ビッグ データ ストアとは
ArcGIS Data Store によって使用可能になる ArcGIS for Server は、ビッグ データ ストアを導入することで観測データを操作できるように強化されました。観測データは、移動体または静止センサーの属性変更 (あるいは両方) の場合があります。ビッグ データ ストアは、大容量の観測データの保管を可能にして、高速の書き込みスループットを維持し、複数のコンピューター (ノード) 間で実行できます。コンピューターを追加すると容量が追加され、より多くのデータを保存し、より長期のデータ維持ポリシーを実装し、より高度な書き込みスループットをサポートできるようになります。ビッグ データ ストアはスケーラブルです。たとえば、数千のコンピューターでビッグ データ ストア リングをサポートすることも可能です。
ビッグ データ ストアを使用するための要件
ビッグ データ ストアには Web GIS が必要です。ここには次のソフトウェアのインストールと構成が含まれ、3 台のコンピューター サイトが推奨されます。
- Portal for ArcGIS
- ArcGIS for Server (Portal とフェデレートし、ホスティング サーバーとして構成)
- ArcGIS Web Adaptor (Portal のインストールと構成に必要)
- ArcGIS Data Store (ホスティング サーバーに従来の RDBMS を提供)
- ArcGIS Data Store (別のサーバー上、ビッグ データ ストアをサポート)
- ArcGIS GeoEvent Extension for Server (フェデレートできる別のサーバー上にインストール)
ビッグ データ ストアへのデータの送信
GeoEvent Extension では、観測データをビッグ データ ストアに書き込むための出力コネクタが提供されています。
- [フィーチャを ArcGIS Spatiotemporal Big Data Store に追加] では、新しいフィーチャを追加できます。
- [ArcGIS Spatiotemporal Big Data Store のフィーチャを更新] では、既存のフィーチャを更新できます。
- [フィーチャをストリーム サービスに送信] では、[アーカイブ] が有効な場合に保持 (保存) されるストリーム サービスによって、最新の観測 (TRACK_ID に基づく) のブロードキャストが可能になります。
ビッグ データ ストア内のデータの操作
ビッグ データ ストアに保存されている大容量の観測データには、フィーチャ サービスを介してアクセス可能で、これらはマップ サービスを使用して視覚化できます。マップ サービスではダイナミック レンダリングと集約されたデータ リプレゼンテーションが可能なので、観測データは、各ユーザー セッションに固有のさまざまな詳細レベルで視覚化できます。マップ サービスの密度集約は、拡大時にリアルタイムで作成されるので、Web マップのデータのリプレゼンテーションは動的に更新されます。これは、リアルタイムで GIS を使用する場合に重要です。観測は常に更新されるので、Web マップに表示されるデータ リプレゼンテーションは最新の受信データを反映する必要があるからです。
ビッグ データ ストアに保存されている大容量の観測データには、フィーチャ サービスを介してもアクセス可能です。ビッグ データ ストアに対するフィーチャ サービスのクエリは、非常にすばやく返されます。クエリは、ID、時間、空間、属性の任意の組み合わせによって実行できます。ビッグ データ ストア内の未加工のフィーチャは、フィーチャ サービスを使用して、クライアント側で視覚化できます。ただし、フィーチャが大容量なので、大縮尺のマップで未加工のフィーチャを表示するだけの場合もあります。
ベスト プラクティスとして、縮尺依存のレンダリングを構成して、マップ サービス レイヤーとフィーチャ サービス レイヤーを切り替えることで視覚効果を向上させることができます。マップ サービスでは、集約データを小縮尺のさまざまな詳細レベルでレンダリングすることもあります。未加工のフィーチャの視覚化に適した、指定されたマップの縮尺を超えて拡大した場合は常に、フィーチャ サービスがオンになります。
ビッグ データ ストアの概要
ビッグ データ ストアの操作を開始するには、ArcGIS Data Store のヘルプと、GeoEvent Extension のチュートリアルから入手できる該当のチュートリアルをご参照ください。