サイトには、ArcGIS Server が配置されます。 ArcGIS Server を既存のサイトに追加する目的でコンピューターにインストールした場合は、ArcGIS Server Manager の初回起動時に、そのサイトを指定することができます。 また、コマンド ライン ユーティリティを使ってコンピューターをサイトに追加することもできます。
注意:
既存のサイトが HTTP のみを使用するように構成されている場合、「サイトへの ArcGIS Server コンピューターの追加」に記載されている手順に従って、新しいサーバー コンピューターをそのサイトに追加する必要があります。
サイトに参加する前の注意事項
[サイトに参加] 操作により、既存の ArcGIS Server サイトに新しいコンピューターが追加されます。 この操作は、新しいコンピューターへの移行のために一時的に行ったり、サーバー サイトのリソースと処理能力の向上のために恒久的に行ったりすることができます。 サイトに参加を使用して移行する場合は、新しいコンピューターと既存のコンピューターが一致している必要はありませんが、サイト内のすべてのコンピューターを保持する場合は、次の基準を満たす必要があります。
- 新しいコンピューターは、サイト内の他の ArcGIS Server コンピューターと同じオペレーティング システム プラットフォーム上で稼働している必要があります。 サイト内のすべてのコンピューターで、同じオペレーティング システム バージョンとハードウェア リソースを使用することをお勧めします。 それぞれが 3 GHz プロセッサおよび 8 GB の RAM を搭載した Red Hat Enterprise Linux Server 8 上で実行されている ArcGIS Server コンピューターで構成されているサイトの場合、そのサイトに追加するコンピューターも同じオペレーティング システムとハードウェア仕様にする必要があります。
- 新しいコンピューターは、サイト内の他の ArcGIS Server コンピューターと同じバージョン番号である必要があります。
- 新しいコンピューターは、サイト内の他の ArcGIS Server コンピューターと同じようにライセンスが付与される必要があります。
- 新しいコンピューターは、サイトの構成ストアとサーバー ディレクトリに対して読み取り/書き込みができる必要があります。
- 新しいコンピューターは、「ArcGIS Server で使用されるポート」に示されているポートを通じて、サイト内の他のすべての ArcGIS Server コンピューターと通信できる必要があります。 これには、ファイアウォール設定の調整が必要になる場合があります。
- 新しいコンピューターは、サイト上のサービスが参照するすべてのデータを読み取ることができる必要があります。 これを確認する良い方法は、コンピューターがサイトに登録されているすべてのデータ ストレージの場所に対する権限を持つかどうかをチェックすることです。 これらの登録された場所の詳細については、「ArcGIS Server のデータ ソース」をご参照ください。
- 新しいコンピューターは、サイト内の他の ArcGIS Server コンピューターと同じタイム ゾーンで構成されている必要があります。タイム ゾーンが異なると、joinSite 操作はライセンス エラーで失敗します。
- 稼働中のすべての ArcGIS Server コンピューターが、すべてのシステムで同じマウント ポイントを使用し、NFS を通じて同じ共有ディレクトリの読み書き権限があるものとします。 たとえば、ファイル サーバー共有ディレクトリを 1 台のコンピューターの /arcgis にマウントし、構成ストアおよびサーバー ディレクトリに使用している場合は、すべてのコンピューターがその同じディレクトリを /arcgis にマウントしなければなりません。
- 共有された構成ストアおよびサーバー ディレクトリの場所への読み取り/書き込みを可能にするには、すべての ArcGIS Server コンピューターが、同じユーザー ID (uid) またはグループ ID (gid) を持つユーザーで動作している必要があります。
詳細:
サイトを作成したり、サイトにコンピューターを参加させたりする場合、<ArcGIS Server installation directory>/usr/logs/<machine name>/server に [冗長] レベルでログが書き込まれます。 サイトの作成またはコンピューターの追加に失敗した場合は、ログをテキスト エディターで開いて、問題に関する詳しい情報を確認できます。
サイトの作成または参加が完了すると、ログは <ArcGIS Server installation directory>/arcgis/server/usr/logs に移動し、ログ レベルが [警告] に設定されます。 ArcGIS Server アカウントに、このフォルダーに対する作成または書き込みの権限がない場合、サイトの作成またはサイトへの参加は失敗します。 ドライブ全体へのフォルダーの作成権限を ArcGIS Server アカウントに付与しない場合は、このフォルダーを事前に手動で作成し、ArcGIS Server アカウントにフォルダーに対する書き込みの権限を付与することができます。
Server Manager を使用し、サイトに参加
ArcGIS Server Manager アプリケーションを使用してコンピューターをサイトに参加させるには、次の手順に従います。
- Server Manager を開きます。 ブラウザーで Server Manager を開くための URL は https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/manager です。また、インストール済みのショートカットを使用することもできます。
ユーザー名とパスワードの入力を求められた場合は、別のユーザーがこのコンピューターを既存のサイトにすでに参加させています。
- [既存サイトに参加] をクリックします。
- 参加させるサイトの URL を入力します。 URL の形式は通常、https://gisserver.domain.com:6443/ です。
- 参加させるサイトの管理者名とパスワードを入力します。 サイトを作成したときに使用したユーザー名およびパスワード (プライマリ サイト管理者) か、サーバー管理者が管理権限を付与した別の ArcGIS Server ユーザー アカウントを指定します。
[次へ] をクリックします。
- 構成のサマリーを確認して、コンピューターをサイトに参加させる準備ができたら [完了] をクリックします。
- サイトにデータベース コネクタ タイプがある場合、stopserver/startserver スクリプトを ArcGIS Server の所有者として実行し、新規追加された各コンピューター上で ArcGIS Server を再起動する必要があります。 それらのスクリプトは、$AGSHOME ディレクトリにあります。 再起動後、追加された各コンピューター上で ArcGIS Server のすべての機能を利用できるようになります。
コンピューターがサイトに追加されます。
コマンド ラインからのサイトへの参加
join-site コマンド ライン ユーティリティを使用して、コンピューターを ArcGIS Server サイトに参加させることもできます。 このユーティリティでは、既存のサイトの構成ストアの位置 (URL ではなく) を指定する必要があります。 そのため、URL を使用することで、サイトのネットワーク リクエスト キューを詰まらせる可能性がある場合に、このユーティリティは有効です。 ArcGIS Server サイト内のコンピューターがネットワーク リクエストですでに過負荷状態になっている場合や一度に多数のコンピューターをサイトに参加させる場合には、このユーティリティの使用を検討してください。
join-site ユーティリティを使用する場合、Server Manager を使用して参加させる場合と同じ基準および注意事項がコンピューターに適用されます。
join-site ユーティリティは、ArcGIS Server インストール ディレクトリの下の /tools/JoinSite にインストールされています。 既存のサイトに追加する ArcGIS Server コンピューターから join-site ユーティリティを実行します。ArcGIS Server の [Run As] アカウントを使用してください。
バージョン 10.8 以降では、このユーティリティは、新しく追加されるコンピューターが処理要求を開始できるタイミングを制御するためのオプション フラグ -m を含みます。 ユーティリティ コマンドに -m true を含めると、コンピューターは、サイトに参加する際に、メンテナンス状態に入ります。 コンピューターがメンテナンス状態に入っているとき、ArcGIS Web Adaptor はコンピューターにリクエストを送信しません。 -m を含めない場合や -m false を指定する場合、コンピューターは、サーバー サイトに追加された時点で直ちにリクエストを処理できます。
- 既存サイトの構成ストア ディレクトリに対する読み取り/書き込みアクセス権を、サイトに参加させるコンピューター上で ArcGIS Server のインストールに使用されるアカウントに付与します。
- connection.json という名前の JSON (JavaScript Object Notation) ファイルを作成します。
- 次に示す行をファイルに追加して、<path to the configuration store> を既存の ArcGIS Server サイトの構成ストアの場所と置き換えます。
{"type": "FILESYSTEM", "connectionString": "<path to the configuration store>"}
この例で言うと、既存サイトの構成ストアへのパスは /net/myserver/share/config-store です。
{"type": "FILESYSTEM", "connectionString": "/net/myserver/arcgis/server/usr/config-store"}
- connection.json ファイルを保存して閉じます。
- connection.json ファイルは、サイトに参加するコンピューター上か、サイトに参加するコンピューターからアクセス可能な共有ディレクトリに配置します。
- コマンド プロンプトを開き、join-site を実行します。構文は次のとおりです。
./join-site.sh -f <The file path to the configuration store JSON file> -m <specify true to initially place the machine under maintenance>
この例で言うと、構成ストア JSON ファイル (connection.json) へのパスは /usr/serverfiles で、コンピューターは、参加の際にメンテナンス状態に入りません。
./join-site.sh -f "/usr/serverfiles/connection.json"
コンピューターは ArcGIS Server サイトに参加しています。