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ジオプロセシング サービスとは

ジオプロセシング サービスとは、ArcGIS の強力な解析機能を WWW (World Wide Web) に公開する手段です。ジオプロセシング サービスにはジオプロセシング タスクが含まれています。タスクは、Web アプリケーションでキャプチャされた単純なデータを取得して処理し、フィーチャ、マップ、レポート、およびファイルの形式で意味のある有用な出力を返します。タスクは、有害化学物質流出時の避難候補地域、次第に激しさを増す台風の予想暴風域と勢力、ユーザーが定義した分水界内の土地被覆と土壌のレポート、土地区画マップと所有権の詳細、下水処理システムの許可申請などを算出することができ、 これらのサービスの可能性は無限にあります。

ジオプロセシング サービスには、1 つ以上のジオプロセシング タスクが含まれています。ジオプロセシング タスクは、サーバー上で実行されるジオプロセシング ツールであり、その実行と出力はサーバーによって管理されます。ジオプロセシングの結果をジオプロセシング サービスとして共有するときは、対応するジオプロセシング タスクが、結果を作成したツールから作成されます。タスクは、サーバー上で動作し、結果を返すルーチンを表すために Web ベースの API (JavaScript など) で使用される用語です。

サービスについて考える有効な方法は、設計、作成、公開 (または共有)、および使用 (または消費) という 4 種類の異なるアクティビティとして見ることです。ジオプロセシング サービスに関するオンライン ヘルプでは、作成、公開、および使用の仕組みについて説明しています。つまり、ArcGIS Desktop と Web プログラミングを使用して、ジオプロセシング サービスおよびそのタスクを作成し、利用する方法です。サービスの設計、つまりサービスが実行する作業、サービスの利便性、サービスがアプリケーションのスイートおよび組織的目標とどのように一致するかについては、このドキュメントでは説明していませんが、このブックのトピック全体を通じて設計に関する多くのヒントとアイデアが得られるはずです。

サービスとタスク、ツールボックス、ツール

ArcGIS Desktop でジオプロセシングを使用した経験があれば、ジオプロセシング サービスをツールボックスとして、タスクをツールボックス内のツールとして考えることができるでしょう。主な違いは、ジオプロセシング サービスのタスクを実行すると、サーバー コンピューターのリソースを使用して、サーバー コンピューター上でタスクが実行されることです。実際には、ArcGIS Desktop でサービスおよびそのタスクを使用することは、ツールボックスおよびそのツールを使用することに極めて似ているため、その違いに気付かない可能性があります。

ツールボックスなどのジオプロセシング サービスは単なるコンテナーであり、処理は実行しません。ただし、結果を対応するマップ サービスで描画するかどうかや、実行モード、プロセスの数、データを書き込む場所など、サービス内ですべてのタスクが継承するサービスのプロパティがあります。

ジオプロセシング サービスとタスクについて検討するときには、サービスとその中のタスクの区別があいまいになりやすく、特にサービス内のタスクが 1 つのみの場合にはその傾向が強くなります。一般的には、サービスとタスクを一緒に扱うのが普通であり、そのようにしても (通常) 混乱することはありません。しかし、このドキュメントでは、サービスとタスクは常に区別して説明しています。

作成、公開、使用

作成

ジオプロセシング タスクを作成するには、通常 ModelBuilder または Python を使用してジオプロセシング ツールを作成します。独自のツールを作成する必要はありません。ArcGIS とともにインストールされている多くのシステム ツールの 1 つを使用することができます。

ジオプロセシング サービスの作成の詳細

公開

作成したツールを公開するには、ArcMapArcGlobe などの ArcGIS Desktop アプリケーションでツールを実行します。ツールを実行すると、[結果] ウィンドウに結果が作成されます。結果を右クリックして、[共有] > [ジオプロセシング サービス] の順に選択し、サービスとサービス内の最初のタスクを定義するステップバイステップのウィザードを開きます。この最初のタスクは、結果を作成したツールと同じです。追加の結果をサービスに追加することができます。結果はそれぞれサービス内のタスクになります。

サービスを公開するには、ArcGIS Server のインストールに管理者としてアクセスする必要があります。

注意:

バージョン 10.4 以降は、管理者のみがジオプロセシング サービスを公開できるようになりました。公開者がジオプロセシング サービスを公開できるようにするには、ArcGIS Server Administrator Directory のサイトのプロパティに allowGPAndExtensionPublishingToPublishers プロパティを追加して、そのプロパティを true に設定します。詳細については、「ジオプロセシング サービスとサービス エクステンションの公開権限の変更」をご参照ください。

ジオプロセシング サービスの公開の詳細

使用

ジオプロセシング サービスとその中のタスクは、Web クライアントによって使用されます。ArcGIS DesktopArcGIS Explorer Desktop はそうした 2 つの Web クライアントです。どちらのクライアントでも、すべてのジオプロセシング サービスにアクセスして使用できます。その際にプログラミングは必要ありません。しかし、主要なクライアントは、JavaScript で開発された Web アプリケーションです。これらの主要なクライアントは、標準的なインターネット ブラウザーかカスタム構築されたアプリケーションを使用して、地理情報の表示と照会を行います。GIS サービスにアクセスできるクライアントには、Web ブラウザー、モバイル アプリケーション、および ArcGIS Engine アプリケーションなどがあります。最も重要な点は、GIS サービスは他の Web リソースと同様、検索可能であることです。上述したクライアントまたは検索エンジンを使用して、GIS リソースを検索し、直ちに使用することができます。

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