ArcGIS Notebook Server は、ArcGIS Server をホストする目的でライセンス付与および構成された ArcGIS Notebooks ロールです。 このサーバー ロールは Docker コンテナーを使用してノートブックをホストおよび実行し、ホスト オペレーティング システムの処理を妨げずに、隔離およびセキュリティー保護された環境をノートブックに提供します。
Docker での ArcGIS Notebook Server とそのロールの詳細
ArcGIS Notebook Server を実行するためのシステム要件とハードウェア要件を次に示します。 セットアップ時に実行される診断ツールで、お使いのコンピューターがシステム要件を満たしているかどうかを確認できます。
ハードウェア要件
ArcGIS Notebook Server コンテナーを使用する Linux ノードでは、4 コア以上のプロセッサー、16 GB 以上の RAM、75 GB 以上のディスク容量が必要です。
運用環境では、このソフトウェアのユーザーおよびビジネス要件が異なる場合があるため、ハードウェア要件が記載されていません。 これらの要件は、パフォーマンスとスケーラビリティーの要求を満たすハードウェア要件を決定する際に検討する必要があります。
/var が ArcGIS Notebook Server コンテナー イメージをローカルに保存する Docker ディレクトリーに 50 GB 以上の空き容量があることを確認します。 詳細については、「Docker と ArcGIS Notebook Server」をご参照ください。
GPGPU (General-purpose computing on a GPU)
CUDA を使用した GPGPU (General-purpose computing on a GPU) のサポートは、このソフトウェアの実行には必要ありませんが、ほとんどのディープ ラーニング機能の実行には必要です。 ディープ ラーニングは計算上の負荷が大きいため、大規模なデータセットを処理するには高性能 GPU を使用することをおすすめします。
| アイテム | サポートおよび推奨される要件 |
|---|---|
GPU タイプ | CUDA 計算機能 5.0 (最小) を搭載した NVIDIA GPU、ただし 6.1 以降を推奨します。 GPU の計算機能を特定するには、CUDA 対応カードのリストをご参照ください。 |
GPU ドライバー | NVIDIA GPU ドライバー: バージョン 527.41 以降が必要です。 |
専用のグラフィックス メモリ | 最小: 6 GB。 |
推奨: 16 GB 以上。 | |
メモリ要件は、使用されているモデル アーキテクチャーおよびバッチ サイズによって異なります。 |
注意:
古い GPU ドライバーを使用すると、CUDA がインストールされていないか、サポートされていないツール チェーンが存在することを示すランタイム エラーが発生し、ディープラーニング ツールが失敗します。 NVIDIA が直接提供する最新の GPU ドライバーであることを確認してください。
ファイアウォールの設定
ArcGIS Notebook Server はポート 11443 で通信します。 ソフトウェアをインストールする前に、ファイアウォール上でこのポートを開く必要があります。
フェデレート先である ArcGIS Enterprise ポータルと通信するために、ArcGIS Notebook Server はポータル コンピューター上のポート 7443 にアクセスする必要があります。
注意:
このコンポーネントは、ArcGIS Enterprise 配置の一部にすぎません。 ダイアグラムおよび Enterprise ポータル内の他のコンポーネントとの通信に必要なポートに関する情報へのリンクについては、「ArcGIS Enterprise のシステム要件」をご参照ください。
一時的に使用される領域の要件
デフォルトでは、システムの /tmp ディレクトリーにリソースが展開されます。 このディレクトリーの読み取り権限、書き込み権限、および実行権限を有効にしておく必要があります。 /tmp ディレクトリーに必要な空き容量がない場合、セットアップ プログラムはリソースをユーザーの HOME ディレクトリーに展開しようとします。 ユーザーの HOME ディレクトリーにも必要な空き容量がない場合は、この問題を示すエラー メッセージが表示されます。 必要に応じて、IATEMPDIR 環境変数で一時的な代替領域を指定できます。
ファイル ハンドルとプロセスの制限
ArcGIS Notebook Server はデータ量が多くなるサーバー製品であり、そのデータ形式の多くは数十万のファイルで構成されます。 使用頻度が高いシステムでは、常時数千から数万のファイルが使用されています。 ファイル ハンドルとプロセスが不十分だと、リクエストできない事態がランダムに発生し、システムのダウンタイムに至る可能性があります。 必要になるファイル ハンドルとプロセスの数は、データと、実行されているインスタンス (スレッド/プロセス) の数に応じて変わります。 最小ファイル ハンドル数を 65,535 に、最小プロセス数を 25,059 に設定することにより、システムの持続的な実行が保証されます。
Linux では、ファイル ハンドルとプロセスに対してソフト リミットとハード リミットが設定されています。 ハード リミットを確認するには、ulimit -Hn -Hu コマンド (limit -h を使用している場合は csh 記述子) を使用します。 ソフト リミットを確認するには、ulimit -Sn -Su コマンド (limit を使用している場合は csh 記述子) を使用します。
ソフト リミットとハード リミットを引き上げるには、スーパーユーザーのアクセス権限で、/etc/security/limits.conf ファイルを編集する必要があります。 次の 4 行をファイルに追加して、リミットの値を変更できます。
<ArcGIS Notebook Server installation user> soft nofile <file limit>
<ArcGIS Notebook Server installation user> hard nofile <file limit>
<ArcGIS Notebook Server installation user> soft nproc <process limit>
<ArcGIS Notebook Server installation user> hard nproc <process limit>
この変更を行った後、新しい値を有効にするために、一度サイン アウトしてから特定のユーザーとして再サイン インする必要があります。 リミットが適切に変更されたことを確認するには、前述の ulimit -Hn -Hu コマンドと ulimit -Sn -Su コマンドを使用します。
オペレーティング システム要件
以下の 64 ビット オペレーティング システムは、必要なオペレーティング システム要件を満たしています。 32 ビット オペレーティング システムはサポートされていないため、セットアップが実行されるのは、オペレーティング システムが 64 ビットの場合のみです。
Linux の ArcGIS Notebook Server 用の Docker
Docker システムで使用できる Linux には、Docker Engine および Mirantis Container Runtime という 2 つのエディションがあります。
Ubuntu または Red Hat Enterprise Linux Server が動作している場合、Docker のどちらのエディションも使用できます。
| Docker のエディション | オペレーティング システム | ノートブック ランタイム (コンテナー) イメージ タイプ |
|---|---|---|
Docker Engine Community Edition 28.3.0 以降 | Ubuntu Server LTS 24.04.2 Ubuntu Server LTS 22.04.5 Red Hat Enterprise Linux Server 9 アップデート 6 Rocky Linux 9 アップデート 6 AlmaLinux 9 アップデート 6 | Linux |
Mirantis Container Runtime バージョン 25.0.11 以降 | Ubuntu Server LTS 22.04.5 Red Hat Enterprise Linux Server 9 アップデート 6 Oracle Linux 9 アップデート 6 SUSE Linux Enterprise Server (SLES) 15 SP7 | Linux |
クラウドの実装
クラウド内に ArcGIS Notebook Server を配置できます。 クラウド プラットフォームを利用すると、ArcGIS Notebook Server 配置の機能を増やすことができます。たとえば、コンピューターの処理能力を変更したり、パフォーマンスを上げるために複数のインスタンス間でアプリケーションのネットワーク トラフィックを自動的に分散したりすることが可能になります。
Esri イメージ
Amazon Web Services (AWS) 上の ArcGIS Enterprise は、AWS 上にコンポーネントをデプロイするためのツールを提供します。 ArcGIS Enterprise Cloud Builder for Amazon Web Services または AWS CloudFormation テンプレートを使用して ArcGIS Notebook Server を配置できます。
その他のイメージ
Esri が提供したものとは異なるオペレーティング システム、異なるコンピューター タイプ、または異なるクラウド プラットフォーム上に ArcGIS Notebook Server を配置するには、ご使用のクラウド プロバイダーから提供されるインスタンス上にソフトウェアをインストールして構成する必要があります。 そのインスタンスは、このページに記載されているハードウェア、ソフトウェア、ファイアウォール、一時領域、ファイル ハンドルとプロセスの制限、SSL 証明書、およびドメイン名の各要件を満たしていなければなりません。 ArcGIS Notebook Server 用に独自のクラウド インスタンスをインストールして構成する場合は、次の点に注意してください。
- ArcGIS Enterprise Cloud Builder for Microsoft Azure は Linux プラットフォーム上への ArcGIS Notebook Server のデプロイに対応していません。 Linux プラットフォームを実行している Azure 仮想マシンを使用するには、ArcGIS Notebook Server を手動でデプロイし、インストールを管理する必要があります。
SSL 証明書
ArcGIS Notebook Server には、自己署名証明書が事前に構成されています。これを使用してサーバーで初期テストを行い、インストールが成功したことをすばやく確認できます。
信頼された認証機関 (CA) からの証明書を要求し、それを使用するように ArcGIS Notebook Server を構成する必要があります。 これには、組織が発行したドメイン証明書または CA 署名証明書を使用できます。 証明書は SAN (Subject Alternative Name) を構成する必要があります。構成しない場合、ArcGIS Notebook Server は正常に動作しません。
Portal for ArcGIS には、事前に構成された自己署名証明書も付属しています。 ArcGIS Notebook Server サイトをポータルとフェデレートするため、信頼された CA に証明書を要求し、それを使用するようにポータルを構成する必要があります。
ソフトウェアの前提条件
ArcGIS Notebook Server をインストールする前に、少なくとも ArcGIS Enterprise の基本配置を準備する必要があります。 セットアップ プロセス中に、新しい ArcGIS Notebook Server サイトを ArcGIS Enterprise ポータルとフェデレートします。 ArcGIS Notebook Server は、(同じバージョンの) 他の ArcGIS Enterprise ソフトウェアがインストールされているコンピューター上にインストールできます。
- ArcGIS Notebook Server では、Docker ランタイムをインストールする必要があります。 適切なエディションの Docker をインストールするには、「ArcGIS Notebook Server の Docker のインストール」の手順に従います。
- ArcGIS Notebook Server では、オペレーティング システムに応じて次のパッケージ グループをインストールする必要があります。
- RHEL Server: acl および gettext
- Ubuntu Server: acl および gettext-base
RHEL Server コンピューター
sudo yum install acl
sudo yum install gettextUbuntu Server コンピューター
sudo apt-get install acl
sudo apt-get install gettext-baseドメイン名システム ホスト名エントリー
ArcGIS Notebook Server は、ドメイン名システム (DNS) ホスト名エントリーのあるコンピューターにインストールする必要があります。 このためには、サイトのシステム管理者がネットワーク内のネーム サーバーにエントリーを追加し、このネーム サーバーがシステム上の /etc/resolv.conf 構成ファイルにリストされる必要がある場合があります。
サイトをポータルとフェデレートするため、完全修飾ドメイン名 (FQDN) エントリーを含めるように組織の DNS を構成することをおすすめします。 ポータルは、フェデレートの際に各サイトの FQDN を要求します。
サポートされる Web ブラウザー
ArcGIS Notebook Server 構成ウィザードおよびノートブック エディターを使用する場合、以下の Web ブラウザーがサポートされています。
- Google Chrome バージョン 138 以降
- Microsoft Edge バージョン 138 以降
- Mozilla Firefox バージョン 142 以降
- Mozilla Firefox version 140 (ESR)
- Safari バージョン 18 以降