ArcGIS Enterprise は、ArcGIS Server 製品ラインが新たに進化した製品で、フル機能を搭載したマッピングおよび解析プラットフォームです。マップ、地理情報、および解析を任意のデバイスでいつでもどこでも使用できるように、作業を整理および共有するための高性能の GIS Web サービス サーバーと専用の Web GIS インフラストクチャを備えています。
サポートされている環境
ArcGIS Enterprise は柔軟な配置モデルを備えており、さまざまな構成に対応しています。
- オンプレミス (物理的なハードウェア、仮想化環境)
- クラウド (Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure)
- オンプレミスとクラウドの組み合わせ
ArcGIS Enterprise の構成内容
ArcGIS Enterprise 製品は、コラボレーションして動作するように設計された次のソフトウェア コンポーネントを装備しています。
- ArcGIS Server - マップ作成や解析を行うための、中心的な Web サービス コンポーネント。
- Portal for ArcGIS- マップ、アプリケーション、その他の地理情報を組織内の他のユーザーと共有することができます。
- ArcGIS Data Store - 配置で使用されるホスティング サーバーやフェデレーション サーバーのデータ ストレージを構成できます。
- ArcGIS Web Adaptor - ArcGIS Server と Portal for ArcGIS を既存の Web サーバーおよび組織のセキュリティ メカニズムと統合できます。
ArcGIS Enterprise のライセンス認証
ArcGIS Enterprise は、ユーザー単位またはシステム容量単位でライセンス認証されます。指定ユーザーが 2 つのレベルで存在することで、情報およびコンテンツ作成機能へのセキュリティ保護されたアクセスを実現しています。2 つのレベルの指定ユーザーと機能の詳細については、「組織のロールとメンバーシップ レベル」をご参照ください。
ArcGIS Server は ArcGIS Enterprise の中心的なコンポーネントです。システムの容量と機能は、1 つ以上のサーバー ロールに従って、CPU コア数による ArcGIS Server のライセンス認証を介して提供されます。次に示す ArcGIS Server で使用可能なロールとエクステンションのリストをご参照ください。
ArcGIS Server のロールとエクステンション
ArcGIS Server は、配置で有効化したい機能に応じて、さまざまなロールでライセンス認証できます。また、ArcGIS Server には、有償のエクステンションもいくつか用意されています。各 ArcGIS Enterprise エディションのオプションの詳細な説明については、「ArcGIS Enterprise 機能比較表」をご参照ください。また、詳細について、「 ArcGIS GIS Server の機能とエクステンション」もご参照ください。ArcGIS Server で使用可能なロールは次のとおりです。
- ArcGIS GIS Server - マップ サービス、フィーチャ サービス、ジオプロセシング サービスなどの GIS リソースをユーザーに提供できます。また、このロールは、GIS Server がポータルのホスティング サーバーとして機能するオンプレミスの Web GIS 用にホストを提供するためにも必要です。 ArcGIS GIS Server は、Advanced、Standard、Basic としてライセンス認証できます。すべての ArcGIS Enterprise エディションに、ArcGIS Server ロールでライセンス認証された GIS Server が含まれます。
- ArcGIS Image Server - リアルタイムの視覚化のためにイメージ サービスを公開し、ラスター データに対して分散型解析を実行できます。
- ArcGIS GeoAnalytics Server - テーブル データとフィーチャ データに対して分散型解析を実行できます。
- ArcGIS GeoEvent Server - イベント ベースのリアルタイム データ ストリームをデータ ソースとして GIS に統合することができます。
- ArcGIS Business Analyst サーバー - 組織は Business Analyst ベースの機能をホストできます。
詳細については、「ArcGIS Serverのライセンス ロールについて」をご参照ください。
これらの ArcGIS Server ロールを使用するには、ArcGIS Server コンポーネントをインストールし、適切なライセンス ファイルを適用してロールを有効化します。必要な場合は、単一の ArcGIS Server サイトで複数のロールを有効化できます。ただし、一般に、可能な場合はサイトごとに 1 つのロールを使用することが推奨されます。
ArcGIS Enterprise の基本配置
ArcGIS Enterprise の基本配置は、Portal for ArcGIS、ArcGIS Server、ArcGIS Data Store の 3 つの主要コンポーネントの組み合わせで構成されます。これらのコンポーネントが統合されて Web GIS を構成します。この基本配置は、セキュリティ保護された共有、アプリ インフラストラクチャ、情報管理の各機能に加えて、基本的なマッピング機能と解析機能を提供します。この配置において ArcGIS Server は、GIS Server Standard または GIS Server Advanced レベルでライセンス認証される必要があります。詳細については、「ArcGIS Enterprise の基本配置」をご参照ください。
この基本配置では、Web ベースのポータルを介したセルフサービス マッピング機能と ArcGIS Desktop からのワークフローの公開/共有の両方に対応できます。
追加のサーバーの配置
ArcGIS Image Server、ArcGIS GeoEvent Server、ArcGIS GeoAnalytics Server、および ArcGIS Business Analyst Server が、ArcGIS Server の追加のライセンス ロールです。これらのサーバー ロールは、ArcGIS Enterprise の基本購入 (Standard または Advanced) に加えてライセンス認証できます。複数のサーバー ライセンス ロールを ArcGIS Enterprise の基本配置として同じコンピューターまたはサイトに適用することも、それらのロールをベース配置とは独立して配置することもできます。サーバーの運用をサポートできるだけの十分なコンピューター リソースを確保するために、複数ロールのサーバーまたはサーバー サイトを構成する前に、各サーバー ライセンス ロールのシステム要件を確認してください。通常、ロールごとに異なるサイトを配置することをお勧めします。
追加のサーバー ロールを使用してベース配置にさらに容量と機能を追加する方法の詳細については、「追加のサーバーの配置」をご参照ください。