ネットワーク データセットのライブ交通量ユーティリティの設定を使用すると、ArcGIS Online のライブ交通量データをネットワーク データセットで利用できるように構成できます。 ネットワーク データセットをライブ交通量で設定した後、このネットワーク データセットに基づいてルート検索サービスを公開できます。
ユーティリティを実行する前に、次のものを用意しておく必要があります:
- TMC または OpenLR ベースのライブ交通に対応するように設定されたネットワーク データセット。
ライブ交通量の前提条件の設定方法の詳細。
- ArcGIS Online サブスクリプションのライブ交通量エクステンション。
ライブ交通量エクステンションを有効にするには、「Esri カスタマー サービス」にお問い合わせください。
パラメーター
次のパラメーターを使用して、ネットワーク データセットのライブ交通量ユーティリティの設定を実行できます。
パラメーター | 詳細 |
---|---|
-u | ArcGIS Online からライブ交通量データを取得するために使用される ArcGIS Online アカウントのユーザー名。 このアカウントの ArcGIS Online サブスクリプションは、ライブ交通量エクステンションのライセンスが付与されている必要があります。 |
-p | -u パラメーターで指定するユーザーのパスワード。 |
-n | ネットワーク データセットの絶対パス。 ネットワーク データセットがファイル ジオデータベース内にある場合、-n オプションの値にファイル ジオデータベースへのパス、ネットワーク データセットの名前、ネットワーク データセットを含むフィーチャ データセットの名前を含める必要があります。 たとえば、このオプションの値は、Windows では c:\data\Streets.gdb\Routing\Routing_ND、Linux では /data/Streets.gdb/Routing/Routing_ND となります。ここで、Streets.gdb は Routing という名前のフィーチャ データセット内にある、Routing_ND という名前のネットワーク データセットを持つファイル ジオデータベースです。 ネットワーク データセットがモバイル マップ パッケージ内にある場合、-n オプションの値に、モバイル マップ パッケージが抽出されたフォルダーから SQLite データベースへのパス、ネットワーク データセットの名前、ネットワーク データセットを含むフィーチャ データセットの名前を含める必要があります。 たとえば、このオプションの値は、Windows では c:\street_data\p30\northamerica.geodatabase\Routing\Routing_ND、Linux では /data/street_data/p30/northamerica.geodatabase/Routing/Routing_ND となります。ここで、northamerica.geodatabase は Routing という名前のフィーチャ データセット内にある、Routing_ND という名前のネットワーク データセットを持つ SQLite ジオデータベースです。 |
-r | ライブ交通量データを取得する地域の名前。 有効な選択肢は、NorthAmerica、LatinAmerica、Europe、MiddleEastAndAfrica、および AsiaPacific です。 |
-t | ネットワーク データセットに設定するライブ交通量の種類です。 有効な選択肢は、OpenLR と TMC です。 デフォルト値は OpenLR です |
-l | OpenLR ベースのライブ交通量を設定する際に、交通量のキャッシュ ファイルを保存する既存のフォルダーへのパス。 指定しない場合、システムのデフォルト フォルダーが使用されます。 ヒント:システムのデフォルトは、コンピューターの高速ストレージに配置されていない場合があります。 最良のパフォーマンスを得るには、このオプションの値として指定するパスは、コンピューターの高速ストレージ (例: SSD ドライブ) に配置することをおすすめします。 |
-h | ユーティリティのヘルプを出力します。 |
注意:
このツールは、入力ネットワーク データセットを変更し、ネットワーク データセットを含むジオデータベースのフォルダーにファイルを作成します。 .traffic エクステンションおよび .ags エクステンションのファイルは、ライブ交通量機能が正常に動作するように、ネットワーク データセットと一緒にコピーする必要があります。 たとえば、複数台のコンピューターがある ArcGIS Server サイトでルート検索サービスを公開する前に、修正されたネットワーク データセットと出力ファイルをサイト内のすべてのコンピューターにコピーしておく必要があります。
例
以下の例は、ArcGIS Server サイトでネットワーク データセットのライブ交通量ユーティリティの設定を呼び出す方法を示しています。
注意:
このユーティリティでサポートされているいずれかのパラメーターの値に @ 文字が使用されている場合 (たとえば -p オプションで指定されたパスワード)、コマンド ラインでパラメーター値を指定することができません。 代わりに、パラメーターをファイルに保存して、ファイルからパラメーターを渡す必要があります。
OpenLR ライブ交通量を使用して、ファイル ジオデータベースに保存された北アメリカ向けのネットワーク データセットを設定します。 ライブ交通量データは、既存のフォルダー /data/traffic-cache にダウンロードされるように設定されています。 この例では、ArcGIS Server のインストール場所が /arcgis/server であることを前提としています。
/arcgis/server/tools/python3 /arcgis/server/framework/runtime/ArcGIS/Resources/ArcToolBox/Services/routingservices/configure_smp_live_traffic.py -u username -p secret -n /data/NorthAmerica.gdb/Routing/Routing_ND -r NorthAmerica -t OpenLR -l /data/traffic-cache
ファイルからパラメーターを入力してユーティリティを呼び出すことができます。 ユーティリティを自動プロセスの一部として実行している場合や、コマンド ラインですべてのオプションを入力したくない場合は、この方法が有効です。 ファイルからパラメーターを指定するには、テキスト ファイルを作成して 1 行ごとに各オプションを指定します。 パラメーターの名前と値は、= 記号を使用して区切ります。 以下は、さまざまなオプションを指定したファイル例です。
-u=username
-p=secret
-n=/data/NorthAmerica.gdb/Routing/Routing_ND
-r=NorthAmerica
-t=OpenLR
-l=/data/traffic-cache
上記の tool-params.txt ファイルを使用してツールを実行するには、ツールを呼び出し、@ 記号を使用してファイルへのパスを指定します。
注意:
パラメーターが記述されたファイルに余分な改行や余白が含まれていないことを確認してください。
/arcgis/server/tools/python3 /arcgis/server/framework/runtime/ArcGIS/Resources/ArcToolBox/Services/routingservices/configure_smp_live_traffic.py @/data/tool-params.txt