ArcGIS Server 10.1 でアーキテクチャが大きく変更されました。 したがって、10.0 以前のバージョンからバージョン 10.9.1 にアップグレードする場合は、このトピックのチェックリストに厳密に従う必要があります。 10.1 以降のバージョンを ArcGIS Server 10.9.1 にアップグレードする場合、このアップグレード チェックリストは適用されません。 代わりに、「既存の ArcGIS Server ユーザー」で、アップグレードに関するよくある質問と、詳細なアップグレード手順が記載されたトピックへのリンクをご参照ください。
10.0 から 10.9.1 にアップグレードする前に、まず、すべての ArcGIS 製品をアンインストールする必要があります。 10.9.1 をインストールすると、10.0 のサービス構成が認識されなくなるため、10.0 のサーバーをアンインストールする前に、開発環境やテスト環境でアップグレードのプロトタイプを実施することを強くお勧めします。 このチェックリストにある手順に従うと、既存のサーバーの目録を作成して、10.9.1 サーバー上でサービスと設定を再作成できるようになります。
このチェックリストには、すべてのユーザーが実行する必要のある、標準的なアップグレード手順が含まれています。 特定のサービスや Web アプリケーションをサポートするために、その他の調整作業がアップグレード時に必要な場合もあります。 ほとんどの場合、これらの調整作業はわずかです。
オペレーティング システム要件の確認
現在インストールされている ArcGIS Server をホストしているオペレーティング システム (OS) が 32 ビットと 64 ビットのどちらであるかを調べます。 ArcGIS Server 10.9.1 では、64 ビットの OS が必要です。OS がこの要件を満たしていない場合は、インストールが終了するか、インストールされません。
現在の OS が 32 ビットの場合は、ハードウェアに 64 ビットの OS をホストできる互換性があるか確認します。 64 ビットの OS をホストできない場合は、ArcGIS Server をアンインストールしないでください。 この場合は、新しいハードウェアを取得して ArcGIS Server の最新バージョンをサポートする必要があります。
現在インストールされている ArcGIS 製品とバージョンの特定
コンピューターのファイル システムを参照し、現在インストールされている ArcGIS 製品とバージョンを記録します。
重要な構成ファイルのバックアップ
現在の ArcGIS Server をアンインストールする前に、次のファイルを安定した安全な場所にコピーしておきます。 これらのファイルは、サービスを復元するために直接使用することはできませんが、これまでの設定を参照するのに利用できます。 これらのバックアップは、アップグレードを中断したり延期したりする場合にも便利です。
- <ArcGIS Server のインストール ディレクトリ>/arcgis/support/Instance.log
- <ArcGIS Server のインストール ディレクトリ>/arcgis/server/system/Server.dat
- <ArcGIS Server のインストール ディレクトリ>/arcgis/server/system/ServerTypes.dat
- <ArcGIS Server のインストール ディレクトリ>/arcgis/server/user/cfg (この場所の下にあるすべてのフォルダーとファイル)
サーバーを利用するクライアント アプリケーションのリストの作成
ArcGIS Server がホストする Web サービスに接続するために、スタッフや顧客が使用するさまざまなクライアント アプリケーションについて考えます。 これには、以下のようなアプリケーションがありますが、これらに限定されません。
- ArcGIS API for JavaScript を使用して構築されたアプリケーション
- Java および .NET Web ADF アプリケーション (以前のバージョンの ArcGIS Server で ArcGIS Server Manager を使用して構築されたアプリケーションを含む)
- Map Viewer Classic を使用して構築され、ArcGIS Online に保存されたマップ
- ArcGIS Runtime SDK for iOS、Android、Windows Phone を使用して構築されたアプリケーション
- ArcMap などのデスクトップ アプリケーションや、ArcGIS Engine を使用して構築されたアプリケーション
- サードパーティおよび OGC アプリケーション
これらのアプリケーションが使用する接続のタイプや、アップグレード時に構成するサーバー URL に応じて、これらのアプリケーションに何らかの更新を行う必要がある場合があります (このトピックで後述します)。 これらのアプリケーションの所有者に連絡して、移行していることを知らせたほうがよいでしょう。
DCOM (ArcGIS Server ローカル) 接続を使用して ArcGIS Server に接続しているクライアント アプリケーションの特定
バージョン 10.0 以前の ArcGIS Server は、DCOM (ArcGIS Server ローカル) 接続と HTTP (ArcGIS Server インターネット) 接続をどちらもサポートしていました。 バージョン 10.1 以降では、ArcGIS Server による DCOM 接続のサポートが廃止されました。 アップグレードする前に、HTTP 接続を使用するように Web アプリケーションを再構築する必要があります。 ArcObjects にアクセスするために DCOM 接続を使用していた場合、ArcObjects コードを削除するか、サーバー オブジェクト エクステンションでラップする必要があります。
ArcGIS Server に接続する際に既存のアプリケーションが使用する URL 形式の特定
ArcGIS Server に接続する際に既存のアプリケーションが使用する URL 形式を特定する必要があります。 これは、アップグレード後にアプリケーションを修正する必要があるかどうかを理解するのに役立ちます。 ArcGIS Web Adaptor を使用すると、以前のバージョンで使用していた URL と一致するようにサイトを設計できるため、すべてのアプリケーション コードを更新する手間を省くことができます。
REST または SOAP を介してサーバーに HTTP 接続するアプリケーションは、一般に次の構文を使用します。
- https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/rest
または
- https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/services
ArcGIS Server が Web サーバーのデフォルト ポート (ポート 443 など) を使用するように設定されている場合は、URL にポート :6443 を含めなくてもかまいません。 ポート 6443 は HTTPS の使用に対応しているため、ArcGIS Server でデフォルトのポートとして強制的に使用されることに注意してください。 サイトが [HTTP Only] を使用している場合、ArcGIS Server ポートは 6080 になります。
サービスに接続するときに使用しているインスタンス名がデフォルトの「arcgis」であるか、その他のインスタンス名であるかを記録します。
ArcGIS Server をアップグレードするとき、サイトはポート 6443 を使用し、URL のサイト名に arcgis を使います。 ArcGIS Web Adaptor をインストールすると、外部ユーザーに別のポートとサイト名でサイトを公開できます。 ArcGIS Web Adaptor を使用しない場合は、ポート 6443 を参照するサーバーの新しい URL を使用するように、アプリケーションを更新する必要があります。
既存サービスの目録の作成
既存のすべてのサービスとそのフォルダー構造の一覧を作成します。 例:
- MyServer (ルート)
- Service1 (サービス タイプ)
- Service2 (サービス タイプ)
- Folder1
- Service3
- Service4
- Folder2
- . . .
- . . .
サービスのプロパティの記録
アップグレードした後にサービスを再作成できるように、各サービスのプロパティを慎重に記録します。 ArcCatalog のダイアログ ボックスまたは ArcGIS Server Manager の対応するダイアログ ボックスの [サービス プロパティ] の次の内容を記録する必要があります。
- 説明 - [一般] タブで、[説明] プロパティが入力されていればコピーします。これは、サービスを再作成するときに再利用できます。 これは、サービスを再作成するときに再利用できます。
- ドキュメントのパス - ドキュメントのパスは、アンインストールする前に記録しておくべき最も重要な情報です。 [パラメーター] タブを表示して、ソース ファイル (*.mxd、*.tbx、*.loc など) があるディスク上の場所を確認します。 アップグレードしたら、これらのドキュメントに戻り、それらをサーバーに再公開します。 *.msd ファイルを使用するマップ サービスの場合も、*.mxd の場所を探して記録します。
- パラメーター - [パラメーター] タブにあるその他すべてのプロパティ値を記録します。
- 機能と操作 - [機能] タブでは、有効な機能と許可されている操作を記録します。
- プール パラメーター - [プール] タブを表示して、サービスが使用できるインスタンスの最小数と最大数の構成を記録します。 また、記録されているタイムアウト値も書き留めておきます。 バージョン 10.1 以降ではすべてのサービスがプールされるため、サービスがプールされるかどうかを記録する必要はありません。
- プロセス - [プロセス] タブを表示して、分離およびリサイクルの値を記録します。
- キャッシュ - [キャッシュ] タブを表示して、サービスがデータから動的に描画されているか、キャッシュからのタイルを使用しているかを記録します。 サービスがキャッシュを使用している場合、[キャッシュ ディレクトリ] の場所を記録します。
KML ネットワーク リンクの目録の作成
ArcGIS Server Manager にログインし、[サービス] > [KML ネットワーク リンク] の順にクリックして、サーバーが KML ネットワーク リンクをホストしているかどうかを調べます。 KMZ ファイルがリストされている場合は、それらを記録します。 また、ArcGIS Server インスタンスの KML フォルダー を参照して選択し、その中にあるすべての KMZ ファイルのバックアップを取ります。
セキュリティ構成の詳細の記録
Microsoft .NET Framework 用 ArcGIS Server
ArcGIS Server Manager を開き、[セキュリティ] > [設定] の順に選択して、サーバーのセキュリティが有効になっているかどうかを調べます。
ユーザーとロールの移行
GIS サービスのセキュリティが有効な場合、セキュリティ ストアの場所 (同じページに表示されています) を記録し、以下の特定のストア タイプの指示に従い、ユーザーとロールを移行します。
- SQL Server - 10.0 SQL Server ストアを 10.9.1 で使用する場合は、「最新バージョンでの 10.0 .NET SQL Server セキュリティ ストアの使用」をご参照ください。
- Windows のローカル ユーザーおよびグループ - Web サービスやフォルダーへの権限の割り当てにローカルの Windows グループを使用している場合は、[セキュリティ] → [ユーザー] および [セキュリティ] → [ロール] ページを使用して、ユーザーとロールの目録を作成します。 この目録を使用して、10.9.1 でユーザーとロールを再作成します。
- Windows のドメイン ユーザーおよびグループ - Web サービスやフォルダーへの権限の割り当てに Windows のドメイン グループを使用している場合、10.9.1 でも同じドメインを引き続き使用できます。 引き続き使用するには、同じドメイン内にあるコンピューターに ArcGIS Server をインストールする必要があります。
フォルダーとサービスの権限の記録
GIS サービスのセキュリティが有効な場合、ArcGIS Server Manager を使用して、それぞれのフォルダーとサービスにアクセスできるロールを調べます。 調べるには、[サービス] > [サービスの管理] > [フォルダー管理] の順にクリックして、[権限] リンクをクリックします。 10.9.1 サーバーで権限を適用できるように、権限を持つロールのリストを記録します。 サービスごとに、サービスの横にある [権限] (ロック) ボタンをクリックして、この処理を繰り返します。
Java Platform 用 ArcGIS Server
ArcGIS Server Manager を開き、[セキュリティ] > [設定] の順に選択して、サーバーのセキュリティが有効になっているかどうかを調べます。
ユーザーとロールの移行
GIS サービスのセキュリティが有効な場合、[セキュリティ ストア] タブをクリックして、使用されているセキュリティ ストアのタイプを調べ、以下の特定のストア タイプの指示に従い、ユーザーとロールを移行します。
- 内部のデータ ストアまたは外部のデータベース ストア - 使用されているセキュリティ ストアが [内部データ ストア] または [外部データベース] の場合は、[セキュリティ] → [ユーザー] および [セキュリティ] → [ロール] ページを使用して、ユーザーとロールの目録を作成します。 この目録を使用して、アップグレードしたサイトでユーザーとロールを再作成します。
- LDAP ストア - 使用されているセキュリティ ストアが LDAP サーバーの場合は、LDAP 接続プロパティを記録します。 これらのプロパティを使用することで、アップグレードしたサイトでセキュリティ ストアと同じ LDAP サーバーを使用できます。
- Active Directory - セキュリティ ストアが Active Directory の場合は、Active Directory をホストしているドメインを調べます。 ArcGIS Server をインストールするときは、同じドメイン内にあるコンピューターにインストールする必要があります。 こうすることで、サーバーがそのドメインの Active Directory サーバーをセキュリティ ストアとして使用できるようになります。
フォルダーとサービスの権限の記録
それぞれのフォルダーとサービスにアクセスできるロールを調べます。 ロールを調べるには、[サービス] > [サービスの管理] の順にクリックし、フォルダー名の横にある [権限] (ロック) ボタンをクリックします。 アップグレードしたサーバーで権限を適用できるように、権限を持つロールのリストを記録します。 ルート フォルダー内にあるサービスごとに、サービスの横にある [権限] (ロック) ボタンをクリックして、この処理を繰り返します。 ルート フォルダー内にある各サブフォルダーについて、この処理を繰り返します。
サーバー オブジェクト エクステンション ライブラリの解除
ArcGIS Server をアンインストールする前に、SOC コンピューターに配置されたサーバー オブジェクト エクステンション ライブラリをすべて解除します。 ArcGIS Server でエクステンションを解除する必要はありません。ライブラリ (たとえば、.NET エクステンションの場合は DLL) を解除するだけです。
10.0 のサーバー オブジェクト エクステンションは、新しいバージョンに自動では移行しません。 再構築して再配置する必要があります。
アップグレードしたバージョンの認証とライセンス情報の確認
ArcGIS Server をアンインストールする前に、新しいバージョンにアップグレードした後にサーバーの認証で使用できる、必要な認証コードまたはプロビジョニング ファイルがあることを確認します。
ArcGIS Server とその他の ArcGIS 製品のアンインストール
すべての ArcGIS 製品をサーバーからアンインストールします。 複数のコンピューターに SOM および SOC コンポーネントが分散している場合は、すべてのコンピューターからこれらのコンポーネントをアンインストールします。
アンインストールしたら、インストール場所 (/ArcGIS/Server10.0) とインスタンスのルートの場所 に残っているすべてのファイルのバックアップを取ります。
10.9.1 バージョンのインストールとサイトの作成
ArcGIS Server 10.9.1 をインストールしてサイトを作成します。 必要に応じて、サーバーを複数のコンピューターにインストールし、これらのコンピューターを同じサイト内で結合することができます。 インストール ガイドと「新しいサイトの作成」をご参照ください。
ArcGIS 10.9.1 for Desktop を、ネットワーク上の少なくとも 1 台のコンピューターにインストールする必要もあります。 ArcMap および ArcCatalog は、カタログ ツリーに含まれる以前の ArcGIS Server 接続をすべて認識します。 古いサーバーへの接続を削除し、10.9.1 サーバーへの新しい接続を確立します。 「ArcGIS Desktop から ArcGIS Server への接続」をご参照ください。
サーバーへのデータの登録
10.0 で提供されていない ArcGIS Server の管理機能の 1 つに、データ ストアがあります。これは、データを格納して必要な権限を適用するための、サーバーが認識している場所のリストです。 10.9.1 のインストール時は、ArcGIS Server アカウントに、これまでのサービスで使用されていたデータへの権限を付与します。 次に、「ArcGIS for Desktop を使用したデータの ArcGIS Server への登録」に記載された手順を使用して、データベースとデータ フォルダーを ArcGIS Server に登録します。
以前のリリースにあったワークフローを複製するには、公開者とサーバーが同じパスや接続情報を使用するように、フォルダーとデータベースを登録できます。 言い換えると、公開者とサーバーが、両者が確認可能な、共通フォルダーの外のデータにアクセスしているということです。 ただし、さらに洗練されたワークフローも使用できます。そのワークフローでは、公開時に公開者のコンピューターとサーバーとの間でファイルが転送される際に、自動的にパスを修正できます。
最後に、既存のサーバー キャッシュ ディレクトリを ArcGIS Server に登録するか、サイトの作成時に同時に作成されたサーバー キャッシュ ディレクトリにキャッシュを移動します。
サービスの公開とプロパティの構成
これで、サービスを公開して、アンインストールする前と同じプロパティを構成できるようになりました。 10.1 で変更された公開操作は、ArcGIS Desktop で行われるようになりました。 公開ワークフローを理解するには、「サービスの公開方法」にある指示に従います。 マップ サービスを公開している場合、ソースの *.mxd ファイルを ArcMap で開く必要があります。10.0 以前のバージョンのように、*.msd ファイルを直接公開することはできません。
公開処理の間に、[サービス エディター] ダイアログ ボックスを使用して、これまでのサービスから記録したプロパティを設定できます。 ほとんどのプロパティは、バージョン 10.0 以前の場合と同様に動作します。 注意すべき例外は、インスタンス プロパティの最小数と最大数です。これらはサイト全体あたりの数ではなく、ArcGIS Server コンピューターあたりのインスタンスの最小数と最大数を意味するようになりました。
以前のバージョンで作成されたマップおよびグローブ キャッシュは、タイルが登録済みのサービス キャッシュ ディレクトリにあり、ArcGIS Server フォルダーとサービス名がタイルのあるディレクトリ名と一致すれば、アップグレードしたサイトでも動作します。 ディレクトリの名前は、<フォルダー名>_<サービス名> の形式である必要があります。つまり、フォルダーが California、サービスが Fresno の場合、タイルのあるフォルダーの名前は California_Fresno になります。
アップグレードしたサイトでは、公開 (PublishingTools) およびキャッシュ (CachingTools および CachingControllers) に役立ついくつかのサービスがすでに動作しています。 大量のキャッシュを使用し、キャッシュ ジョブにより多くのサーバー リソースを投入する場合は、実行を許可する CachingTools のインスタンスの最大数を増やします。 バージョン 10.0 以前では、キャッシュされるマップまたはグローブ サービスのインスタンスを追加していました。現在のバージョンでは CachingTools のインスタンスを追加します。
サービス オブジェクト エクステンションの再構築と再配置
以前の配置でサーバー オブジェクト エクステンションを使用していた場合、この時点でそれらを再構築し、ArcGIS Server に配置します。 バージョン 10.1 以降で使用される .*.soe ファイルを作成するには、再構築が必要です。 配置処理は *.soe ファイルにより大きく簡略化され、通常は ArcGIS Server Manager を使用して実行します。 「Java サーバー オブジェクト エクステンションの 10.9.1 への移行」をご参照ください。
サーバー オブジェクト エクステンションの再配置が完了したら、それらを使用するすべてのサービスに対してそれらを有効にし、エクステンション プロパティがある場合は、それらを設定する必要があります。
ArcGIS Web Adaptor のインストール
ArcGIS Web Adaptor を使用すると、ArcGIS Server サイトを既存の組織の Web サーバーと統合できます。 サーバーへのアクセスに使用するポートと URL を変更する場合は、ArcGIS Web Adaptor をインストールします。 ほとんどの場合、URL を以前のリリースと同じにして、Web アプリケーションの更新で発生する問題を避けることができます。 ArcGIS Web Adaptor には、他にもさまざまな利点があります。利点の一覧については、「ArcGIS Web Adaptor について」をご参照ください。
ArcGIS Server インスタンスがデフォルト名の arcgis を使用していた場合、ArcGIS Web Adaptor を使用してそれをアップグレードしたサイトでも維持するのであれば、ArcGIS Web Adaptor の設定を実行する前に、次の準備作業が必要になります。 Web サーバー ソフトウェアを使用して、arcgis という名前の仮想ディレクトリを削除します。 次に、ArcGIS Server インスタンス用のファイルを保持していたディスク上のフォルダー (たとえば、C:\Inetpub\wwwroot\arcgis) を削除します (これを実行する前に、バックアップを作成することをお勧めします)。最後に、ArcGIS Web Adaptor をインストールし、ArcGIS Web Adaptor 構成ページを実行します。
ArcGIS Web Adaptor をインストールしない場合、クライアント アプリケーションが使用する URL が、アップグレードしたサーバーの URL を参照するように更新する必要があります。 REST サービスの場合、この URL は http://gisserver.domain.com:6080/arcgis/rest/services です。
セキュリティ ストアの定義
この時点で、サービスのセキュリティ設定を再構築できます。 ArcGIS Server を以前のユーザーおよびロール ストアに接続するか、ArcGIS Server の組み込みストアを使用してユーザーおよびロール ストアを再作成することができます。 ユーザーおよびロール ストアを定義したら、それぞれのフォルダーとサービスに対して記録した権限を再度割り当てることができます。
KML ネットワーク リンクの再公開
これまでのサーバー上で利用できた KML ネットワーク リンクを記録した場合、それらのリンクをアップグレードした ArcGIS Server サイトで再公開できます。 「既存の KML ネットワーク リンクの ArcGIS Server へのアップロード」をご参照ください。
Web アプリケーションの移行とテスト
これで、使用するすべての Web アプリケーションをテストし、必要に応じて Web アプリケーションが使用する URL を更新できます。