ArcGIS Enterprise ポータルでは、ポータル アイテムに関する情報がポータル コンテンツ ディレクトリに格納されます。 2 台のポータル コンピューターから成る高可用性ポータルを構成した場合は、両方のコンピューターでコンテンツ ディレクトリが共有されます。 コンテンツの可用性を高くするには、Portal for ArcGIS のコンテンツ ディレクトリを Amazon Simple Storage Service (S3) バケットに格納します。
このワークフローでは、Amazon S3 上にバケットを作成して、そのコンテンツ ディレクトリに S3 バケットを使用するポータルを作成し、1 つ目のポータル インスタンスのポータルに参加させる 2 つ目のポータル インスタンスを起動します。
S3 上のコンテンツ ディレクトリを使用した高可用性ポータルの作成
以下の手順に従って、Amazon S3 バケットを使用してポータル コンテンツ ディレクトリを格納する高可用性ポータルを作成します。それによって、コンテンツ ディレクトリの可用性を高くします。
- Amazon Web Services (AWS) Management Console を使用して Amazon S3 バケットを作成します。
バケットを、ポータルの Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) インスタンスを作成するのと同じリージョン内で作成します。
- 「AWS へのベース ArcGIS Enterprise ポータルの配置」のステップ 1 ~ 8 を完了します。
- ArcGIS Portal Directory を開きます。 URL の形式は https://portal.domain.com:7443/arcgis/portaladmin です。
- [新規サイトの作成] をクリックします。
- 初期ポータル管理者アカウントを作成します。
- ステップ 1 でダウンロードしたライセンス ファイルをインポートします。
- JSON の以下のブロックのいずれかをコピーし、[コンテンツ ストア] フィールドに貼り付けます。 connectionString の値を、必ずユーザーのアカウントと実装に固有の情報に置き換えてください。 objectStore では、コンテンツ ディレクトリを格納するためにステップ 1 で作成した S3 バケットの名前を指定します。
AWS アカウントの accessKeyId および secretAccessKey を使用して S3 バケットにアクセスする場合は、次の JSON を使用します。
{ "type": "cloudStore", "provider": "Amazon", "connectionString": {"accessKeyId":"ABCDEFGHIJK123456","secretAccessKey": "ZYXWVUTSRQPONML98765432","region": "<region name>","credentialType": "accessKey"}, "objectStore": "<your S3 bucket>" }
AWS アカウントに構成した IAMRole を使用して S3 バケットにアクセスする場合は、次の JSON を使用します。
{ "type": "cloudStore", "provider": "Amazon", "connectionString": {"region": "<region name>","credentialType": "IAMRole"}, "objectStore": "<your S3 bucket>" }
- [新規サイトの作成] をクリックします。
- 「AWS へのベース ArcGIS Enterprise ポータルの配置」のステップ 10 ~ 13 を完了して、ArcGIS Web Adaptor をインストールし、Portal for ArcGIS を使用して構成します。
- 2 つ目の EC2 インスタンスを起動します。
- 2 つ目のインスタンスへのリモート接続を作成して、そこに Portal for ArcGIS をインストールします。
- 2 つ目の Portal for ArcGIS のインストール (https://<fully qualified instance2 name>:7443/arcgis/home) のポータル Web サイトを開き、[既存のポータルに参加] オプションを選択します。
- 1 つ目のインスタンス上で構成したポータルの [ポータル URL] を入力します。
URL の形式は https://<fully qualified instance1 name>:7443 です。
- 上記のステップ 5 で作成した初期ポータル管理者のユーザー名とパスワードを入力します。
- [参加] をクリックします。
これで、S3 に格納された、共有された高可用性コンテンツ ディレクトリを使用して Portal for ArcGIS を実行する 2 つの AWS インスタンスが存在するようになりました。
注意:
今後、ポータルの配置を削除する場合は、コンテンツ ディレクトリに使用される S3 バケットを手動で空にして削除する必要があります。Portal for ArcGIS をアンインストールしても、コンテンツ ディレクトリやバケットは削除されません。
次の手順
ArcGIS Enterprise ポータル全体を高可用性にするには、ホスティング GIS Server サイトと ArcGIS Data Store も高可用性構成にする必要があります。 可用性の高い GIS Server サイトと ArcGIS Data Store の構成手順については、次のトピックをご参照ください。