OGC (Open Geospatial Consortium) の WMTS (Web Map Tile Service) 仕様は、キャッシュされた画像タイルを使用して Web でデジタル マップを提供するための国際仕様です。 ArcGIS Server を使用して、キャッシュされたマップまたはイメージ サービスを作成すると、サービスとそのタイルは自動的に WMTS 仕様を使用してアクセスできるようになります。
WMTS サービスを利用する理由
WMTS サービスは、キャッシュされたマップまたはイメージ サービスを、プラットフォームやクライアントの違いを超えて広く認められているオープンな方法で利用できるようにする場合に役立ちます。 さらに、WMTS サービスは、ArcGIS Server のキャッシュされたマップまたはイメージ サービスを OGC クライアントで高速化するための効果的な方法でもあります。
スコープと互換性
WMTS 1.0.0 仕様および RESTful または KVP エンコーディングをサポートするように構築されたクライアントは、WMTS サービスを表示して操作することができます。 SOAP エンコーディングはサポートされていません。
クライアント アプリケーションは、サービスの URL にパラメーターを追加することにより、WMTS サービスを操作します。 キャッシュされたマップまたはイメージ サービスから生成された WMTS サービスは次の操作をサポートしています (RESTful および KVP エンコーディングのみ)。
- サービスに関するメタデータのリクエスト (GetCapabilities)
- キャッシュ内の個別のタイル リソースのリクエスト (GetTile)
WMTS サービスの詳細については、OGC の Web サイトをご参照ください。 Esri の「Standards and Interoperability」の Web ページでも、ArcGIS での OGC サービスのサポートについて説明しています。
WMTS サービスの公開
WMTS サービスを公開するには、キャッシュされたマップ サービスまたはキャッシュされたイメージ サービスを作成する必要があります。 他のタイプの OGC サービスと異なり、キャッシュされたマップまたはイメージ サービスを作成する際に有効にすべき WMTS ケーパビリティ オプションはありません。WMTS は常に有効になっています。 キャッシュされたマップまたはイメージ サービスを作成する手順の詳細については、次のトピックをご参照ください。
WMTS サービスの利用
ArcGIS Server 上で実行されている WMTS サービスは、RESTful または KVP WMTS リクエストをサポートするすべてのクライアントで利用できます。
クライアントのタイプ
WMTS サービスの最も単純なクライアントは Web ブラウザーです。 ただし、この他にも、WMTS サービスを利用するために使用できるサードパーティ クライアントがあります。 ArcGIS Server によってホストされている WMTS サービスを利用するには、クライアントが WMTS 1.0.0 をサポートしている必要があります。 WMTS サービスを利用できるサードパーティ製のクライアントの詳細については、以下のリンクにアクセスしてください。
URL の構造
WMTS サービスを利用するには、次の形式で URL を指定する必要があります。
キャッシュされたマップ サービス: https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/rest/services/folder/service/MapServer/WMTS
たとえば、「WMTSDemoService」というキャッシュされたマップ サービスを作成し、ポート番号 6443 を使用する「gisserver」サーバー上の「DemoFolder」というフォルダーに入れて公開する場合、URL は次のようになります。
https://gisserver:6443/arcgis/rest/services/DemoFolder/WMTSDemoService/MapServer/WMTS
キャッシュされたイメージ サービス: https://gisserver.domain.com:6443/arcgis/rest/services/fodler/service/ImageServer/WMTS
たとえば、「WMTSDemoService」というキャッシュされたイメージ サービスを作成し、ポート番号 6443 を使用する「gisserver」サーバー上の「DemoFolder」というフォルダーに入れて公開する場合、URL は次のようになります。
https://gisserver:6443/arcgis/rest/services/DemoFolder/WMTSDemoService/ImageServer/WMTS
GetCapabilities および GetTile 操作の WMTS リクエストは HTTP を介してこの URL に発行できます。 その後、これらのリクエストに対する応答と例外がクライアントに返されます。 特定の WMTS リソースの URL を作成する方法の詳細については、OGC WMTS 1.0.0 仕様または ArcGIS Server REST API WMTS のドキュメントをご参照ください。