ArcGIS Server 11.3 セットアップ パッケージでは、お使いのシステムに現在インストールされている 10.7 以降のバージョンをアップグレードできます。 手順は次のとおりです。
注意:
アップグレード プロセスにより、すべての ArcGIS Server サービスは再起動されます。 アップグレード中は ArcGIS Server サイトをオフラインにすることを検討してください。
ArcMap ランタイム サービスを ArcGIS Pro ランタイムに移行する
ArcGIS Enterprise 11.0 以降、ArcGIS Server では ArcMap サービス ランタイムのサポートがなくなります。 ArcMap のサービス (ArcPy とともにインストールされた ArcMap のバージョンを使用して公開されたサービスを含む) を ArcGIS Server サイトに公開することはできません。
ArcGIS Server を 10.9.1 以前から 11.3 にアップグレードすると、既存の Web レイヤーで次の動作が発生します。
- ArcMap サービス ランタイムを使用する次の既存のマップ サービス、イメージ サービス、およびジオデータ サービスが、アップグレード プロセスの一部として ArcGIS Pro サービス ラインタイムに移行されます。 サービス移行後も、サービスの構成は変わりません。
- マップ サービス (KML が有効化/無効化されているもの)
- フィーチャ サービス (フィーチャ アクセスが有効になったマップ サービス)
- イメージ サービス
- WMS サービス (WMS が有効になったマップ サービス)
- WCS サービス (WCS が有効になったマップ サービス)
- WFS サービス (WFS が有効になったマップ サービス)
- ネットワーク解析サービス (ネットワーク解析が有効になったマップ サービス)
- ジオデータ サービス
- 移行されたマップ サービス、イメージ サービス、ジオデータ サービスのいずれかに ArcGIS Pro ランタイムでサポートされていないデータが含まれている場合、そのレイヤーはアップグレード後にサービスから削除されます。
- ArcMap サービス ランタイムを使用するジオコード サービスとジオプロセシング サービスは、移行または再公開されるまで機能しません。
サービスの移行の詳細については、「サービスを ArcGIS Pro サービス ランタイムに移行」をご参照ください。
ArcGIS Server 10.7 以降のアップグレード
ArcGIS Server 11.3 セットアップ パッケージは、対象システムで ArcGIS Server の既存のインストールを検出してアップグレードします。 これまでにリリースされた各バージョンを順に取得してインストールしたり、ArcGIS Server の以前のバージョンをアンインストールしたりする必要はありません。
ArcGIS Server 10.6.1 以前のアップグレード
バージョン 10.6.1 以前から ArcGIS Server 11.3 に直接アップグレードする操作はサポートされていません。 10.6.1 以前を ArcGIS Server 11.3 にアップグレードするには、まず中間バージョン (10.7 ~ 10.9.1) にアップグレードします。 次に、そのバージョンを ArcGIS Server 11.3 にアップグレードします。 こうすることで、サイトの構成ストアとサーバー ディレクトリが維持されます。
注意:
中間バージョンのアップグレードに関するドキュメントを読み、開始する ArcGIS Server のバージョンで直接アップグレードする操作がサポートされていることを確認します。
バージョン 10.0 以前のサイトは、既存のコンテンツやディレクトリを維持できません。 ソフトウェアをアンインストールして、ArcGIS Server 11.3 を新しいサイトとしてインストールする必要があります。
ArcGIS Server のアップグレードの準備
アップグレードを実行する前に、次の情報をよく確認してください。 「ArcGIS Server のアップグレードに関するよくあるご質問」の完全リストをご参照ください。
- 以前のバージョンから 11.3 にアップグレードする場合、11.3 の新しい認証ファイルを使用してソフトウェアを再認証する必要があります。 My Esri で新しい認証ファイルにアクセスできます。
- ArcGIS Enterprise ポータルが正常に機能するには、ホスティング サーバーと同じバージョンである必要があります。 ArcGIS Web Adaptor インスタンスを再インストールして ArcGIS Server と同じバージョンにする必要もあります。
- 配置をアップグレードする際に、ポータルとフェデレートしているサーバーのフェデレーションを解除しないでください。 解除すると、ポータルの配置に悪影響が出て、ユーザーによるポータルの ArcGIS Server サービスへのアクセス、共有、使用ができなくなります。
ArcGIS Server サイトをアップグレードする場合、アップグレードされたサイトのコンテンツを保存するために、/tmp ディレクトリ内で適切なスペースが使用可能になるようにします。 <install dir>/usr/config-store と <install dir>/usr/directories の両方のサイズを十分なスペースに指定します。
- ArcGIS Enterprise ポータルのバージョンは、フェデレートされているホスティング サーバー、GeoAnalytics Server、GeoEvent Server、およびラスター解析サーバーのバージョンと一致する必要があります。 他のフェデレーション サーバーのサポートされているバージョンについては、「ArcGIS Server とポータルのフェデレーション」をご参照ください。
- アップグレードする前に ArcGIS Server サイトのバックアップを作成すると、前のバージョンにロールバックする必要が生じた場合にこのバックアップを使用できます。 アップグレードする前に ArcGIS Server サイトをバックアップする手順については、「ArcGIS Server のサイト構成のバックアップと復元」をご参照ください。
- サイトが読み取り専用モードの場合、サイト モードは、アップグレード時に編集可能に設定されます。 サイトのすべてのコンピューターが正常にアップグレードされた後も、サイトは編集可能モードのままになります。 アップグレードが完了したら、再び読み取り専用モードに切り替えることができます。
- アップグレードの前に、ArcGIS Server の配置へのアクセスに使用されているすべての Web ブラウザーのキャッシュをクリアします。
- ArcGIS Server サイトをアップグレードする前に、サイトで使用するデータベースが、アップグレード後の ArcGIS Server バージョンでサポートされていることを確認します。 詳細については、下記の関連する「ArcGIS リレーショナル データベース管理システムの要件」トピックをご参照ください。 [他のバージョン] ドロップダウン リストを使用して、アップグレードする ArcGIS のバージョンを選択します。
- アップグレードの前に、必要なポートが、通信できるように開いていることを確認します。
ArcGIS Enterprise のアップグレードの順序
ArcGIS Enterprise の配置でコンポーネントをアップグレードする場合に推奨される順序は次のとおりです。
- Portal for ArcGIS をアップグレードします。
- ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (Portal for ArcGIS 用)。
- ポータルのホスティング サーバーとして機能する ArcGIS Server サイトをアップグレードします。
- ArcGIS Web Adaptor をアップグレードします (ArcGIS Server 用)。
- ArcGIS Data Store をアップグレードします。
- ArcGIS Enterprise 配置にこれらが含まれる場合は、フェデレーション サーバーをアップグレードします。
ほどんどのフェデレーション サーバーは、ベースの ArcGIS Enterprise 配置のバージョンに一致する必要があります。 フェデレーション サーバーのサポートされているバージョンに関する詳細は、「ArcGIS Server とポータルのフェデレーション」をご参照ください。
アップグレードが必要なフェデレーション サーバーのタイプのアップグレード情報をご参照ください。
複数コンピューターのサイトのアップグレード
複数コンピューターの ArcGIS Server サイトを使用している場合は、サイトの各コンピューターをバージョン 11.3 にアップグレードする必要があります。 各 ArcGIS Server コンピューターを連続してアップグレードすることをお勧めします。つまり、最初のコンピューターのアップグレードが終了するまで待機してから、次のコンピューターのアップグレードに進みます。 サイト内の各 ArcGIS Server コンピューターのバージョン番号を同じにし、同じバージョンのライセンスを各サーバーに適用する必要があります。
コンピューターに ArcGIS Web Adaptor を構成している場合、対応する ArcGIS Web Adaptor コンピューターのアップグレードが完了したら各 ArcGIS Server インスタンスをアップグレードします。
複数コンピューターの ArcGIS GeoAnalytics Server サイトを使用している場合、アップグレードの際には、下記の「ArcGIS GeoAnalytics Server のアップグレード」セクションの追加手順を実行します。
ArcGIS Server (Linux 版) のアップグレード
- コマンド プロンプトから、前のバージョンをインストールした際に使用したユーザーとして ArcGIS Server 11.3 のセットアップ スクリプトを起動します (例: <CD ROOT or untar directory>/Setup)。
このスクリプトを起動する前に、ArcGIS Server を停止する必要はありません。 セットアップ オプションとサンプル構文については、「ArcGIS Server のサイレント インストール」の手順をご参照ください。
ヒント:
ArcGIS Server 11.3 セットアップ メディアからセットアップ スクリプトを起動するには、セットアップ スクリプトをクリックして、[ターミナルで実行] ボタンをクリックします。
- セットアップがインストール先のコンピューターで既存の旧バージョンの ArcGIS Server を検出すると、続行するかアップグレードを終了するかを確認するプロンプトが表示されます。 例を以下に示します。
========================================================================= ArcGIS Server 11.3 (Linux) ========================================================================= Your ArcGIS Server <Previous Version> is installed at: /home/ags/arcgis/server Confirm Settings ========================================================================= Product to upgrade: ArcGIS Server <Previous Version> (Linux) Location to upgrade: /home/ags/arcgis/server Your ArcGIS Server <Previous Version> will be stopped when performing the upgrade and ArcGIS Server 11.3 will be started after the upgrade completes. 'y' to continue with these settings 'q' to exit without upgrading this product Enter choice [y,q] (y):
確認が表示されないようにするには、/Setup -l yes -m silent の代わりに /Setup を実行します。
- 「y」と入力して Enter を押すと、検出された設定を適用してアップデートを続行します。
注意:
ArcGIS Server が 11.3 にアップグレードされるまでしばらくお待ちください。 これには、数分かかる場合があります。
- インストールが完了したら、authorizeSoftware ツールを使用して、新しいライセンス ファイルで ArcGIS Server を再認証する必要があります。 My Esri で新しい認証ファイルにアクセスできます。 ソフトウェアは後で認証することもできますが、アップグレード プロセスの次の手順に進む前に、このワークフローを完了する必要があります。
注意:
ArcGIS Server を複数のライセンス ロールとして認証する場合、コンピューターに適用するライセンス ロールごとに 1 度、authorizeSoftware ツールを実行する必要があります。
ArcGIS Server ライセンスに有効期限がある場合、ArcGIS Server ライセンスをアップグレードして更新した後、エンタープライズ ジオデータベースのライセンスを更新することを検討してください。
- 認証されたら、ArcGIS Server Manager を開いて [サーバーのアップグレードの継続] をクリックして、最初のコンピューターでアップグレードを完了します。
この手順を完了するには、アップグレードを実行しているローカル コンピューター上で ArcGIS Server Manager を使用する必要があります。また、アップグレードは一度に 1 台のコンピューターで実行する必要があります。 localhost を使用できない場合は、ポート 6443 にあるサーバー コンピューターの完全修飾ドメイン名 (ArcGIS Server Manager) を使用して https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/manager にアクセスできます。 ArcGIS Web Adaptor またはロード バランサーで [サーバーのアップグレードの継続] を使用することはできません。
upgradeserver コマンド ライン ユーティリティを使用して、アップグレードとアップグレード後の操作をサイレントに完了することもできます。 コマンド ラインで、<Server install directory>/tools/upgradeserver フォルダーを参照して、upgradeserver.sh -s を実行します。 ヘルプが必要な場合は、-h または --help を使用してコマンドを実行します。
注意:
[サーバーのアップグレードの継続] を使用するとエラーが返される場合は、続行する前にエラーに対処する必要があります。 たとえば、無効なライセンスに関するエラーが発生した場合、有効なライセンスを使用してソフトウェアを再認証する必要があります。 [サーバーのアップグレードの継続] をもう一度クリックして再試行します。
- アップグレードされた ArcGIS Server を ArcGIS GeoAnalytics Server として使用するか、ArcGIS Image Server とともにラスター解析に使用する際に、これらのロールをこれまで使用したことがない場合は、次の手順に従って、アップグレードされた ArcGIS Server サイトをこれらの目的に使用します。
- ArcGIS GeoAnalytics Server または ArcGIS Image Server のライセンス ロールを使用してサイトを認証したことを確認します。
- サイトとフェデレートされたポータルにサイン インします。 デフォルト管理者ロールのメンバーとしてサイン インします。 ポータル URL の形式は https://webadaptorhost.domain.com/<webadaptorname>/home です。
- [組織] > [設定] > [サーバー] の順にクリックします。
- [サーバー] ページで、[サーバー サイトの検証] をクリックして、ArcGIS GeoAnalytics Server またはラスター解析サーバーとして使用するフェデレーション サーバーがポータルと通信できることを確認します。 有効な各フェデレーション サーバーの [ステータス] の横に緑色のチェックマークが表示されます。
- サーバーが有効であることを確認したら、サーバーに割り当てられている現在の [サーバー ロール] をクリックし、[GeoAnalytics Server] または [ラスター解析サーバー] をオンにして、このサーバーをポータルの ArcGIS GeoAnalytics Server またはラスター解析サーバーとして構成します。
- 10.4.1 以前のバージョンからアップグレードする場合、ポータルのホスティング サーバーのコンピューター上と、ArcGIS Server として使用されるフェデレーション サーバーのコンピューターまたは ArcGIS GeoAnalytics Server によるラスター解析のコンピューター上で ArcGIS Image Server サービスを再起動します。
複数コンピューターの ArcGIS Server サイトを使用している場合は、サイトの残りのコンピューターで上記の手順を繰り返します。
ArcGIS Web Adaptor をサイトと連携するように構成した場合は、11.3 ArcGIS Web Adaptor もインストールする必要があります。 使用するタイプの Web Adaptor の手順に従います。
注意:
ArcGIS Server サイトをポータルとフェデレートしていて、サイトで ArcGIS Web Adaptor を使用している場合は、Web Adaptor をホストしているコンピューターにサイン インして ArcGIS Web Adaptor をアンインストールします。 Web Adaptor の名前を記録します。再インストールする際に、同じ名前を使用する必要があるためです。
レガシー:
ArcGIS Server 10.1 から 10.3 に公開されたサービスで使用されるデータベース接続ファイルのパスワードまたはデータベース インスタンス名を変更するには、externalizeconnectionstrings ユーティリティを実行する必要があります。 サイトを ArcGIS Server 10.4 以降にアップグレードしても、サービスが ArcGIS Server 10.1.x、10.2.x、または 10.3.x のサイトに公開されている場合は、データベース接続で使用されるパスワードまたはデータベース インスタンスを更新する前に、サービスに対してこのユーティリティを実行する必要があります。 このユーティリティはサービスごとに 1 回だけ実行する必要があります。
サーバー オブジェクト エクステンション (SOE) またはサーバー オブジェクト インターセプター (SOI) を使用してサービスをカスタマイズした場合は、ArcGIS Server のアップグレード後にサービスを再起動してください。
ArcGIS GeoAnalytics Server のアップグレード
複数コンピューターの GeoAnalytics Server サイトを使用している場合は、配置をアップグレードする際に次の追加手順を実行する必要があります。
- ArcGIS Server コマンドを使用して GeoAnalytics Server サイトのすべてのコンピューターで stopserver.sh サービスを停止します。
- 次の手順に従って、アップグレード処理を妨げていることがわかっている、デタッチされた ArcGIS Server プロセスを確認します。
- ps -ef | grep arcgis/server コマンドを使用して、デタッチされたプロセスを特定します。
- パスの先頭が <ArcGIS Server install location>/arcgis/server のプロセスを探します。 kill -9 コマンドを使用して、該当するプロセスを停止します。
- GeoAnalytics Server サイトにあるすべてのコンピューターについて、この手順を繰り返します。
- デタッチされた ArcGIS Server プロセスが動いていないことが確認できたら、前のセクションの手順 1 ~ 5 に従って、GeoAnalytics Server サイトのプライマリ コンピューターをアップグレードします。
- サイト内にあるコンピューターごとに、これらの手順を繰り返します。
- すべてのコンピューターがアップグレードされたら、もう一度 stopserver.sh を実行して、すべてのコンピューターで ArcGIS Server サービスを停止します。 システムが必要な調整を行うまでに 5 分以上かかります。
- 5 分以上経過したら、startserver.sh コマンド ユーティリティを実行して、サイトのすべてのコンピューターで ArcGIS Server サービスを再開します。 操作の実行後、もう一度 5 分以上待ちます。
- ArcGIS Server Administrator Directory の [プラットフォームのヘルス チェック計算] 操作を使用して、GeoAnalytics Server サイトの使用の準備が整っているかどうかを確認します。
セキュリティのベスト プラクティスを実現するためのスキャン
インストール後の ArcGIS Server サイトでのセキュリティのベスト プラクティスとして、serverScan.py スクリプトを使用してチェックすることをお勧めします。