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WMS サービスのカスタム投影の定義

WMS サービスでは、常に well-known EPSG ID (例: EPSG:4326) が必要となります。この ID は、WMS ケーパビリティ ファイル内のサポートされている空間参照系を提供し、特定の投影のマップをリクエストするのに使用されます。ただし、多くのカスタム空間参照系は公式の EPSG ID に関連付けられていません。

ArcGIS Server WMS サービスを使用すると、WMS サービスでカスタム投影や投影の WKT (Well Known Text) 表現を定義できます。カスタム空間参照系が公式の EPSG ID に関連付けられていない場合は、特にこれが役に立ちます。たとえば、WMS サービスの公開者とユーザーは次の操作を実行できます。

  • カスタム投影に ID を割り当てて WMS ケーパビリティ ファイルを介して提供する。
  • WKT 文字列を使用して既存の投影を上書きする。
  • Well-Known Text (WKT) を直接指定して、特定の投影のマップをリクエストする。

listCustomCRS プロパティを使用してカスタム投影を定義する。

カスタム空間参照系を定義して提供するには、WMS サービスに listCustomCRS プロパティを追加する必要があります。10.7 では、ArcGIS Server Managerを使用してこのプロパティを構成することができます。

10.7 より前のバージョンでは、このプロパティを構成するのに、ArcGIS Server Administrator Directory しか使用できませんでした。このプロパティを構成するには、次の手順を実行します。

  1. ブラウザーで Administrator Directory を開いて、サイン インします。通常、Administrator Directory への URL は https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/admin/ です。
  2. [services] をクリックします。
  3. [Folder - /] ページで、編集する WMS 対応のマップ サービスの名前をクリックします。サービスがリストに表示されていない場合は、ルート フォルダーの下にあるサブフォルダーに存在する可能性があります。
  4. [サービス - <サービス名> (MapServer)] ページで、一番下までスクロールして [edit] をクリックします。
  5. [Service Properties] ダイアログ ボックスで、["typeName": "WMSServer"] セクションを見つけます。
  6. ["properties": {] セクション内で、listCustomCRS プロパティを追加し、カスタム投影または投影の WKT 表現を定義します。

この段階で、カスタム投影のデフォルト EPSG ID を定義するか、特定の EPSG ID を WKT 文字列に割り当てることができます。

デフォルトのカスタム投影の定義

WMS サービスのデフォルトのカスタム投影を定義するには、listCustomCRS プロパティに "EPSG:<ID>=DEFAULT" を追加して、カスタム投影の well-known ID にする EPSG ID を割り当てます。例:

"properties": {
    "listCustomCRS": "EPSG:200001=DEFAULT",
    ...

この例では、カスタム投影の well-known EPSG ID として EPSG:200001 を割り当てています。

WKT を使用したカスタム投影の定義

WMS サービスのカスタム投影を定義するには、listCustomCRS プロパティに "EPSG:<ID>=<カスタム投影 WKT>" を追加して、カスタム投影の WKT 文字列に EPSG ID を割り当てます。EPSG:<ID> は WMS サービスのケーパビリティ ファイルを通じて提供されます。このアプローチを使用して、既存の投影の定義を上書きすることもできます。

以下の例では、EPSG:200002 は WKT 文字列で表されたカスタム投影に割り当てられています。また、別の WKT 文字列を使用して EPSG:3857 の定義の上書きも行っています。

"properties": {
    "listCustomCRS":"EPSG:3857=PROJCS[\"International_1924_UTM_Zone_30N\",GEOGCS    [\"GCS_International_1924\",DATUM[\"D_International_1924\",SPHEROID    [\"International_1924\",6378388.0,297.0]],PRIMEM[\"Greenwich\",0.0],UNIT    [\"Degree\",0.0174532925199433]],PROJECTION[\"Transverse_Mercator\"],PARAMETER    [\"False_Easting\",500000.0],PARAMETER[\"False_Northing\",0.0],PARAMETER    [\"Central_Meridian\",-3.0],PARAMETER[\"Scale_Factor\",0.9996],PARAMETER    [\"Latitude_Of_Origin\",0.0],UNIT[\"Meter\",1.0]];EPSG:200002=GEOGCS    [\"GCS_WGS_1984\",DATUM[\"D_WGS_1984\",SPHEROID[\"WGS_1984\",6378137.0,298.257223563]],PRIMEM    [\"Greenwich\",0.0],UNIT[\"Degree\",0.0174532925199433],METADATA    [\"World\",-180.0,-90.0,180.0,90.0,0.0,0.0174532925199433,0.0,1262]]"
    ...

WKT の使用による特定の投影のリクエスト

以下の例は、GetMap リクエストで投影の WKT 表現を定義して WMS サービスから特定の投影のマップを要求する方法を示しています。

サンプル GetMap リクエスト

http://gisserver.domain.com:6080/arcgis/services/service/MapServer/WmsServer?VERSION=1.3.0&REQUEST=GetMap&CRS=PROJCS["International_1924_UTM_Zone_30N",GEOGCS["GCS_International_1924",DATUM["D_International_1924",SPHEROID["International_1924",6378388.0,297.0]],PRIMEM["Greenwich",0.0],UNIT["Degree",0.0174532925199433]],PROJECTION["Transverse_Mercator"],PARAMETER["False_Easting",500000.0],PARAMETER["False_Northing",0.0],PARAMETER["Central_Meridian",-3.0],PARAMETER["Scale_Factor",0.9996],PARAMETER["Latitude_Of_Origin",0.0],UNIT["Meter",1.0]]&BBOX=-116627.343234,3913652.137231,1206619.240498,4885411.347159&WIDTH=1024&HEIGHT=752&LAYERS=Color,Trama,Contactos&STYLES=,,&EXCEPTIONS=xml&FORMAT=image/png&BGCOLOR=0xFEFFFF&TRANSPARENT=TRUE