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ArcGIS Notebook Server のシステム要件

ArcGIS Notebook Server は、ArcGIS Notebooks をホストする目的でライセンス付与および構成された ArcGIS Server ロールです。 このサーバー ロールは Docker コンテナーを使用してノートブックをホストおよび実行し、ホスト オペレーティング システムの処理を妨げずに、隔離およびセキュリティ保護された環境をノートブックに提供します。

ArcGIS Notebook Server での Docker とそのロールの詳細

ArcGIS Notebook Server を実行するためのシステム要件とハードウェア要件を次に示します。

ハードウェア要件

ArcGIS Notebook Server ノードの最小 RAM 要件は 8 GB です。

運用環境では、このソフトウェアのユーザーおよびビジネス要件が異なる場合があるため、最小ハードウェア要件が記載されていません。 これらの要件は、パフォーマンスとスケーラビリティの要求を満たすハードウェア要件を決定する際に検討する必要があります。

ArcGIS Notebook Server では、50 GB 以上の空き容量が必要です。

ファイアウォールの設定

ArcGIS Notebook Server はポート 11443 で通信します。 ソフトウェアをインストールする前に、ファイアウォール上でこのポートを開く必要があります。

フェデレート先である ArcGIS Enterprise ポータルと通信するために、ArcGIS Notebook Server はポータル コンピューター上のポート 7443 にアクセスする必要があります。

オペレーティング システム要件

以下の 64 ビット オペレーティング システムは、最低限必要なオペレーティング システム要件を満たしています。 32 ビット オペレーティング システムはサポートされていないため、セットアップが実行されるのは、オペレーティング システムが 64 ビットの場合のみです。

アンダースコア (_) が含まれているコンピューター名はサポートされていません。 コンピューター名にアンダースコアが含まれていることが検出されると、セットアップが実行されません。

ArcGIS Notebook Server コンピューターのオペレーティング システムが ArcGIS Enterprise 配置内の他のコンピューターのものと異なる場合があります。 これが発生する最も一般的なシナリオは、ArcGIS Notebook ServerLinux コンピューターに配置する一方で、残りの ArcGIS Enterprise 配置に Microsoft Windows コンピューターを使用した場合です。

いくつかのインターネット ホスト名に関する仕様では、アンダースコア文字を規格外と定めています。 Microsoft Windows ではコンピューター名にアンダースコアを使用できますが、これにより、他のサーバーやプラットフォームを操作するときに問題が生じる可能性があります。 このため、ホスト名にアンダースコアが含まれるサーバーでは ArcGIS Notebook Server はインストールされません。

ArcGIS Notebook Server はドメイン コントローラー上ではサポートされません。 ArcGIS Notebook Server をドメイン コントローラー上にインストールすると、機能に悪影響が出る可能性があります。

特に指定がない限り、これらのオペレーティング システムのバージョンに関して過去と今後のアップデートまたはサービス パックはサポートされています。 また、オペレーティング システムのバージョンとアップデートはオペレーティング システムのプロバイダーでもサポートされている必要があります。

ArcGIS Notebook Server の新規インストールでサポートされているオペレーティング システムは、Windows Server 2019 のみです。 これまでは Windows Server 2016 もサポートされていましたが、バージョン 2.0.0.3 の後の Docker Desktop Community に対する変更により、そのオペレーティング システムとの互換性がなくなりました。

備考:

Docker Desktop Community のドキュメントでは、システム要件に Windows Server 2019 のサポートはリストされていません。

Windows 10 Pro および Enterprise は、単一コンピューター サイトの基本的なテストとアプリケーション開発用途でのみサポートされています。 実稼働環境での配置には推奨されておらず、複数コンピューター サイトもサポートしていません。

クラウドの実装

クラウド内に ArcGIS Notebook Server を配置できます。 クラウド プラットフォームを利用すると、ArcGIS Notebook Server 配置の機能を増やすことができます。たとえば、コンピューターの処理能力を変更したり、パフォーマンスを上げるために複数のインスタンス間でアプリケーションのネットワーク トラフィックを自動的に分散したりすることが可能になります。

Esri イメージ

Esri が提供する ArcGIS Enterprise 10.7.1 Microsoft Azure イメージには ArcGIS Notebook Server のインストールが含まれています。 ArcGIS Enterprise Cloud Builder for Microsoft Azure を使用することはできますが、手動で Docker をインストールし、インストール後に Docker を構成する必要があります。Cloud Builder ではこれらの手順は実行されません。 現在、単一コンピューターの ArcGIS Notebook Server サイトだけが Microsoft Azure でサポートされています。

備考:

クラウド プラットフォーム上の Esri ソフトウェアにつきましては、Esri テクニカル サポートをご利用いただけます。 ただし、Microsoft Azure コンピューター イメージが標準の Esri またはオペレーティング システムの更新に関係なく変更された場合、サポートが提供されないことがあります。 Esri でリリースされたソフトウェアは変更しないことをお勧めします。

異なる構成が必要な場合は、次のセクションをご参照ください。

その他のイメージ

Esri が提供したものとは異なるオペレーティング システム、異なるコンピューター タイプ、または異なるクラウド プラットフォーム上に ArcGIS Notebook Server を配置する場合は、ご使用のクラウド プロバイダーから提供されるインスタンス上にソフトウェアをインストールして構成する必要があります。 そのインスタンスは、このページに記載されているハードウェア、ソフトウェア、ファイアウォール、SSL 証明書、およびドメイン名の各要件を満たしていなければなりません。 ArcGIS Notebook Server 用に独自のクラウド インスタンスをインストールして構成する場合は、次の点に注意してください。

  • Amazon Web Services での Windows コンピューター上への ArcGIS Notebook Server の配置はサポートされていません。 Amazon Web Services を利用する場合は、ソフトウェアを Ubuntu コンピューター上に配置することをお勧めします。
  • サポートされている Windows または Linux プラットフォームを実行している Azure 仮想マシン上に ArcGIS Notebook Server を配置できます。
  • 独自の Microsoft Azure Windows インスタンスを配置する場合は、コンテナー イメージを含む Microsoft Server 2016 Datacenter が推奨されます。
  • 単一コンピューターの ArcGIS Notebook Server サイトだけが Microsoft Azure でサポートされています。

サーバー証明書

ArcGIS Notebook Server には、自己署名証明書が事前に構成されています。これを使用してサーバーで初期テストを行い、インストールが成功したことをすばやく確認できます。

信頼された認証機関 (CA) からの証明書を要求し、それを使用するように ArcGIS Notebook Server を構成する必要があります。 これには、組織が発行したドメイン証明書または CA 署名証明書を使用できます。 証明書は SAN (Subject Alternative Name) を構成する必要があります。構成しない場合、ArcGIS Notebook Server は正常に動作しません。

備考:

IIS を使用して作成された証明書には、SAN を含めるオプションがありません。 「ドメイン証明書の作成」のスクリプトを使用します。この場合、作成される証明書に SAN が含まれます。

Portal for ArcGIS には、事前に構成された自己署名証明書も付属しています。 ArcGIS Notebook Server サイトをポータルとフェデレートするため、信頼された CA に証明書を要求し、それを使用するようにポータルを構成する必要があります。

ソフトウェアの前提条件

ArcGIS Notebook Server をインストールする前に、少なくとも ArcGIS Enterprise 10.7 の基本配置を準備する必要があります。 セットアップ プロセス中に、新しい ArcGIS Notebook Server サイトを ArcGIS Enterprise ポータルとフェデレートします。 ArcGIS Notebook Server は、(同じバージョンの) 他の ArcGIS Enterprise ソフトウェアがインストールされているコンピューター上にインストールできます。

  • ArcGIS Notebook Server では、Docker ランタイムをインストールする必要があります。 適切なエディションの Docker をインストールするには、「ArcGIS Notebook ServerDocker のインストール」の手順に従います。
  • ArcGIS Notebook Server を実行するには、Windows Server 2016、Windows Server 2019、および Windows 10 上に Hyper-V ロールがすでにインストールされている必要があります。 Windows Server 2016 または Windows Server 2019 および Windows 10 に Hyper-V ロールをインストールする方法については、Microsoft のドキュメントをご参照ください。
    備考:

    特定の仮想化環境では、Windows で Hyper-V を有効にして処理できません。 その結果、その環境では ArcGIS Notebook Server をインストールして処理することはできません。 ArcGIS Notebook Server をインストールする前に、Docker がコンピューター上にインストールされ、Linux コンテナーをサポートしていることを確認します。

  • ArcGIS Notebook Server のために IIS Web サーバー上に ArcGIS Web Adaptor をインストールする予定の場合、WebSocket プロトコルを有効化します。 これは、ノートブックを Web Adaptor と連携させる場合に必要です。

ドメイン ネーム サービスと完全修飾ドメイン名に関する推奨事項

組織のドメイン ネーム サービス (DNS) は、ArcGIS Notebook Server サイトの完全修飾ドメイン名 (FQDN) エントリを含むように構成することをお勧めします。 Portal for ArcGIS は、フェデレートの際にサイトの FQDN を要求します。

サポートされる Web ブラウザー

ArcGIS Notebook Server 構成ウィザードおよびノートブック エディターを使用する場合、以下の Web ブラウザーがサポートされています。

  • Google Chrome
  • Mozilla Firefox

ArcGIS Notebook ServerArcGIS Notebooks を使用する場合、Microsoft Internet Explorer および Microsoft Edge はお勧めしません。