マップ サービスを ArcGIS Server サイトに公開するときに、必要に応じて、クライアントがマップ サービスでのレイヤーの外観と振舞いを動的に変更できるように選択することができます。
マップに表示されるレイヤー、レイヤー シンボル、レイヤーの順序と位置、ラベリングなどの決定を、ダイナミック レイヤーを使用することによって実行できます。 このように、ダイナミック レイヤーによってユーザーがマップに対して行う操作を拡張することができます。 次のことを行うシナリオを検討します。
- 米国の州のレイヤーでマップ ドキュメントを作成する。
- 2010 年度の各州の人口に基づいて色分類を適用する。
- マップをサービスとして ArcGIS Enterprise 組織に公開する。
- Map Viewer などのアプリやカスタム ArcGIS API for JavaScript Web アプリでサービスを使用する。
- Web アプリのユーザーが各州の人口を別のカラー ランプで表示できるようにする。
マップ サービスでダイナミック レイヤーを有効にすることにより、クライアントは Web アプリで州のシンボルを柔軟に変更できるようになります。変更したカラー ランプの適用は ArcGIS Server によって処理され、結果として作成されたマップ イメージがクライアント アプリケーションに返されます。
ダイナミック ワークスペース
フィーチャ レイヤー、フィーチャクラス、フィーチャ属性テーブル、シェープファイル、ラスター、スタンドアロン テーブルなどのデータをマップ サービスに動的に追加するには、追加するデータを格納できるようにワークスペースを設定する必要があります。
ダイナミック ワークスペースは、サポート対象データベース、エンタープライズ ジオデータベース、ファイル ジオデータベース、または ArcGIS Server サイトからアクセス可能なディスク上のファイル ディレクトリのどれでもかまいません。
ワークスペースを選択すると、マップ サービスで利用可能なワークスペース内でワークスペースを一意に識別するための ID を割り当てることができます。 マップ サービスではこの ID を使用して、ダイナミック レイヤー リクエストで指定されたデータ ソースに接続します。 この ID はサービスに対してプライベートで、管理者またはサービスの所有者のみがアクセスできます。
この ID は、マップ サービスのダイナミック ワークスペースを構成するときに変更できます。
ダイナミック ワークスペースを選択する際の注意事項
ダイナミック ワークスペースを選択する際は、マップ サービスをサポートするために必要なレイヤーおよびテーブルだけをワークスペースに含めることをお勧めします。
エンタープライズ ジオデータベースまたはデータベースをダイナミック ワークスペースとして選択する場合は、データベースに接続するアカウントにデータの最小限の権限 (データ ビューアー) を付与します。 可能であれば、独立した本番データベースを用意してダイナミック ワークスペースとして使用します。 データベースでのデータ アクセス権限については、次のヘルプ ページのいずれかをご参照ください。
- IBM Db2 でのユーザー権限
- Microsoft SQL Server でのユーザー権限
- Oracle でのユーザー権限
- PostgreSQL でのユーザー権限
- SAP HANA でのユーザー権限
- Teradata Vantage でのユーザー権限
上の方法を利用できない環境では、マップ サービスおよび Web アプリケーションに対するアクセスを制限することを検討してください。
HTTPS を使用して Web アプリケーションとマップ サービス間の通信を暗号化することもできます。 これにより、Web アプリケーションが送信したサービス リクエストを暗号化して、悪意を持った組織にワークスペース ID が取得されるのを防ぐことができます。 詳細については、「サービスまたはフォルダーの権限の変更」をご参照ください。
ダイナミック レイヤーの要件
ArcGIS Server アカウントには、マップ サービスに動的に追加するデータが含まれているダイナミック ワークスペースに対する読み取りアクセス以上の権限が必要です。 公開前にワークスペースに対する共有権限とファイル権限を設定する方法の詳細については、「データを ArcGIS Server でアクセス可能にする」をご参照ください。
ダイナミック レイヤーの全要件の一覧と、マップ サービス内のダイナミック レイヤーによって提供される機能については、「マップ サービスでサポートされている機能」をご参照ください。