ArcGIS (Windows) の AMI (Amazon Machine Image) を使用して GIS Server サイトを作成する場合、以下の Microsoft SQL Server インスタンスのいずれかを含めることができます。
- Amazon Relational Database Service (RDS) for SQL Server
- SQL Server Express Edition
Esri が提供するArcGIS GIS Server 10.6 CloudFormation テンプレートを使用してインスタンスを作成した場合、SQL Server インスタンスには、事前に作成された 2 つのジオデータベース (egdb および geodata) が含まれます。Esri が提供するArcGIS GIS Server 10.6.1 CloudFormation テンプレートを使用する場合、SQL Server インスタンスには、事前に作成された 1 つのジオデータベース (egdb) が含まれます。
10.6 では、egdb ジオデータベースは GIS Server サイトの管理データベースとして登録されます。管理データベースがあるサイトにフィーチャまたは WFS-T サービスを公開すると、マップ ソース データのあるジオデータベースから、egdb ジオデータベースにデータをコピーできます。このデータはサービスによって異なります。フィーチャまたは WFS-T サービスを削除すると、そのデータも egdb ジオデータベースから削除されます。
10.6 で作成した geodata ジオデータベースは、複製されたジオデータベースとして使用することが想定されています。geodata ジオデータベースは GIS Server サイトに登録できます。登録する場合、公開者のデータベース接続 (オンプレミスのエンタープライズ ジオデータベースである公開者のジオデータベース) とは異なるサーバー データベース接続として geodata ジオデータベースを指定して、ジオデータ サービスを作成します。このジオデータ サービスを使用して、オンプレミスのエンタープライズ ジオデータベースから geodata ジオデータベースにデータを複製できます。
複製されたデータを含むフィーチャまたは WFS-T サービスを公開すると、フィーチャ サービスでデータに加えた編集内容をジオデータ サービスと同期して、オンプレミスのエンタープライズ ジオデータベース内のデータを更新できます。同様に、オンプレミスのデータを編集してからジオデータ サービスを使用して、変更内容を geodata ジオデータベース内のデータと同期することができます。
Amazon RDS for SQL Server
Amazon RDS (Relational Database Service) は、いくつかのデータベース メンテナンスに関するタスクを実行します。このため、独自のメンテナンスは不要です。たとえば、RDS インスタンスは自動的にデータベース パッチを適用し、データベースのバックアップを作成します。また、可用性が高まるように設計されており、複数のアベイラビリティー ゾーンで動作 (multi-AZ 配置と呼ばれる) させることができます。
multi-AZ 配置は Amazon RDS インスタンスのデフォルトの配置タイプであるため、ArcGIS Amazon Web Services (AWS) AMI を使って立ち上げた Amazon RDS for SQL Server インスタンスでは、この配置タイプが使用されます。
注意:
multi-AZ 配置は高い可用性を提供するため、Amazon では、運用システムに multi-AZ 配置を使用することを推奨しています。ただし、これらの配置は 1 時間あたりの利用とストレージに対するコストが他の配置よりも高くなることに注意してください。詳細については、Amazon の価格ガイドをご参照ください。
AWS 上の GIS Server サイトで Amazon RDS for SQL Server インスタンスを使用する際、Amazon RDS for SQL Server インスタンスは常に GIS Server サイト インスタンスと分離されます。
SQL Server RDS インスタンスは、オペレーティング システム認証ログインをサポートしません。Esri が提供するArcGIS GIS Server CloudFormation テンプレートを使用してサイトを作成した場合、2 つの SQL Server ログインとデータベース ユーザーが作成されます。
- EsriRDSAdmin: EsriRDSAdmin ユーザーは、データベースと sde ユーザーを作成する RDS マスター ユーザーです。また、EsriRDSAdmin は、フィーチャ サービスの公開時に EGDBHOST にコピーされるデータを所有します。ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services は、ArcGIS Server サイト管理者に設定したパスワードと同じになるように、このアカウントのパスワードを設定します。
- Sde: sde ユーザーは、ジオデータベース システム オブジェクトを所有します。ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services は、ArcGIS Server サイト管理者に設定したパスワードと同じになるように、このアカウントのパスワードを設定します。
Esri の CloudFormation テンプレートを使用して作成された SQL Server RDS インスタンスは、デフォルトではミラーリングが有効化されません。この機能が必要な場合は、手動で有効化する必要があります。
AWS Management Console を使用してサイトを作成し、SQL Server RDS をデータの格納に使用する場合、以下を実行してジオデータベースをセットアップする必要があります。
- SQL Server Management Studio または TSQL を使用してデータベースを作成します。
- SQL Server Management Studio または TSQL を使用して、sde ログイン、データベース ユーザー、およびスキーマを作成します。
- SQL Server Management Studio または TSQL を使用して、ジオデータベースを作成するのに十分な権限を sde ユーザーに付与します。
- [エンタープライズ ジオデータベースの有効化 (Enable Enterprise Geodatabase)] ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを実行して、ジオデータベースを作成します。
注意:
[エンタープライズ ジオデータベースの作成 (Create Enterprise Geodatabase)] ジオプロセシング ツールまたはスクリプトを使用して、SQL Server RDS に sde ユーザーとジオデータベースを作成することはできません。
- ログイン、データベース ユーザー、および一致するスキーマを作成してデータを読み込み、データを作成する権限をそのユーザーに付与します。これを実行するには、[データベース ユーザーの作成 (Create Database User)] ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを使用するか、Management Studio または TSQL を使用します。
- ジオデータベースを GIS Server サイトに登録します。
SQL Server Express Edition
SQL Server Express インスタンスは、常に GIS Server サイトと同じインスタンス上に作成されます。
SQL Server Express インスタンスは、Windows 認証ログインのみを使用します。このインスタンスには、次の 2 つのオペレーティング システム ログインが含まれています。
- Administrator: このログインは、ArcGIS Enterprise on Amazon Web Services インスタンスの管理者であり、SQL Server Express インスタンスの管理者です。
- ArcGIS: このログインは、SQL Server Express インスタンスの管理者であり、ArcGIS サービスを実行しているログインです。このログインは、サービスを公開するためにデータにアクセスできる必要があります。
これらのログインは、どちらも SQL Server の sysadmin 固定サーバー ロールのメンバーです。そのため、egdb および geodata ジオデータベースは dbo スキーマに格納され、これらのいずれかのユーザーでログインしている間に読み込まれたすべてのデータは、各ジオデータベースの dbo スキーマに格納されます。これらのユーザーは dbo として、ジオデータベースに読み込まれるすべてのデータと SQL Server インスタンス自体に対して、すべての権限を持っています。
これらのログインのパスワードは、システムによって設定されます。Administrator ログインのパスワードは変更できます。手順については、「Windows 管理者のデフォルト パスワードの変更」をご参照ください。