多くの GIS サーバー コンピューターが、同時に共有のキャッシュ ディレクトリにタイルを書き込もうとすると、スケーラビリティが低下します。この理由により、サーバーはローカル キャッシュ ディレクトリを使用して、タイルを各 GIS サーバー上に一時的に書き込みます。
マップおよびイメージ サービスのキャッシュ
サーバー上のローカル キャッシュ ディレクトリは、コンパクト格納形式を使用するキャッシュのみで使用されます。サーバーは、ローカル キャッシュ ディレクトリに 1 つのバンドル ファイル (約 16,000 タイルまで含めることができます) を書き込みます。完了すると、バンドルは共有キャッシュ ディレクトリに移動します。バンドルをローカルに書き込んで共有キャッシュ ディレクトリに移動させるほうが、すべてのコンピューターが直接共有キャッシュ ディレクトリに書き込むよりも、スケーラビリティに優れています。
レガシー:
10.0 以前のバージョンでは、ローカル キャッシュ ディレクトリの使用を有効または無効にすることができました。10.1 以降のバージョンでは、ユーザーがキャッシュ ディレクトリ用に共有ネットワーク フォルダーを使用したことが ArcGIS Server で検出された場合に、必ず最初にバンドル ファイルがローカル キャッシュ ディレクトリに書き込まれます。
シーン サービス キャッシュ
サーバーは、ローカル キャッシュ ディレクトリに複数の一時ファイルを書き込んでから、最終的なキャッシュ タイル ストレージのためにタイル キャッシュ データ ストアに移動します。これらの一時ファイルは非常に大きく、最終的なキャッシュ サイズの 3 ~ 5 倍になることもあります。これらの一時ファイルは、キャッシュの構築が完了すると削除されます。
ローカル キャッシュ ディレクトリの場所の設定
デフォルトのローカル キャッシュ ディレクトリは、ArcGIS Server アカウントの temp フォルダーです。このフォルダーは、ArcGIS Server Administrator Directory を使用して変更できます。
CachingTools ジオプロセシング サービスの実行インスタンスごとに、少なくとも 0.5 GB にクラスター内の GIS サーバーの数を掛けた分の利用可能な領域をこの場所に確保することをお勧めします。高い圧縮品質を使用する JPEG または混合形式のキャッシュ、またはビット深度の高い PNG の詳細なキャッシュを使用する際には、さらに多くの領域が必要になります。
前のセクションで説明したように、シーン サービスを公開する場合、ローカル キャッシュ ディレクトリには、シーン サービス キャッシュの作成時に生成される一時ファイルに対応できる十分な空き容量が必要です。
- 各 GIS サーバーで、同一のパスを使用してディレクトリを作成します。ArcGIS Server アカウントに、これらのディレクトリに対する書き込みのアクセス権限があることを確認します。
- Web ブラウザーを開いて、ArcGIS Server Administrator Directory に移動します。URL の形式は、http://gisserver.domain.com:6080/arcgis/admin です。
- 必要な場合は、ArcGIS Server の管理アクセス権限を持つユーザー名とパスワードを使用してログインします。
- [system] > [properties] > [update] の順にクリックします。
- テキスト ボックスに、使用するフォルダーをポイントする localTempFolder プロパティを追加します。例: {"localTempFolder":"E:\\arcgistemp"}
- [Update] ボタンをクリックします。
- ArcGIS Server Manager または [カタログ] ウィンドウを使用して、[System] という名前の ArcGIS Server フォルダーに移動し、次のサービスを停止してから開始します。
- マップおよびイメージ サービスの [CachingTools] ジオプロセシング サービス
- シーン サービスの [SceneCachingTools] ジオプロセシング サービス