複数コンピューターの ArcGIS Video Server サイトでは、さらに多くのアクティブなメンバーをサポートできるようになります。 多数のアクティブ ユーザーがいる場合や、1 台のコンピューターのリソースがユーザーのニーズを満たすには不十分な場合、複数コンピューターのサイトに拡張すると効果的です。 ArcGIS Video Server サイトのすべてのコンピューターでバージョンとライセンス ファイルが同じである必要があります。 最初に設定するコンピューターで、ArcGIS Video Server サイトを作成しておく必要があります。 これで、このサイトに ArcGIS Video Server コンピューターをさらに追加できます。
インストール開始前
ArcGIS Video Server サイトを作成する際に、構成ストアおよびサーバー ディレクトリの場所を指定します。 複数コンピューターのサイトでは、構成ストアとサーバー ディレクトリを共有し、他のコンピューターがそれらにアクセスできるようにしなければなりません。 サイトに参加する各コンピューターに、これらの共有場所に対する読み書き権限を付与する必要があります。
複数コンピューターのサイトのインストールおよび構成
複数コンピューターの ArcGIS Video Server サイトを設定する場合は、追加の手順を実行する必要があります。
- コンピューターごとに ArcGIS Video Server のシステム要件を確認します。 必要に応じて、ファイアウォールを調整し、ArcGIS Video Server 配置内の各コンピューターからの通信に使用するポート 21080 とポート 21443 を開きます。 ファイアウォールが ArcGIS Web Adaptor または外部クライアントの間にある場合、ファイアウォールでポート 21443 を開きます。
ポート 21443 は、ArcGIS Web Adaptor (使用している場合) または外部クライアントからアクセス可能である必要があります。
必ず両方のコンピューターで同じオペレーティング システム ユーザーを使用してインストールします。 ArcGIS Video Server のインストールに使用したユーザー アカウントが、ソフトウェアの実行に使用するアカウントになります。 グループ ユーザーとその他すべてのユーザーは、少なくとも ArcGIS Video Server インストール ディレクトリの実行権限を持っている必要があります。 root アカウントを使用した ArcGIS Video Server のインストールはサポートされていません。 たとえば、2 台のコンピューターにインストールするために使用するユーザー アカウントは次のように設定します。
- ArcGIS Video Server を、ユーザー ID が 58103 のユーザー ags として最初のコンピューターの /data/ags にインストールします。
- ArcGIS Video Server を、同じユーザー名と ID (ags、ユーザー ID 58103) で 2 番目のコンピューターの /data/ags にインストールします。
- 現時点までのインストール プロセス中に、すでに次の作業が完了しているようにします。
- 各コンピューターに ArcGIS Video Server をインストールして認証するか、このソフトウェアをサイレント インストールします。
- ネットワーク上で 2 つのディレクトリを作成して共有し、インストール ユーザーを所有者として指定します。
1 つは構成ストア用、もう 1 つはサーバー ディレクトリ用です。 フォルダーに対する 700 以上の権限を付与する必要があります。
以下の例をご参照ください。注意:
非表示になっているか、特殊文字 (たとえば、「$」) を使用している共有ネットワーク ディレクトリは、ArcGIS Video Server ではサポートされません。
- 「config-store」という名前のディレクトリを作成します。 ユーザー ID が 58103 のユーザー ags を所有者として指定します。ディレクトリに対する 700 以上の権限を付与します。
- config-store フォルダーを共有して、両方のコンピューターが同じパス (たとえば /net/myserver/config-store) を使用してこのディレクトリにアクセスできるようにします。
- 「arcgisvideoserver」という名前のディレクトリを作成します。 ユーザー ID が 58103 のユーザー ags を所有者として指定します。ディレクトリに対する 700 以上の権限を付与します。
- arcgisvideoserver フォルダーを共有して、両方のコンピューターが同じパス (たとえば /net/myserver/arcgisvideoserver) を使用してこのディレクトリにアクセスできるようにします。
サイトを作成するときに使用するコンピューター上にディレクトリを配置する場合でも、手動でディレクトリを作成して共有し、ネットワーク パスを通じて参照しなければなりません。
- いずれかのコンピューターから、新しい ArcGIS Video Server サイトを作成します。 以前に設定したサーバー ディレクトリと構成ストアのパスを必ず使用してください。
- 前の手順が完了したら、構成ウィザードを使用して作成したサイトに各コンピューターを追加します。 コマンド ラインからサイトに追加する場合は、ステップ 6 をご参照ください。
- 最初に追加したコンピューターから、ArcGIS Video Server Admin Endpoint を開きます。
- [サイトに参加] をクリックします。
- ステップ 4 で作成したとおりに、ArcGIS Video Server サイトの URL と認証情報を入力します。
- サイトに加える各コンピューターに対して、サブステップ a から d を繰り返します。
- 構成ウィザードを使用する代わりに、次のようにコマンド ライン ユーティリティを使用してコンピューターをサイトに追加します。
- ArcGIS Video Server アカウントでコンピューターにサイン インしていることを確認します。
- コマンド プロンプトを開き、<ArcGIS Video Server install directory>/tools/joinsite/joinsite.sh にあるユーティリティを実行します。 ユーティリティのコマンド ライン パラメーターは次のとおりです。
パラメーター 説明 -u または --username
プライマリ サイト管理者のユーザー名。
ユーザー名に文字 \/:*?|<> を含めることはできません。
-p または --password
プライマリ サイト管理者のパスワード。
パスワードに次の文字は使用できません: \/:*?|<>
-f または --file
joinsite ユーティリティの構成ストアの接続ファイル。
-s または --siteUrl
参加する既存の ArcGIS Mission Server サイトの URL (https://missionserver.domain.com:20443/arcgis/admin 形式)。
-h または --help
コマンド ライン ヘルプを表示して、終了します。
以下はユーティリティのコマンド例です。
<ArcGIS Video Server install directory>/tools/joinsite/joinsite.sh -u videoPSA -p my.Password3 -s https://videoserver.domain.com:20443/arcgis/admin
アカウントの認証情報とサイト URL が正しく入力されると、ユーティリティはコンピューターを ArcGIS Video Server サイトに加えます。 追加コンピューターごとに、この手順を繰り返します。
オブジェクト ストアを構成ストアとして使用してサイトに追加
オブジェクト ストア (Amazon Web Services (AWS) や Microsoft Azure) を初期サイトの構成ストアとして使用する場合は、ArcGIS Video Server を実行しているユーザー アカウントによる適切な読み取り権限と書き込み権限のある両方のコンピューターからアクセスできる共有パスにもディレクトリ フォルダーを配置する必要があります。