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利用可能な WMS サービス プロパティの使用

このトピックでは、システムによって生成された WMS サービスのケーパビリティ ファイルを使用するときに利用可能なプロパティについて説明します。

Manager での WMS サービス プロパティへのアクセス

ArcGIS Server Manager で WMS サービス プロパティを設定または変更できます。 これを行うには、次の手順に従います。

  1. ArcGIS Server Manager を起動し、ログインします。 この手順の詳細については、「ArcGIS Server Manager へのログイン」をご参照ください。
  2. [サービス] > [サービスの管理] の順にクリックします。
  3. [サービスの管理] モジュールで、サービスを検索して [編集] 編集 をクリックします。 サービスがリストに表示されていない場合は、[サイト (ルート)] フォルダーの下にあるサブフォルダーに格納されています。
  4. [編集] モジュールで、[ケーパビリティ] をクリックします。
  5. ケーパビリティのリストで、[WMS] をクリックし、[WMS] が有効化されていることを確認します。
  6. [WMS の構成] リストで、[以下にサービス プロパティを入力] を選択します。
  7. WMS サービス プロパティを設定または変更します。
  8. [保存して再起動] をクリックします。 サービスに対する編集内容は直ちに適用されます。

WMS サービス プロパティ

以下の表に、WMS サービスで利用可能なプロパティとその説明を示します。

プロパティ説明

名前

OGC サービス タイプ。 このプロパティは、ArcGIS Server によって自動的に設定され、変更する必要はありません。

タイトル

WMS サービスの作成に使用されたマップまたはイメージ サービスの名前。 このプロパティは、ArcGIS Server によって自動的に設定され、変更する必要はありません。

概要

WMS サービスの追加情報を表す詳しい説明。 例:

WMS service maintained by Acme Corporation. Contact: webmaster@wmt.acme.com. High-quality map showing eagle nests and possible nesting locations.

キーワード

カタログで検索するときに利用できる、WMS サービスを表すキーワードまたはキーワード フレーズのリスト。 例:

map, bird, eagle, nest, site

オンライン リソース

OnlineResource プロパティには WMS サービスの URL のリストが指定されます。 このプロパティは、WMS クライアントが WMS サービスと正しく通信するために必要です。 このプロパティは、ArcGIS Server によって自動的に設定され、変更する必要はありません。

問い合わせ先担当者 (ContactPerson)

WMS サービスの代表問い合わせ先担当者。 例:

John Smith

問い合わせ先担当者の役職 (ContactPosition)

WMS サービスの問い合わせ先担当者の役職。 例:

IT Analyst

連絡先の組織 (ContactOrganization)

WMS サービスを作成した組織。 例:

NASA

住所タイプ (Address type)

WMS サービスを作成した組織で使用される住所タイプ。 例:

postal

住所

WMS サービスを作成した組織の住所。 例:

380 New York Street

都市

WMS サービスを作成した組織が所在する市区町村名。 例:

Redlands

都道府県 (StateorProvince)

WMS サービスを作成した組織が所在する都道府県名。 例:

California

郵便番号 (PostCode)

WMS サービスを作成した組織が所在する場所の郵便番号。 例:

92373

WMS サービスを作成した組織が所在する国名。 例:

USA

問い合わせ先の電話番号 (ContactVoiceTelephone)

WMS サービスの代表問い合わせ先担当者の電話番号。 例:

+1 909 793-2853

FAX 番号 (ContactFacsimileTelephone)

WMS サービスの代表問い合わせ先担当者の FAX 番号。 例:

+1 123 456-7890

問い合わせ先の電子メール アドレス (ContactElectronicMailAddress)

WMS サービスの代表問い合わせ先担当者の電子メール アドレス。 例:

user@host.com

料金 (Fees)

WMS サービスへのアクセスに必要な料金を表すテキスト。 例:

none

アクセス制限 (Access constraints)

WMS サービスへのアクセスおよび使用に関する制約や法的条件を表すテキスト。

For internal use only. Do not distribute.

SLD パスまたは URL

SLD を使用すると、WMS レイヤーごとに複数のスタイルを公開できます。 SLD ファイルを現在の WMS サービスにバインドする場合は、SLD パスまたは URL プロパティ、ネットワーク共有、または SLD MXL ファイルの物理的な位置を入力する必要があります。 ArcGIS Server が SLD XML ファイルを正しく読み取れるようにするには、ArcGIS Server アカウントがこの場所にアクセスできる必要があります。

SLD の詳細については、「WMS サービスでの Styled Layer Descriptors の使用」をご参照ください。

その他の空間参照系

このプロパティを使用して、空間参照系を WMS サービスに追加できます。 デフォルトでは、WMS サービスには、2 つの空間参照系のみがリストされます。1 つは、EPSG:4326 (WMS 1.3.0 の場合は CSR:84) で、もう 1 つは WMS が有効になっているマップ サービスの空間参照です。

その他の空間参照系をリストするには、それらの空間参照系をカンマ (,) で区切ります。 例: EPSG:4267,EPSG:4269,EPSG:102113 EPSG 名前空間 (EPSG など) と EPSG ID (4267 など) は、コロン (:) で区切って指定する必要があります。このように指定しないと、空間参照がサーバーに認識されません。

カスタム空間参照系

listCustomCRS プロパティを使用すると、WMS サービスにカスタム投影や、投影の Well-Known Text (WKT) 表現を定義できます。 つまり、WMS の公開者やユーザーは以下のことを行うことができます。

  • カスタム投影に ID を割り当てて WMS ケーパビリティ ファイルを介して提供する。
  • WKT 文字列を使用して既存の投影を上書きする。
  • Well-Known Text (WKT) を直接指定して、特定の投影のマップをリクエストする。

許容値 (ピクセル単位) の指定

このプロパティを使用すると、画面上でクリックしたときに GetFeatureInfo オペレーションでクライアントに返されるフィーチャ情報の許容値 (ピクセル単位) を定義できます。 たとえば、WMS に対してピクセル許容値 10 を定義すると、画面上の 10 ピクセル以内のフィーチャをクリックした場合に限りクライアントに情報が返されます。

マップ ドキュメントからレイヤー名を使用

デフォルトでは、このオプションはオフにされます。その場合、WMS サービスのレイヤーは 0 から始まる整数で表され、その整数はコンテンツ ウィンドウ内にトップダウン式に表示されたレイヤーの位置を示します。

バージョン 10.8 以降、レイヤー名に使用できる文字数の制限がなくなったため、WMS サーバーでは、必要に応じてレイヤー名の一意識別子が生成されます。

注意:

サーバーが割り当てたこの名前がタイトルに影響することはありません。

WMS サーバーは、文字の置換 (文字をアンダースコアに置換) と数値の接尾辞の追加によって一意の名前を割り当てます。 この処理は次のような場合に実行されます。

  • マップに同じ名前のレイヤーが複数含まれている。
  • レイヤー名が数字で始まっている。
  • レイヤー名にスペースまたは特殊文字 (?&=+`#%^{}[]<>,|" など) が含まれている。

注意:

接尾辞の数字は、元の文字列に基づく計算値であり、ランダムではありません。 そのため、レイヤー名が変更されていない限り、この数字はそのまま維持されます。 たとえば、「Layer "1"」と「Layer [1]」という 2 つのレイヤーが存在する場合は、どちらも「Layer__1_」に変換されます。 このような 2 つのレイヤー名を区別するために、一意の番号が変更後の文字列に接尾辞として追加されます。 この例では、変更後のレイヤー名がそれぞれ「Layer__1_1234」と「Layer__1_1256」になります。

幅と高さに基づいたマップ リアスペクトを適用

このプロパティにより、マップがリアスペクトされるかどうかが決まります。 デフォルトでは、このオプションはオフにされています。その場合、マップ エリアを表すピクセルは、WMS クライアントの要求する高さと幅に合わせてストレッチされます。

このオプションがオンの場合、ピクセルの高さと幅の比は変わりません。 マップが全体表示で要求された場合、表示エリア全体を満たさない可能性があります。

レイヤーへの名前識別子の割り当て

WMS サービスでは、デフォルトで、グループ レイヤーに [<名前>] が割り当てられません。 namedLayersMode プロパティを使用すると、WMS サービスでレイヤーに名前識別子が割り当てられる方法を制御できます。 このプロパティが allLayers に設定されている場合、名前識別子はグループ レイヤーとそのサブレイヤーの両方に割り当てられます。 このプロパティが subLayers に設定されているか、指定されないままの場合、名前識別子はグループ レイヤーのサブレイヤーのみに割り当てられます。 この場合、クライアントはグループ レイヤーを GetMap リクエストに含めることができず、グループ レイヤー内の個々のサブレイヤーを指定する必要があります。

Administrator Directory でのプロパティの設定

ほとんどのプロパティは、ArcGIS Server Manager を使用して設定できます。 ArcGIS Server Manager を使用してプロパティを変更できない場合は、ArcGIS Server Administrator Directory を使用してそのプロパティを変更または追加できます。

Administrator Directory を使用してプロパティを編集するには、次の手順に従います。

  1. ブラウザーで Administrator Directory を開いてログインします。 通常、Administrator Directory への URL は https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/admin/ です。
  2. [services] をクリックします。
  3. [Folder] ページで、編集する、WMS を有効にしたマップ サービスの名前をクリックします。 サービスがリストに表示されていない場合は、ルート フォルダーの下のサブフォルダーに格納されています。
  4. サービスのページで下までスクロールし、[edit] をクリックします。
  5. [Service Properties] ダイアログ ボックスで、["typeName": "WMSServer"] セクションを見つけます。
  6. [properties] セクションで、プロパティを追加し、必要なパラメーターを指定します。次に例を示します。

    "properties": {
       "name": "SampleWorldCities",
       "title": "WMS",
       "abstract": "",
       "keyword": "",
       "onlineResource": "",
       "contactPerson": "",
       "contactPosition": "",
       "contactOrganization": "",
       "address": "",
       "addressType": "",
       "city": "",
       "stateOrProvince": "",
       "postCode": "",
       "country": "",
       "contactVoiceTelephone": "",
       "contactFacsimileTelephone": "",
       "contactElectronicMailAddress": "",
       "fees": "",
       "accessConstraints": "",
    
       "customGetCapabilities": "false",
       "pathToCustomGetCapabilitiesFiles": "",
    
       "pathToCustomSLDFile": "",
       "listSupportedCRS": "",
       "listCustomCRS": "",
       "identifyToleranceInPixel": "10",
       "inheritLayerNames": "false",
       "reaspect": "true",
       "namedLayersMode": "subLayers",
    }

  7. [Save Edits] をクリックします。

プロパティが WMS に追加されます。

サービス プロパティの特殊文字

サービス プロパティに次の文字を含めることはできません: &<>"'。 これらの文字の 1 つを使用する必要がある場合は、以下の表の適切なエスケープ シーケンスに置き換える必要があります。

文字置換文字

&

&amp;

<

&lt;

>

&gt;

"

&quot;

'

&apos;

WMS サービスでの外部ケーパビリティ ファイルの使用

各 WMS サービスは、ケーパビリティ ファイルを通じてサービス レベルのメタデータを公開します。 ケーパビリティ ファイルは、クライアントがサービスにおいて GetCapabilities リクエストを実行したときに返される XML レスポンスです。 外部ケーパビリティ ファイルを設定すると、次のことが行えます。

  • サービスに関するメタデータを追加する
  • 各レイヤーに関するメタデータを追加する
  • 各レイヤーの凡例情報をカスタマイズする

WMS サービスで外部ケーパビリティ ファイルを使用するには、それらのファイルを作成し、WMS サービスで使用できるように設定する必要があります。 この処理については、下記のセクションで説明しています。

注意:

WMS サービスに外部ケーパビリティ ファイルを使用する場合は、OGC の DTD または XML スキーマに対してケーパビリティ ファイルを整合チェックする必要があります。 また、ケーパビリティ ファイルと公開されている WMS サービスのソース マップ ドキュメントを同期させる必要もあります。

外部ケーパビリティ ファイルの作成

外部ケーパビリティ ファイルを使用するように WMS サービスを設定するには、WMS ケーパビリティ ファイルを少なくとも 1 つ準備する必要があります。 新規にファイルを作成することも可能ですが、多くの場合、システム生成によるケーパビリティ ファイルをテンプレートとして使用した方が簡単です。

デフォルトでは、WMS GetCapabilities リクエストをサービスに送信するたびに、システムで生成されるケーパビリティ ファイルが自動的に作成されます。 システムで生成されるケーパビリティ ファイルをテンプレートとして使用するには、GetCapabilities リクエストを手動で送信し、レスポンスを XML として保存する必要があります。 WMS サービスで異なるバージョンの WMS プロトコル (1.0.0、1.1.0、1.1.1、1.3.0 など) をサポートしたい場合は、サポートする WMS のバージョンごとにケーパビリティ ファイルを作成する必要があります。

WMS サービス用の外部ケーパビリティ ファイルを作成するには、次の手順を実行します。

  1. まだ実行していない場合は、マップまたはイメージ サービスを公開して WMS ケーパビリティを有効にします。 詳細については、「WMS サービス」をご参照ください。
  2. Web ブラウザーに WMS サービスの URL を入力します。 URL は次のような形式になります。

    https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/services/folder/service/service type(can be MapServer or ImageServer)/WMSServer

  3. WMS サービスの URL の末尾に ?service=wms&request=GetCapabilities&version=1.0.0 を付加して、Enter キーを押します。 ブラウザーに表示される XML は、現在のサービス用の WMS バージョン 1.0.0 ケーパビリティ ファイルになります。
  4. 結果を .xml ファイルとして保存します。 <接頭辞><WMS バージョン>.xml という形式に従ってファイル名を指定する必要があります。 たとえば、WMS バージョン 1.0.0 GetCapabilities リクエストから作成された .xml ファイルを保存する場合は、ファイル名として共通の接頭辞 (Roads など) の後に 3 桁の WMS バージョン番号 (100) を指定します。 結果として「Roads100.xml」というファイル名になります。
  5. サポートする WMS バージョン (1.1.0、1.1.1、および 1.3.0 など) ごとにステップ 3 とステップ 4 を繰り返します。
  6. 各ケーパビリティ ファイルで WMS レイヤーのメタデータ情報を設定してカスタマイズします。
  7. HTTP 経由でアクセスできる共通フォルダーにケーパビリティ ファイルをすべて移します。 通常、この場所は組織の Web サーバー上にある仮想ディレクトリになります。

ArcGIS Server Manager での、外部ケーパビリティ ファイルを使用するための WMS サービスの設定

外部ケーパビリティ ファイルを使用するように WMS サービスを設定するには、ArcGIS Server Manager で、ケーパビリティ ファイルの URL を参照するように WMS サービスを更新する必要があります。

  1. ArcGIS Server Manager を起動して、ArcGIS Server 管理者としてサイン インします。 この手順の詳細については、「ArcGIS Server Manager へのログイン」をご参照ください。
  2. [サービス] > [サービスの管理] の順にクリックします。
  3. [サービスの管理] モジュールで、サービスを検索して [編集] 編集 をクリックします。 サービスがリストに表示されていない場合は、[サイト (ルート)] フォルダーの下にあるサブフォルダーに格納されています。
  4. [編集] モジュールで、[ケーパビリティ] をクリックします。
  5. ケーパビリティ リストで [WMS] をクリックします。
  6. [WMS の構成] リストで、[外部のケーパビリティ ファイルを使用] を選択します。
  7. [場所と接頭辞を指定] テキスト ボックスに、ケーパビリティ ファイルを配置しているフォルダーの URL とケーパビリティ ファイルに使用している共通の接頭辞を指定します。 たとえば、ケーパビリティ ファイルを配置しているフォルダーの URL が「https://webserver.domain.com/arcgis/WMS/services」であり、ケーパビリティ ファイルに使用している共通の接頭辞が「Roads」の場合は、[場所と接頭辞を指定] テキスト ボックスに「https://webserver.domain.com/arcgis/WMS/services/Roads」と指定します。
  8. [保存して再起動] をクリックします。