このチュートリアルでは、ArcMap を使用してマップ サービスを ArcGIS Server に公開する手順を説明します。 マップ サービスは ArcGIS を使用して、マップ、フィーチャ、および属性データを Web で利用できるようにする手段です。 マップ サービスを扱うのが初めてで、このチュートリアルに取り組む前にマップ サービスについて詳しく知りたい場合は、「マップ サービス」をご参照ください。
注意:
ArcGIS Server を含む ArcGIS Enterprise 10.9.x は、ArcMap から公開されたサービスをサポートする最後のリリースの ArcGIS Enterprise です。 ArcGIS 2022 リリース以降、サービスを ArcMap (ArcMap に基づいている ArcPy コードを含む) から ArcGIS Server サイトに公開することができなくなります。
Esri は、現時点で、顧客全員がすべての公開ワークフローを ArcGIS Pro に移行することを強くお勧めします。
このチュートリアルでは、マップ サービスを ArcMap から ArcGIS Server に公開する方法について説明します。 ArcGIS Pro でこれに相当するワークフローは、ArcGIS Server サイトが ArcGIS Enterprise ポータルとフェデレートされているかどうかによって異なります。 ユーザーは、ArcGIS Pro からポータルへと Web レイヤーを共有できます。この場合は、マップ サービスがフェデレーション ArcGIS Server サイトに自動的に公開されます。 また、ArcGIS Pro からマップ サービスをスタンドアロン ArcGIS Server サイトに公開することもできます。
チュートリアルを始める前に
現在 ArcGIS Server をインストールしただけの状態であれば、サーバーに接続してサービスを公開する前に、いくつかの準備作業が必要です。
- ArcGIS Server サイトを構成する方法については、このヘルプ システムの「インストール ガイド」セクションをご参照ください。
- GIS リソースで参照されているデータをサーバーで利用できるようにする方法については、「データを ArcGIS Server でアクセス可能にする」をご参照ください。
マップのサービスとしての公開
作成したマップをサービスとして公開するには、以下の手順に従います。
- ArcMap でマップ ドキュメントを開き、メイン メニューで [ファイル] > [共有] > [サービス] の順に選択します。
- [サービスとして共有] ウィンドウで、[サービスを公開] を選択します。 [次へ] をクリックします。
- [サービスを公開] ダイアログ ボックスで、[ArcGIS Server に接続]
をクリックして、サーバーへの接続を作成します。 - [ArcGIS Server サーバーの追加] ウィンドウで、[GIS サービスを公開する] を選択します。 [次へ] をクリックします。
- [サーバーの URL] テキスト ボックスに接続先の ArcGIS Server サイトの URL を入力します (例: http://gisserver.domain.com:6080/arcgis)。
- [サーバー タイプ] ドロップダウン リストから、[ArcGIS Server] を選択します。
公開プロセス中に、サービス定義ファイルが作成されローカルのディスクに一時的に保存されます。 公開プロセスが完了すると、サービス定義がサーバーにアップロードされ、ローカル ファイルは削除されます。
- このチュートリアルでは、デフォルトのステージング フォルダーを使用して操作を続けます。
- サーバー管理者がサイトのセキュリティを有効にしている場合は、[ユーザー名] と [パスワード] に値を入力します。 [完了] をクリックします。
- 必要に応じて、[サービスを公開] ウィンドウでサービスの新しい名前を入力します。 [次へ] をクリックします。
120 文字を超える名前や、英数字とアンダースコア (_) 以外の文字が含まれた名前を使用することはできません。
デフォルトでは、ArcGIS Server のルート フォルダー (root) にサービスが公開されます。 サービスはルート フォルダー以下のサブディレクトリに整理することができます。
- サービスを公開するフォルダーを選択するか、サービスを格納するフォルダーを作成します。 [続行] をクリックします。
[サービス エディター] ウィンドウが表示されます。 [サービス エディター] ウィンドウを使用して、マップ サービスでユーザーが実行できる操作を選択し、サーバーがサービスを公開する方法を調整できます。
- [ケーパビリティ] タブをクリックします。
デフォルトでは、マッピングと KML が有効になっています。
- [マッピング] をクリックして、次のプロパティを確認します。
- [URL] - クライアントがマップ サービスへのアクセスに使用する URL です。 URL の形式は、http://gisserver.domain.com:6080/arcgis/services/folder/service/MapServer のようになります。
- [Data] - このオプションを選択すると、クライアント アプリケーションはマップ サービスのフィーチャに対して属性検索を実行できるようになります。
- [Map] - このオプションを選択すると、クライアント アプリケーションはマップ サービスのマップ レイヤーを表示できるようになります。
- [Query] - このオプションを選択すると、クライアント アプリケーションはマップ サービスのフィーチャを検索できるようになります。
- [分析]
をクリックします。マップ ドキュメントをサーバーに公開できるかどうかが検証されます。
ヒント:
マップ サービスを構成する際に表示領域を広くするには、[サービス エディター] ウィンドウの上部にある [折りたたみ] ボタン
をクリックします。 - 公開する前に [準備] ウィンドウで [エラー]
を修正します。 必要であれば、警告メッセージと情報メッセージに従って問題を修正し、マップ サービスのパフォーマンスと外観を改善します。これらの問題の解決の詳細については、「GIS リソースの解析」をご参照ください。
注意:
サーバーが確実にデータを認識して使用できるように、フォルダーとジオデータベースを ArcGIS Server サイトに登録することができます。 以下の手順を続ける場合、未登録のフォルダーまたはジオデータベースからマップ ドキュメントが参照するデータはすべて、公開時にサーバーにコピーされます。 これは、サーバーがサービスで使用されているすべてのデータにアクセスできることを保証するための予防的な処置です。 フォルダーまたはジオデータベースを ArcGIS Server サイトに登録する手順の詳細は、「ArcGIS Desktop を使用したデータの ArcGIS Server への登録」をご参照ください。
- 必要に応じて、[サービス エディター] ウィンドウで [プレビュー]
をクリックします。Web 上でマップがどのように表示されるかを確認することができます。 詳細については、「マップのプレビュー」をご参照ください。
- マップ ドキュメント内のエラーを修正したら、[公開]
をクリックします。
マップ サービスが ArcGIS Server で公開されます。 公開処理が完了したら、マップ サービスを Web マップで利用することができます。
Web マップでのマップ サービスの利用
このセクションでは、Map Viewer Classic を使用して、Web 上でマップ サービスを表示および操作します。 Map Viewer Classic は ArcGIS.com 上でホストされ、ArcGIS Server Service Directory を経由して直接配置できます。 Map Viewer Classicを起動して実行するために、構成やプログラミング作業は不要です。
注意:
このセクションでは、ArcGIS Online からすぐに利用可能なベースマップを持つ公開済みサービスを可視化できます。 Web マップまたは Web アプリ内にサービスを保存し共有するには、組織アカウントまたは指定ユーザー アカウントを使用してサイン インする必要があります。注意:
ArcGIS Server Services Directory を構成して、ArcGIS Online ではなく ArcGIS Enterprise でマップを開くようにすることもできます。 構成の手順については、「ArcGIS Server Services Directory のポータルへの接続」をご参照ください。
次の手順に従って作業を開始します。
- Web ブラウザーを開き、ArcGIS Server Services Directory を参照します。
これは通常、http://gisserver.domain.com:6080/arcgis/rest/services にあります。 Services Directory には、ArcGIS Server と一緒にインストールされたショートカットを開くことでもアクセスできます。
- サービス リストで、マップ サービスの名前をクリックします。 通常、これは <マップサービス名> (MapServer) と表示されます。
マップ サービスが表示されない場合は、Services Directory のいずれかのフォルダー内にあります。
- マップ サービスが表示されているページで、[View In: ArcGIS Online Map Viewer] をクリックします。
新しいウィンドウ (またはタブ) が開き、Map Viewer Classicが表示されます。 Map Viewer Classic表示では、マップ サービスの範囲が表示されます。
- マップ サービスで移動やズームの操作を実行します。
マップのコンテキストをより適切に補足するためにベースマップ レイヤーを切り替えることもできます。
- 必要に応じて、Web マップを保存します。
参考トピック
これで、Map Viewer Classic を使用してマップ サービスを正常にテストすることができました。次に、他の ArcGIS クライアントでマップを使用して共有する方法を検討できます。 以下の例をご参照ください。
- ArcGIS Online および ArcGIS Enterprise で、テンプレートおよびアプリ ビルダーを使用して、カスタマイズされた Web マッピング アプリを作成できます。
これらを含むオプションの詳細については、ArcGIS for Developers サイトの「テンプレートおよびアプリ ビルダー」をご参照ください。
- ArcGIS API for JavaScript は、最も高度な Web マッピング機能とカスタム オプションを提供します。 この API を使用してプログラミングを問題なく行うことができる場合は、このチュートリアルで作成したマップ サービスと同じマップ サービスを使用して、Web 上でユーザーに豊富なエクスペリエンスを提供できます。
上記の ArcGIS クライアントの 1 つまたはすべてを探索することにより、特定の目的、目標または組織の戦略に合わせて Web マッピング シナリオをカスタマイズできる追加オプションが利用可能になります。