マップ サービスやイメージ サービスのキャッシュは、作成および格納に大量のサーバー リソースを消費します。 キャッシュの作成時に利用できる一般的な方法を以下に示します。
キャッシュ全体を一度に作成する
キャッシュが非常に小さい場合は、すべての縮尺レベルのタイルを許容時間内に作成できるかもしれません。 小さな縮尺 (縮小) でキャッシュを作成するのは、その縮尺のマップをカバーするタイルが少なくて済むので非常に簡単です。
小さな縮尺で作成し、大きな縮尺で部分キャッシュを使用し、オンデマンド キャッシュにする
しかし、キャッシュが広範囲に渡る場合や非常に大きな縮尺をカバーする場合は、タイルの作成方法についてよく考える必要があります。 小さな縮尺のタイルは最も頻繁に表示されるので、キャッシュする必要があります。 これらのタイルは、拡大時に地理情報を取得するために使用されます。 大きな縮尺 (拡大) は、長い処理時間と大きな格納領域を必要とするので、部分的なキャッシュにすることができます。 また、小さな縮尺のタイルと比べてあまり表示されません。 表示される頻度が非常に低いエリアは、オンデマンド キャッシュにできます。
注意:
オンデマンド キャッシュでは、マップ ビューの内部とその周囲のすべてのタイルが作成されます。このため、オンデマンド キャッシュが有効なエリアに最初にアクセスしたとき、サービスを動的に表示する場合よりもマップの描画に時間がかかることがあります。 パフォーマンスを向上させるには、オンデマンド キャッシュは、あまり表示されないエリアに制限します。
小さな縮尺で作成し、大きな縮尺で部分キャッシュを使用し、「データは利用不能」タイルを使用する
大きなキャッシュ ジョブに取りかかるときは、小さな縮尺では全キャッシュを構築し、大きな縮尺では部分キャッシュを構築するのが賢明です。 部分キャッシュには、最も表示されると予想されるエリアのみを含めます。 キャッシュされないエリアは、オンデマンド キャッシュにするか、「データは利用不能」タイルを表示することができます。
特定の地域にはキャッシュを作成し、その他すべての地域には「データは利用不能」タイルを使用する
特定の地域に適用するキャッシュ方法を利用できます。 たとえば、中央カナダの大草原地帯を大きな縮尺でキャッシュします。 道路と町の存在が示しているように、人口のほとんどは南部の地域に集中しています。 これらのタイルを事前に作成しておくと、ほとんどのユーザーがキャッシュの効果をすぐに得られます。 地図の残りの部分については、ナビゲートするユーザーの数が少ないので、タイルをオンデマンドで作成するか、「データは利用不能」タイルを表示することができます。 人口の少ない広大なエリアのキャッシュを作成、格納、および管理するコストは、最初にアクセスするユーザーが迅速にナビゲートできるというメリットに相応しません。
フィーチャ範囲に基づいてタイルを事前作成するための最も簡単な方法は、特定のフィーチャクラスの境界内に含まれるタイルだけを事前に作成することです。 その際に使うフィーチャクラスはキャッシュ ツールを使って選択できます。 先の例では、カナダ南部の全域をカバーするフィーチャが 1 つ含まれたフィーチャクラスを提供することができます。 または、ArcGIS Pro で [マップ サービス キャッシュのタイルを管理 (Manage Map Server Cache Tiles)] ツールを起動して、画面上にフィーチャを描画することもできます。 どちらの場合でも、フィーチャを提供することで、人口の少ない広大なエリアのタイルを事前に作成せずに済みます。
ヒント:
[マップ サービス キャッシュのタイルを管理 (Manage Map Server Cache Tiles)] ツールを複数回実行して、さまざまな縮尺のサブセットに対するタイルの作成を空間的に制限できます。