ArcGIS Enterprise の基本配置に加えて、追加サーバーを使用して機能およびキャパシティーをサイトに追加できます。以下のセクションでは、ArcGIS Enterprise の基本配置は次のアイコンで表されています。
| アイコン | 説明 |
|---|---|
 | 「ArcGIS Enterprise の基本配置」ヘルプ トピックで説明されているように、1 台または複数のコンピューターを使用して構成できる ArcGIS Enterprise の基本配置。 |
ArcGIS GIS Server
ArcGIS Enterprise の基本配置では、 ArcGIS GIS Server は、次の 2 つの異なるキャパシティーで動作します。1 つは、Web GIS インフラ全体をサポートするホスティング サーバー、もう 1 つは、エンタープライズ ジオデータベースやファイル ジオデータベースなどのユーザー独自のデータ ソースを参照する ArcGIS Desktop からサービスを公開できる汎用 GIS Server です。多くの組織では、これらの機能を 2 つの異なる ArcGIS Server サイトに分離することができます。そのような構成では、ArcGIS Enterprise の基本配置は、 ArcGIS GIS Server としてライセンスされた追加の ArcGIS Server サイトとフェデレートされます。この追加サイトは、専用のマッピング機能および視覚化機能をユーザーに提供します。各サイト内のコンピューターの数は、キャパシティーおよび高可用性に対する特定の要件によって決まります。
ArcGIS Server サイト内の各コンピューターは、8 GB 以上のメモリを必要とし、公開されるサービスの数およびそれらの利用パターンよっては、さらに多くのメモリが必要になる可能性があります。
ArcGIS Image Server
ArcGIS Image Server は、画像、ラスター、およびリモートで検出されたデータの大規模なコレクションの提供、処理、解析、および値の抽出を行います。ArcGIS Image Server は、モザイク データセットからの動的イメージ サービス、および分散処理を使用したラスター解析という 2 つの主な機能を提供します。
最小限の配置の場合、ArcGIS Enterprise の基本配置は、ArcGIS Image Server としてライセンスされてフェデレートされた追加の ArcGIS Server サイトによって拡大されます。
この配置は、動的イメージ サービス機能を提供する場合に適しています。必要に応じて、フェデレートされた追加サーバーをベース配置に追加することもできます。
大きいデータセットに対してラスター解析が定期的に実行される配置、および動的イメージ サービスに悪影響を与えないようにしたい配置の場合、ラスター解析および動的イメージ サービスに、別々のサイトを使用する必要があります。
そのようなサイトでは、コンピューターごとに 8 GB 以上の RAM が存在する必要があります。
ArcGIS GeoAnalytics Server
ArcGIS GeoAnalytics Server を構成するには、ArcGIS Enterprise の基本配置、独自のコンピューター上のビッグ データ ストアとして構成された ArcGIS Data Store、および ArcGIS GeoAnalytics Server としてライセンスされてフェデレートされた ArcGIS Server サイトを含めて、最小限、構成が以下の図に示すようになる必要があります。
この配置は、開発とテスト、および高可用性の要件のない実稼働環境に適しています。データ ストアおよび ArcGIS GeoAnalytics Server コンピューターごとに、16 GB 以上のメモリが必要になります。
データ量が多い場合、ビッグ データ ストアとして構成された ArcGIS Data Store 用の追加コンピューターが必要になることがあり、大量のデータを高速に処理するために、追加の ArcGIS GeoAnalytics Server コンピューターが必要になることがあります。このような種類の要件のために、このパターンを拡大する方法については、以下をご参照ください。
ArcGIS GeoAnalytics Server の配置に推奨されるアーキテクチャーを、以下の図に示しています。このサイトは、ArcGIS Enterprise の基本配置内のホスティング サーバーに登録されたビッグ データ ストア用の複数のコンピューターを含んでいます。
ArcGIS GeoAnalytics Server を使用して構成された入力データ ソースからの良好な I/O スループットを保証する必要もあります。これには、リモート ファイル共有からの良好なスループットを保証することが含まれます。
ArcGIS GeoEvent Server
ArcGIS GeoEvent Server は、リアルタイムのイベントベース データ ストリームをデータ ソースとして統合できるようにします。ArcGIS GeoEvent Server での最小限の設定には、ArcGIS GeoEvent Server のライセンス ロールを既存の ArcGIS Enterprise の基本配置に追加することが含まれます。実稼働環境の場合、ArcGIS GeoEvent Server としてライセンスされた別の 1 台のコンピューターの ArcGIS Server サイトをベース配置に追加することをお勧めします。そうすることで、ArcGIS Enterprise の基本配置で公開されたサービスとのリソースの競合を防ぐことができます。
この構成では、ArcGIS GeoEvent Server コンピューターに、8 GB 以上の RAM が存在する必要があります。この配置は、開発とテストに適しており、受信リアルタイム イベントおよびそれらのイベントに適用されるリアルタイム解析の量が少ない実稼働配置に適している場合があります。
上の構成は、ArcGIS Enterprise の基本配置内のホスティング サーバーに登録されたビッグ データ ストアをサポートしている 3 台のコンピューターを示しています。複数のコンピューターによってサポートされるビッグ データ ストアを組み込むことで、ArcGIS GeoEvent Server によって処理されるイベント データの高速で大容量の履歴管理が可能になります。ビッグ データ ストアを構成する場合、システム設計者が、3 台以上のコンピューターで構成されたデータ ストレージ リングを計画することが推奨されます。
ArcGIS GeoEvent Server ソリューションを設計する場合、ビッグ データ ストアを使用するのは任意です。GeoEvent Server は、イベント量が比較的に少ない (1 秒当たり 200 イベント未満) 場合、1 台のコンピューターの従来のリレーショナル ジオデータベースのインスタンス内にデータを保持することができます。
ArcGIS GeoEvent Server で、複数コンピューターのサイトを使用することは推奨されません。代わりに、ArcGIS GeoEvent Server コンピューターのリソースを特定のリアルタイム データ ストリーム専用にするために、複数の独立したサイトを構成する必要があります。
外部メッセージ ブローカー (示されていない) を追加すると、GeoEvent Server は、大量の受信リアルタイム イベントを伴う実稼働配置用に拡大することができ、回復力および災害復旧のシステム要件をサポートすることができます。高度にスケーラブルな回復力のあるアーキテクチャーを計画している場合、Esri Professional Services とのサポート契約をお勧めします。
既存のベース ArcGIS Enterprise コンピューター上に ArcGIS GeoEvent Server を配置およびライセンスする最小限の設定 (示されていない) がサポートされます。ただし、システム設計者は、そのようなソリューションを実稼働環境に移行する前に、 ArcGIS GIS Server と ArcGIS GeoEvent Server の間でのシステム リソース共有の意味を理解する必要があります。