラメーターに指定されたフィールドには、数値と単位で構成された文字列を入力することができます。 たとえば、観測位置の標高で文字列フィールドを指定した場合、1500 メートルのような値を含めることができます。
このパラメーターを指定しなかった場合、観測点の標高は共一次内挿法を使用して入力標高サーフェスから取得されます。 数値フィールドを指定する際には、そのフィールドに含まれる値を入力標高サーフェスの Z 単位と同じ単位にする必要があります。
[観測点の高度] では、観測位置の地表からの高さを指定します。 次のようなオプションがあります。
[値]: 指定した距離単位値が使用されます。 これがデフォルトです。
[フィールド]: 指定したフィールドの値が使用されます。 フィールドのタイプとして数値か文字列を使用できます。
たとえば、ビルなどの高い場所から見る場合はビルの高さを入力します。
観測点パラメーターに指定されたフィールドには、数値と単位で構成された文字列を入力することができます。 たとえば、観測点の高度で文字列フィールドを指定した場合、10 メートルのような値を含めることができます。
[目標点の高度] では、可視領域を確定する、地表からの目標点の高度を指定します。 次のようなオプションがあります。
[値]: 指定した距離単位値が使用されます。 これがデフォルトです。
[フィールド]: 指定したフィールドの値が使用されます。 フィールドのタイプとして数値か文字列を使用できます。
たとえば、入力ポイントが風力タービンを表しており、地上に立っている人からこれらの風力タービンを見ることができる場所を特定する場合は、人の平均的な身長 (約 6 フィート) を入力します。
観測点パラメーターに指定されたフィールドには、数値と単位で構成された文字列を入力することができます。 たとえば、目標点の高度で文字列フィールドを指定した場合、6 メートルのような値を含めることができます。
[方位角始点] は、水平方向のスキャン範囲の開始角度を指定します。 0° ~ 360° の角度を指定でき、0 度は北を向きます。 次のようなオプションがあります。
[値] - 指定した値が使用されます。 正の整数または浮動小数点数でなければなりません。デフォルト値は 0 度です。 これがデフォルトです。
[フィールド] - [入力観測ポイントまたはライン フィーチャ] 値に指定されたフィールドの値が使用されます。
[方位角終点] は、水平方向のスキャン範囲の終了角度を指定します。 0° ~ 360° の角度を指定でき、0 度は北を向きます。 次のようなオプションがあります。
[値] - 指定した値が使用されます。 正の整数または浮動小数点数でなければなりません。デフォルト値は 360 度です。 これがデフォルトです。
[フィールド] - [入力観測ポイントまたはライン フィーチャ] 値に指定されたフィールドの値が使用されます。
[仰角] は、水平面に対してスキャンするときの仰角の上限を指定します。 -90 〜 90 度の角度を指定できます。90 度は真上を向き、-90 度は真下を向きます。 次のようなオプションがあります。
[値] - 指定した値が使用されます。 整数または浮動小数点数でなければなりません。デフォルト値は 90 度です。 これがデフォルトです。
[フィールド] - [入力観測ポイントまたはライン フィーチャ] 値に指定されたフィールドの値が使用されます。
[俯角] は、水平面に対してスキャンするときの俯角の上限を指定します。 -90 〜 90 度の角度を指定できます。90 度は真上を向き、-90 度は真下を向きます。 次のようなオプションがあります。
[値] - 指定した値が使用されます。 整数または浮動小数点数を使用できます。デフォルト値は -90 度です。 これがデフォルトです。
[フィールド] - [入力観測ポイントまたはライン フィーチャ] 値に指定されたフィールドの値が使用されます。
結果レイヤー
[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
[出力可視領域ラスター名] では、可視領域結果を含む出力ラスターの名前を指定します。
名前は、一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
[オプションのレイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
[出力地上レベル ラスター名] では、地上レベル (AGL) 結果を含むオプションの出力ラスターの名前を指定します。
名前は、一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
- [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。
このツールでは次の解析環境が適用されます。
出力
このツールには次の出力があります。
- [出力可視領域ラスター名] には、各セルの位置がわかる観測点の数字が格納されます。
- [出力地上レベル ラスター名] レイヤーには各セルの AGL 結果が格納されます。AGL 結果は、高さを追加しなかったら見えないセルが 1 つ以上の観測点から見えるようにするためにセルに追加する必要がある最小の高さです。 この出力ラスターでは、見通せるセルには値 0 が割り当てられます。
使用法の要件
このツールには、次のライセンスと構成が必要です。
- Creator または GIS Professional ユーザー タイプ
- 公開者もしくは管理者ロール、またはそれと同等のカスタム ロール
- ArcGIS Image Server がラスター解析ツール用に構成済み
リソース
詳細については、次のリソースをご参照ください。
- 測地線可視領域の仕組み
- ArcGIS REST API の可視領域の作成
- ArcGIS API for Python の create_viewshed
- Raster Analytics エクステンション付き ArcGIS Pro の可視領域の作成
- Spatial Analyst エクステンション付き ArcGIS Pro の測地線可視領域