カスタム地理座標系変換は ArcGIS Desktop で実行され、地理座標系 (GCS) 間または測地基準系間でマップ データを変換します。公開するマップがカスタム地理座標系変換を含んでいる場合、ArcGIS Server が変換に必要なファイルにアクセスできることを確認する必要があります。
カスタム変換を含むマップを公開するには、次の手順に従います。
- ArcMap または ArcGIS Pro で [カスタム地理座標系変換の作成 (Create Custom Geographic Transformation)] ジオプロセシング ツールを実行します。このツールの出力は、ユーザー プロファイルの [Application Data] フォルダーにある ESRI\<ArcGIS product>\ArcToolbox\CustomTransformations フォルダーに保存された .gtf ファイルです。このフォルダーが存在しない場合は、ツールにより作成されます。[Application Data] フォルダーが読み取り専用フォルダーまたは隠しフォルダーである場合は、ユーザーの [temp] フォルダー以下の ArcToolbox\CustomTransformations に出力が作成されます。
- Grid Shift Binary (*.gsb) ファイルなどのサポート ファイルが変換に必要な場合は、そのサポート ファイルを ArcGIS Desktop のインストール ドライブの pedata フォルダーにコピーします。または、ArcGIS Coordinate Systems Data コンポーネントがインストールされている場合、ファイルを CoordinateSystemsData > pedata フォルダーにコピーします。いずれの場合でも、カスタム変換の作成時に使用した方法の名前が付けられた pedata のサブフォルダー (ntv2 など) に移動して、コピーしたファイルをそこに貼り付けます。
- ステップ 2 でサポート ファイルを [デスクトップ] の pedata フォルダーにコピーした場合、ArcGIS Server のインストール ディレクトリの pedata フォルダーに再度コピーします。前回と同様、変換方式に対応する pedata 内のフォルダーを見つけて、ファイルをそこに貼り付けます。
- 公開用のマップを準備する際は、カスタム変換がマップ内で使用されていることを確認してください。カスタム変換の入力地理座標系と出力地理座標系の両方を使用するレイヤーがマップに含まれる場合、変換がアクティブであることを確認します。
- ArcMap で、[コンテンツ] ウィンドウの [データ フレーム] を右クリックして、[プロパティ] を開きます。[座標系] タブを選択して、[座標変換] ボタンをクリックします。カスタム変換が選択されていることを確認します。
- ArcGIS Pro で、[コンテンツ] ウィンドウ内のマップを右クリックして、[プロパティ] を開き、[座標変換] をクリックします。カスタム変換が選択されていることを確認します。
同じマップ内でカスタム変換の入力 GIS と出力 GIS を使用するレイヤーを使用しない場合、最終的なマップには含めない GIS を使用するレイヤーを追加して、カスタム変換を設定してから、そのレイヤーを削除します。変換がマップとともに保存されます。 - マップの準備ができたら、公開します。ArcMap を使用している場合は、ArcGIS Server にマップサービスを公開できます。ArcGIS Pro を使用している場合は、フェデレーション ArcGIS Server サイトに公開されたマップサービスを活用する ArcGIS Enterprise ポータルに Web マップを共有できます。カスタム変換の仕様は、マップ サービスとともに保存されます。
マップ サービスまたは Web マップには、GIS データに適用されるカスタム地理座標系変換が含まれます。これには、ズームや画面移動を実行する際のリアルタイム処理が含まれます。