ArcGIS Server サイトは、ArcGIS Server コンポーネントがインストールされた 1 台以上の ArcGIS Server コンピューターで構成されています。 マップ、住所の座標、ジオプロセシング ジョブなどのサービス リクエストはそれぞれ、サイト内の利用可能なコンピューターに割り当てられます。 リクエストを割り当てられたコンピューターは、マップの描画、住所座標の検索、ジオプロセシング ツールの実行を行い、処理結果をクライアントに返します。
既存の ArcGIS Server サイトへの新しいコンピューターの追加は、新しいコンピューターへの移行のために一時的に行ったり、サーバー サイトのリソースの増加と処理能力の向上のために永続的に行ったりすることができます。 2 台以上のコンピューターからなるサイトは、コンピューターが故障した場合に中断時間やデータ損失が生じないように、高可用性に対応した構成にすることもできます。
ArcGIS Server を新しいコンピューターにインストールして構成したら、[サイトに参加] 操作を使用して、ArcGIS Server Manager へのサイン イン時に既存のサイトに追加できます。 また、ArcGIS Server Manager、ArcMap、または join-site コマンド ライン ユーティリティを使って ArcGIS Server コンピューターをサイトに追加することもできます。
注意:
10.9.1 では、ArcMap Runtime Support 機能を無効にすることができます。 この機能を使用すると、ArcMap ベースのサービスを公開およびホストできます。 複数コンピューターのサイトが正常に動作するには、ArcMap Runtime Support 機能の状態がすべてのコンピューター間で一貫している必要があります。 複数コンピューターのサイト内のすべてのコンピューターで、この機能の有効化/無効化の設定が一貫していない場合は、必要に応じてコンピューター上で ArcMap Runtime Support を有効化または無効化するようにインストールを変更できます。
ArcGIS Server コンピューターをサイトに追加するための条件
ArcGIS Server コンピューターをサイトに追加するには、次に示す条件が満たされている必要があります。
コンピューターを参加させるための要件
[サイトに参加] 操作を使用してコンピューターを移行する場合は、新しいコンピューターと既存のコンピューターが一致している必要はありませんが、サイト内のすべてのコンピューターを永続的に保持する場合は、新しいコンピューターが次の条件を満たしていることを確認してください。
- サイト内の他の ArcGIS Server コンピューターとバージョン番号を一致させる必要があります。
- サイト内の他の ArcGIS Server コンピューターと同じライセンスが使用されている必要があります。
- サイトの構成ストアとサーバー ディレクトリに対し、読み取り/書き込み権限がある必要があります。
- サイト内の他の ArcGIS Server コンピューターと同じ ArcGIS Server アカウントで ArcGIS Server を実行している必要があります。 ドメイン アカウント、またはすべてのコンピューター上で同じ名前とパスワードを持つローカル アカウントのいずれかを指定します。 このアカウントの詳細については、「ArcGIS Server アカウント」をご参照ください。
- 「ArcGIS Server で使用されるポート」に示されているポートを通じて、サイト内の他の ArcGIS Server コンピューターと通信できること。 これには、ファイアウォール設定の調整が必要になる場合があります。
- サイト上のサービスが参照するすべてのデータを読み取ることができること。 これを確認する良い方法は、サイトに登録されているすべてのデータ ストレージの場所に対する権限をコンピューターが持つことを確認することです。 これらの登録された場所の詳細については、「ArcGIS Server のデータ ソース」をご参照ください。
複数コンピューターのサイトにコンピューターを参加させるための推奨事項
複数コンピューターのサイトを作成している場合、新しいコンピューターは、サイト内の他の ArcGIS Server コンピューターと同じオペレーティング システム プラットフォーム上で稼働している必要があります。 サイト内のすべてのコンピューターで、同じオペレーティング システム バージョンとハードウェア リソースを使用することをお勧めします。 それぞれが 3 GHz プロセッサおよび 8 GB の RAM を搭載した Microsoft Windows Server 2016 上で実行されている ArcGIS Server コンピューターでサイトが構成されている場合、そのサイトに追加するコンピューターも同じオペレーティング システムとハードウェア仕様にする必要があります。
共有パスを使用するためのサーバー ディレクトリと構成ストアの構成
複数のコンピューターで構成されている ArcGIS Server サイトは、そのサイトのサーバー ディレクトリと構成ストアを含むフォルダーを共有する必要があります。 ArcGIS Server アカウントに、共有フォルダーの読み取りおよび書き込みの権限があることを確認してください。 Windows では、フォルダー プロパティ ダイアログ ボックスの [共有] タブと [セキュリティ] タブの両方で、これらの権限を設定する必要があります。
構成ストアとサーバー ディレクトリを既存のドライブレターベースの場所で共有することもできますが、これらの場所をフォールト トレラント ファイル サーバーに移動することをお勧めします。 これは、自動スケーリング メカニズムによって、どのコンピューターが構成ストアを保持しているかを認識することなくサイトに対するコンピューターの追加と削除が行われる可能性があるクラウド配置において特に重要です。
注意:
ArcGIS Server では、非表示であるか、特殊文字 ($ など) を使用している共有ネットワーク ディレクトリはサポートされていません。
サーバー ディレクトリと構成ストアを共有したら、新しい共有パスを使用するようにサイトを構成する必要があります。 この操作を ArcGIS Server Manager か ArcGIS Desktop で行うには、次の手順に従います。 以下の手順の実行中に、一時的にサーバーのダウンタイムが発生します。
ArcGIS Server Manager でのサーバー ディレクトリと構成ストアのパスの編集
ArcGIS Server Manager でサーバー ディレクトリと構成ストアのパスを編集するには、次の手順に従います。
- ArcGIS Server サイトの ArcGIS Server Manager を開いてログインする。 この手順の詳細については、「ArcGIS Server Manager へのログイン」をご参照ください。
- [サイト] → [サーバー構成] → [構成ストア] の順にクリックして、構成ストアのパスを編集します。 構成ストアの場所の共有パスを指定します。 構成ストアの内容が新しい場所に移動され、すべてのサービスが再起動されます。
- [site] → [server configuration] → [directories] の順にクリックして、サーバー ディレクトリのパスを編集します。 各ディレクトリの [edit] ボタン をクリックし、ディレクトリの新しい共有パスを入力します。 ディレクトリ パスを編集すると、キャッシュ ディレクトリを編集していない限り、ディレクトリのコンテンツが新しい場所にコピーされます。 キャッシュ ディレクトリの場所を編集するときは、手動でキャッシュを新しい場所にコピーしなければなりません。
ArcGIS Desktop でのサーバー ディレクトリと構成ストアのパスの編集
ArcGIS Desktop でサーバー ディレクトリと構成ストアのパスを編集するには、次の手順に従います。
- ArcCatalog または [カタログ] ウィンドウで、[ArcGIS Server] ノードを展開します。
- ArcGIS Server への管理者接続を右クリックし、[サーバー プロパティ] を選択します。 詳細な手順については、「ArcGIS Desktop から ArcGIS Server への接続」をご参照ください。
- [ArcGIS Server プロパティ] ウィンドウの [構成ストア] タブをクリックします。 構成ストアの場所の共有パスを指定します。 構成ストアの内容が新しい場所に移動され、すべてのサービスが再起動されます。
- [ArcGIS Server プロパティ] ウィンドウの [ディレクトリ] タブをクリックして、サーバー ディレクトリのパスを編集します。 各ディレクトリを新しい共有パスで更新します。 ディレクトリ パスを編集すると、キャッシュ ディレクトリを編集していない限り、ディレクトリのコンテンツが新しい場所にコピーされます。 キャッシュ ディレクトリの場所を編集するときは、手動でキャッシュを新しい場所にコピーしなければなりません。