ユーザー プロファイル内でユーザー定義環境変数を設定する代わりに、ArcGIS Server に固有のユーザー定義変数を設定および管理するための便利な方法として、init_user_param.sh スクリプトがあります。定義した設定は ArcGIS Server のみに適用され、システム上で実行されている他のアプリケーションに影響を及ぼしません。
このスクリプトは、<ArcGIS Server installation directory>/arcgis/server/usr ディレクトリにあります。ユーザー定義環境変数を設定するには、スクリプトを開き、次の構文を使用します。
export <user defined variables>=<location to the defined variables>
このスクリプトは下記の 5 つのセクションに分かれています。スクリプトの編集が完了したら、ArcGIS Server を再起動して変更を有効にする必要があります。そのためには、startserver.sh スクリプトを実行して、環境内の各 ArcGIS Server を手動で再起動します。
メモ:
ArcGIS Server を更新すると、このスクリプトですでに定義している情報が保持されます。ただし、このスクリプトでアップグレード後のソフトウェアに公開された新しいパラメーターはリストに記載されません。新しいフィーチャを挿入するには、下記の情報を確認し、手動で変数を既存のスクリプトに追加します。
データベースへの接続の構成
このセクションは、環境変数を有効にして ArcGIS Server のデータベース接続を構成する場合に使用します。データベース環境変数を有効にするには、行をコメント解除 (シャープ記号 [#] を削除) してデータベース固有の情報を入力する必要があります。詳細な手順については、「ArcGIS Server でのデータベース接続の構成」をご参照ください。
変数 | 追加されたバージョン |
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Oracle への接続の構成: #export ORACLE_BASE=<Oracle_InstallDir>/app #export ORACLE_HOME=$ORACLE_BASE/<Oracle_Release>/product/<Oracle_Version>/<client_Version> #export ORACLE_SID=<必要に応じて設定する> #export TNS_ADMIN=<必要に応じて設定する (例: $ORACLE_HOME/network/admin)> #export PATH=$ORACLE_HOME/bin:$PATH #export LD_LIBRARY_PATH=$ORACLE_HOME/lib:$LD_LIBRARY_PATH | 10.1 |
My Esri から Oracle クライアントへの接続の構成: #export LD_LIBRARY_PATH=<Location_to_Instant_Client>:$LD_LIBRARY_PATH | 10.1 |
PostgreSQL への接続の構成: #export PGHOME=<PostgreSQL_InstallDir> #export PATH=$PGHOME/bin:$PATH #export LD_LIBRARY_PATH=$PGHOME/lib:$LD_LIBRARY_PATH | 10.1 |
DB2 への接続の構成: #export DB2_CLIENT_HOME=<DB2_InstallDir> #export DB2INSTANCE=<DB2_Instance_Name> #export PATH=$DB2_CLIENT_HOME/bin:$PATH #export LD_LIBRARY_PATH=$DB2_CLIENT_HOME/lib64:$LD_LIBRARY_PATH | 10.1 |
Informix への接続の構成: #export INFORMIXDIR=<Informix_InstallDir> #export INFORMIXSERVER=<Informix_Database_Server_Name> #export INFORMIXSQLHOSTS=<Location_to_sqlhosts> #export ODBCINI=<Location_to_.odbc.ini>/.odbc.ini #export PATH=$INFORMIXDIR/bin:$PATH #export LD_LIBRARY_PATH=$INFORMIXDIR/lib:$INFORMIXDIR/lib/cli:$INFORMIXDIR/lib/esql:$LD_LIBRARY_PATH | 10.1 |
Netezza への接続の構成: 接続を構成するには、ODBC 接続ファイルに「.odbcinst.ini」および「.odbc.ini」という名前を付けて ArcGIS Server の $HOME ディレクトリに保存します。 #export LIB_ODBC_DRIVER_MANAGER=<Location_to_libodbc.so.2.0.0>/libodbc.so.2.0.0 #export ODBCINSTINI=<.odbcinst.ini がユーザーの $HOME ディレクトリ内に設定されていない場合に設定する> #export ODBCINI=<.odbcinst.ini がユーザーの $HOME ディレクトリ内に設定されていない場合に設定する> | 10.1 SP1 |
Teradata への接続の構成: 接続を構成するには、Teradata ODBC 接続ファイルに「.odbcinst.ini」および「.odbc.ini」という名前を付けて ArcGIS Server ユーザーの $HOME ディレクトリに保存します。 #export LIB_ODBC_DRIVER_MANAGER=<Teradata_InstallDir>/client/14.00/odbc_64/lib/libodbc.so #export TDDIR=<Teradata_InstallDir>/client/14.00/odbc_64 #export LD_LIBRARY_PATH=$TDDIR/lib:$LD_LIBRARY_PATH #export ODBCINI=<Location_to_.odbc.ini>/.odbc.ini | 10.2 |
ALTIBASE への接続の構成: #export ALTIBASE_HOME=<Altibase_InstallDir> #export ALTIBASE_PORT_NO=<Altibase_Port_No> #export PATH=${ALTIBASE_HOME}/bin:${PATH} #export LD_LIBRARY_PATH=${ALTIBASE_HOME}/lib:${LD_LIBRARY_PATH} #export CLASSPATH=${ALTIBASE_HOME}/lib/Altibase.jar:${CLASSPATH} | 10.3 |
SAP HANA への接続の構成 接続を構成するには、SAP HANA ODBC 接続ファイルに「.odbcinst.ini」および「.odbc.ini」という名前を付けて ArcGIS Server ユーザーの $HOME ディレクトリに保存します。また、Linux ODBC Driver Manager をインストールし、LIB_ODBC_DRIVER_MANAGER 変数を設定して Linux ODBC Driver Manager を参照します。 #export LIB_ODBC_DRIVER_MANAGER=<Location_to_libodbc.so>/libodbc.so | 10.3 |
temp ディレクトリの変更
スクリプトのこのセクションは、temp ディレクトリの変更に使用されます。temp ディレクトリのデフォルトの場所は、<ArcGIS Server installation directory>/arcgis/server/temp です。指定する temp ディレクトリの場所は、必ず ArcGIS Server のインストールに使用したアカウントからアクセス可能な場所でなければなりません。サーバーの通常動作時に、temp ディレクトリにファイルが生成されます。これらのファイルを定期的にクリーンアップまたは削除して、ディスク領域を解放することをお勧めします。
変数 | 追加されたバージョン |
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temp ディレクトリのデフォルトの場所は、<ArcGIS Server のインストール ディレクトリ>/arcgis/server/temp です。ArcGIS Server をインストールする際に使用したアカウントからアクセスできるディレクトリを指定する必要があります。 #SERVER_TEMP_DIR=<Location_to_temp_directory> | 10.2.1 |
プロキシ サーバーの構成
スクリプトのこのセクションは、フォワード プロキシ サーバーの構成に使用されます。手順の詳細については、「ArcGIS Server でのフォワード プロキシ サーバーの使用」をご参照ください。
変数 | 追加されたバージョン |
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no_proxy 環境変数には、デフォルト プロキシが必要でないドメインのセミコロン区切りリストを指定します。<local> とワイルドカード文字 * は、ドメインを指定する際に使用できます。 #export http_proxy=http://<ユーザー名>:<パスワード>@<proxy-server-name.domain.org>:<ポート番号>/ #export no_proxy="<local>;*.<domain>.<com>" | 10.1 SP1 |
ルート証明書のインストール
スクリプトのこのセクションは、ArcGIS Server で SSL を有効にする場合に、認証機関 (CA) から発行されたルート証明書のインストールに使用されます。詳細については、「CA 署名証明書を使用した SSL の有効化」をご参照ください。
変数 | 追加されたバージョン |
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ArcGIS Server をインストールする際に使用したアカウントからアクセスできるディレクトリを指定する必要があります。指定されたディレクトリ内のすべての証明書が OS 証明書ストアにインポートされます。 #export CA_ROOT_CERTIFICATE_DIR=<Location_to_CA_Root_Certificate> | 10.2 |
ユーザー定義変数の有効化
スクリプトのこのセクションは、ArcGIS Server のその他すべてのユーザー定義環境変数の有効化に使用されます。
変数 | 追加されたバージョン |
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ユーザー定義変数 # | 10.1 |