ArcGIS 10.4.1 for Server セットアップ パッケージでは、お使いの Linux システムに現在インストールされている 10.1 以降のバージョンをアップグレードできます。そのための手順は次のとおりです。
注意:
アップグレード プロセスにより、すべての ArcGIS Server サービスは再起動されます。アップグレード中は ArcGIS Server サイトをオフラインにすることを検討してください。
ArcGIS Server サイトをアップグレードする前に、使用しているデータベースが、アップグレード後の ArcGIS Server バージョンでサポートされていることを確認します。詳細については、「IBM DB2 データベース要件」など、関連する「リレーショナル データベース管理システムの要件」トピックをご参照ください。
ArcGIS Data Store と一緒に ArcGIS Server を使用している場合は、必ず ArcGIS Server をアップグレードしてから ArcGIS Data Store をアップグレードするようにしてください。
アップグレードする前にサイトをバックアップする手順については、「ArcGIS Server のサイト構成のバックアップと復元」をご参照ください。アップグレード後のサイトにバックアップは使用できないので注意してください。バックアップは、前のバージョンにロールバックする必要がある場合に、以前のバージョンのサイトを復元するためにのみ使用できます。
サイトが読み取り専用モードの場合、サイトモードは、アップグレード時に編集可能に設定されます。サイトのすべてのコンピューターが正常にアップグレードされた後も、サイトは編集可能モードのままになります。アップグレードが完了したら、再び読み取り専用モードに切り替えることができます。
単一コンピューターのサイト
単一コンピューターの ArcGIS Server サイトを使用している場合は、以下の手順に従って、GIS サーバーをバージョン 10.4.1 にアップグレードします。
複数台のコンピューターのサイト
複数コンピューターの ArcGIS Server サイトを使用している場合は、サイトの各 GIS サーバーをバージョン 10.4.1 にアップグレードする必要があります。各 GIS サーバーを連続してアップグレードすることをお勧めします。つまり、最初の GIS サーバーがアップグレードされてから、次の GIS サーバーにアップグレードを適用します。サイト内の各 GIS サーバーのバージョン番号を同じにして、完全に同じライセンスを各サーバーに適用する必要があります。以下の手順を繰り返して、各 GIS サーバーをバージョン 10.4.1 にアップグレードします。
ArcGIS for Server のアップグレード
コマンド プロンプトから、既存の以前のバージョンをインストールしたときと同じユーザーで ArcGIS 10.4.1 for Server セットアップ スクリプトを起動します。たとえば、<CD ROOT または untar ディレクトリ>/Setup のようになります。このスクリプトを起動する前に、ArcGIS Server を停止する必要はありません。
ヒント:
ArcGIS 10.4.1 for Server セットアップ メディアからセットアップ スクリプトを起動するには、セットアップ スクリプトをクリックして、[ターミナルで実行] ボタンを選択します。
セットアップがインストール先のコンピューターで既存の以前のバージョンの ArcGIS for Server を検出すると、続行するかアップグレードを終了するかを確認するプロンプトが表示されます。以下に例を示します。
========================================================================= ArcGIS 10.4.1 for Server (Linux) ========================================================================= Your ArcGIS 10.3 for Server is installed at: /home/ags/arcgis/server Confirm Settings ========================================================================= Product to upgrade: ArcGIS 10.3 for Server (Linux) Location to upgrade: /home/ags/arcgis/server Your ArcGIS 10.3 for Server will be stopped when performing the upgrade and ArcGIS 10.4.1 for Server will be started after the upgrade completes. 'y' to continue with these settings 'q' to exit without upgrading this product Enter choice [y,q] (y):
「y」と入力して Enter を押すと、検出された設定を適用してアップデートを続行します。
注意:
ArcGIS for Server が 10.4.1 にアップグレードされるまでしばらくお待ちください。これには、数分かかる場合があります。
インストールが完了すると、ArcGIS Server Manager は自動的に起動します。ArcGIS Server を再認証したり、ArcGIS Server Manager を構成する必要はありません。
複数コンピューターの ArcGIS Server サイトを使用している場合は、サイトの残りの GIS サーバーで上記の手順を繰り返します。
ArcGIS Web Adaptor をサイトと連携するように構成した場合は、10.4.1 もインストールする必要があります。詳細な手順については、該当する ArcGIS Web Adaptor をご参照ください。
- ArcGIS 10.4.1 Web Adaptor (IIS) のインストール
- Windows での ArcGIS 10.4.1 Web Adaptor (Java Platform) のインストール
- Linux での ArcGIS 10.4.1 Web Adaptor (Java Platform) のインストール
既存のサービスで使用されている登録済みデータベース接続と管理されたデータベース接続のパスワードを更新できるようにする場合は、次のセクションの記載に従って ExternalizeConnectionStrings.so コマンド ユーティリティを実行します。
サービスを更新してパスワードの変更を可能にする
GIS サービスでは、データにアクセスする際に、GIS サーバーの登録済みデータベースと管理されたデータベースの認証情報が使用されます。GIS サービスでデータベース ユーザーを使用して登録済みデータベースと管理されたデータベースに接続している場合に、そのユーザーのパスワードが変更されると、GIS サービスからデータにアクセスできなくなります。ArcGIS 10.4 から、新規に公開するサービスで、データベースのパスワードを更新できるようになりました。ただし、ArcGIS 10.3.1 for Server 以前のバージョンを 10.4.1 にアップグレードした際に、データベースへのアクセスにデータベース ユーザーが使用される既存のマップ、フィーチャ、またはイメージ サービスが含まれている場合は、externalizeconnectionstrings.sh コマンド ユーティリティを実行して、これらのサービスを更新する必要があります (パスワードを更新できるようにする場合)。
注意:
externalizeconnectionstrings.sh コマンド ユーティリティを実行すると、データベース接続は更新されますが、パスワードのリセットは既存のジオプロセシング サービスや関連する結果マップ サービスには適用されません。ただし、アップグレードされた GIS サーバーにジオプロセシング サービスを再公開し、該当するタイプの接続を取得して、新しいパスワードを使用するように更新することができます。
- ArcGIS Server サイト内のすべてのコンピューターで ArcGIS Server をアップグレードしたら、ArcGIS Server 管理者として ArcGIS Server Manager にサイン インし、すべての登録済みデータベースの整合チェックを行います。[サイト] > [データ ストア] の順に進み、[すべてを整合チェック] をクリックします。
- 無効な登録済みデータベース接続が存在する場合は、すべて修正します。
- ArcGIS Server インストールの所有者として ArcGIS Server コンピューターのいずれかにログインします。
- コマンド シェルを開き、ディレクトリを <ArcGIS Server installation>/tools/externalizeconnectionstrings に変更します。
- externalizeconnectionstrings.sh を実行します。以下に例を示します。
/usr/arcgis/tools/externalizeconnectionstrings>./externalizeconnectionstrings.sh
これにより、ArcGIS Server サイトで実行されているすべてのサービスのリストが返され、該当するサービスに使用されている接続が更新されたかどうかを示すメッセージが表示されます。